「売上拡大」よりも「思いに共感」
「TABETE」出品にあたり大変だったことはなかったかと聞くと、「『TABETE』を始める上で準備することと言えば、テイクアウト用のBOXを準備するくらいですかね」と黒木さん。商品を買いたいというユーザーが見つかれば、店に引き取りに来てもらうだけなので、専用のスタッフを用意する必要もなく、また引き取り時間も設定できるので忙しい時間を避けることもできる。
さらに黒木さんは、「TABETE」で売上を上げることよりも、食に対する思いに共感できるからサービスを利用しているとも語る。
「『TABETE』を利用することで、どうしても発生してしまう食品ロスを最大限少なくすることができます。逆にお客様は普段味わうことのできないメニューを手軽な価格で味わうことができる。食品ロスに対する消費者の意識も徐々に高まっているので、フードシェアリングは確実に大きな流れになると考えています」。
周辺住民への認知向上に期待
まだ始まったばかりの「TABETE」だが、黒木さんは今後どのように活用していく予定なのだろうか。
「今後はもう少しメニュー数を増やしてみて、ユーザーの反応を見てみることも考えています。ユーザーは自宅の近くにある店舗のメニューを探すようなので、『今まで気にはなっていたけど来たことがなかった』という近隣住民の方に認知してもらうきっかけになるかなと考えています」。
日本では「食品ロス」が年間600万トン以上発生しているという。フードシェアリングはこうした社会問題を解決する一助になるのはもちろん、飲食店にとっては「売上拡大」や「認知向上」に役立てることもできる。飲食店の食品ロス対策にはさまざまな方法があるが、その一つとして検討してみる価値は充分にありそうだ。
『PAVILION(パビリオン)』
住所/東京都目黒区上目黒1-6-10 中目黒高架下
電話番号/03-6416-5868
営業時間/月~木18:00~L.O.23:30、金18:00~L.O.翌1:30、土・祝日17:00~L.O.翌1:30、日17:00~L.O.22:30
定休日/無休
席数/70
http://www.pavilion-tokyo.com
(提供:Foodist Media)
執筆者:西尾悠希