2019年3月11日8時時点に竹内典弘さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週のユーロ/円相場は7日(木)のECB理事会の政策発表後に大きく下落、その後も週の後半にかけて下げ幅を拡大した。グローバルでの株価の戻りも、ここにきてやや調整色が強い展開となってきた。8日(金)のアジア時間には上海総合指数が前日比で-4.4%で引けとさらに調整が継続、リスク回避の動きからユーロ/円も週安値124.28円を示現した。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週はイベントという点では、英国でEU離脱関連の複数の議会採決を控えるが、それ以外はやや材料難。先週ECB理事会は今後の経済・インフレ見通し等を大幅に下方修正した。貸出条件付きの資金供給オペであるTLTRO-3の早期導入は、利下げではないものの広義の金融緩和という側面が大きい。さらに今後の金融政策、この先の利上げも2019年内での可能性がほぼ消えた。現在の金利の市場がECBの今後の利上げ、預金ファシリティ金利(現在0.40%)でフルに利上げ1回相当分の10bp(0.10%)を織り込んでいるのは2022年となってしまった。利上げが繰り下げられた通貨、ユーロの戻りは鈍く、ユーロ/米ドル、ユーロ/円戻りも限定的とみている。ボラティリティから換算する今週のレンジは、米ドル/円で110.00~112.00円、ユーロ/米ドルで1.1100~1.1300ドル、ユーロ/円で123.50~126.00円を予想している。

竹内典弘
1990年、カナダ系の銀行へ入行し為替ディーラーとなる。HSBCでは米ドル/円のチーフトレーダーを務めるなど20年以上にわたって為替市場の第一線で活躍。現在は個人トレーダーとして自己資金を運用するほか、twitter(@yen20pl)や西原宏一さんのメルマガを通じて情報配信を行なう。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。