4月19日(木)に正式リリースされたフードシェアリングサービス「TABETE」。飲食店や惣菜店で発生した食品の余剰と消費者をマッチングし、最後まで売りきる・食べきることを応援するプラットフォームだ。
飲食店を運営していると、仕込み過ぎたり予約キャンセルが入ったりなどの理由で、まだ食べられる料理や食材を廃棄してしまうことも多い。どんな料理でも生産者や料理人の「美味しく“食べて”ほしい」という思いが込められているもの。その思いを最後まで「食べ手」に届けようというのが「TABETE」の役割だ。
サービスの仕組みはシンプルで、飲食店側は余ってしまいそうな料理を、価格や引き取り期限などを設定して「TABETE」上に掲載。消費者はその情報を見ながら購入を決定、クレジットカードで事前決済の上、商品を受け取りにいく。商品は通常価格より安く設定されているため消費者にとってはお財布にやさしく、逆に飲食店にとってはせっかく作った料理を廃棄せずに済み、なおかつ売上も上げられるという、双方にとってメリットが得られるサービスだ。
食品ロスを減らす意味でも大きな意義を持つ「TABETE」だが、サービス開始から約2か月、実際のところどのような反応が得られているのだろうか。「TABETE」を5月から導入している、中目黒の人気店『PAVILION(パビリオン)』の店長・黒木久弥さんに話を伺った。
「フードシェアリング」に以前から興味
まず「TABETE」を導入したきっかけについて教えていただいた。
「『TABETE』を運営するコークッキングさんよりご連絡をいただいたことがきっかけです。ただ私自身、以前からフードシェアリングに興味があって、『TABETE』というサービスがリリースしたこともニュースで知っていました。だから、ぜひお話を聞いてみたいと思っていたんです」。
『パビリオン』は全国から仕入れた銘柄牛を備長炭で焼き上げるメニューが名物だが、肉を塊で注文するため、一人前の分量を切り分けていくと、どうしても半端に余ってしまう部分が出てくるのだという。
「今までは、余った食材はスタッフが食べるための賄い料理にするしかありませんでした。今はカレーにして『TABETE』に出品しています」。