今やすっかり生活の中に浸透している電子マネーですが、お金の支払いが便利になった一方、カードの管理が複雑になったり、ついつい余計なものを買ってしまったりと使い方の難しさを感じている人もいるのではないでしょうか。今回は電子マネーのメリットとデメリットをご紹介します。

電子マネーにはどんなものがある?

電子マネー,メリット,デメリット
(画像=PIXTA)

楽天EdyやWAONなどのプリペイド式電子マネー

最も一般的な電子マネーが楽天EdyやWAON、nanacoなどに代表されるプリペイド式の電子マネーです。利用するにはあらかじめお金をチャージしておく必要があります。

改札で使える交通系

SuicaやPASMOなどはIC乗車券を兼ねた電子マネーで、最大の特徴はそのまま改札を通れることです。他の電子マネーでは、切符は買えますが改札は通れません。普段公共交通機関で移動することが多い方にとっては、特にメリットがある電子マネーです。

後払い(ポストペイ)のものも

iDやQUIC Payなど、後払いでチャージ不要な電子マネーもあります。これらはクレジットカードに紐づけられていることが多く、クレジットカードをワンタッチで、またはスマホでと、より便利に使えるようにしたものと言えます。

電子マネーのメリットは利便性

支払いが簡単

電子マネーの一番のメリットは、なんと言っても支払いの便利さ。現金を持ち歩く必要がなく、支払いのときに小銭の枚数を数えるのに手間取ることもありません。また、レジでの支払いが速くなる上に、お釣りの間違いなど、会計時のミスも無くなります。

管理がしやすい

電子マネーは、使い方によっては家計の管理がしやすいというメリットもあります。

まず、プリペイド式の電子マネーであれば、1ヵ月の交通費はいくらまでなど、あらかじめ予算を決めることができます。また、ポストペイのものであっても、最近ではマネーフォワードMEやZaimなどの家計簿アプリと連携して、自動的に支出を記録してくれるものも増えています。

現金で支払いをすると自分で家計簿を逐一記入する必要がありますが、電子マネーならデータが保存されています。記入の手間が省けることで、家計の管理はますます自動化されていくことでしょう。

ポイントが貯まる

nanacoやWAONは利用するとポイントが貯まりますし、ポストペイタイプの電子マネーでは紐づいているクレジットカードにポイントを貯めることができます。日常の買い物でポイント貯めることができるのも電子マネーのメリットの1つです。

デメリットはない?

電子マネーは安全なのか?

盗難、紛失の場合、利用停止の連絡をすれば残高などが引き継げる電子マネーもありますが、中には楽天Edyのように残高が補償されないものもあります。また、電車内などで少額のお金を決済されてしまう「電子マネーのスリ」も問題になっています。

現金でも盗難、紛失やスリの恐れはありますが、電子マネーだからと言って100%安全というわけではないことを覚えておきましょう。

便利さが逆にデメリットになることも

電子マネーの利用はとても便利ですが、物を買うことへのハードルが低くなってしまいがちですので、その分無駄遣いをしないように気をつける必要があります。

アクセスのしやすさというのは意外と強力で、例えばダイエットをしたことのある方であれば、お菓子を棚の中にしまっていた場合と、目に見えるカゴの中に置いていた場合、ついつい食べてしまう確率が違ってくることは容易に想像できるのではないでしょうか。

人間ですから24時間365日完璧に自己管理ができるわけではありません。疲れていたりストレスを感じたりすることもあります。そんなとき、ついつい余計なものを買うことが増えたなと感じたら、一度電子マネーの使い方を見直してみましょう。

「こんなに使ったっけ?」と感じたら使い方を見直そう

電子マネーのメリットとデメリットを紹介しましたが、支払いの便利さや管理のしやすさ、そしてポイントなどのメリットは大きく、今後電子マネーはますます普及して行くことでしょう。ただし便利になればなるほど、お金を使っているという感覚も薄れていくものです。支出は自動的に記録されますが、自分で付ける家計簿と違い、記録はされているけど滅多に見ないという人も多いのではないでしょうか。

もし「こんなに使ってたっけ?」と感じることがあれば、電子マネーとの付き合い方を見直してみるとよいでしょう。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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