近年、「メンズメイク」が注目を浴びている。それも単なるブームではなく、身だしなみとして広がってきているようだ。一体どんな人たちが関心を持っているのだろうか。メンズメイクが広がりをみせる理由と、今後の市場動向を解説する。

拡大するメンズコスメ市場、メンズ専用のコスメブランドも登場

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(画像=Dean Drobot/Shutterstock.com)

化粧品市場の中でも、現在とりわけ注目されているのがメンズコスメ市場だ。メンズコスメの市場規模は、2018年には1,175億円程度にまで成長している。これまでも市場には制汗剤やヘアワックス、化粧水や乳液などの男性向けコスメは存在したが、近年メンズメイクが特に注目されている。

企業側も力を入れており、2018年には「FIVEISM×THREE」という初の総合メンズコスメブランドが誕生した。既存のブランドにはなかった、男性用のアイカラーやリップといったメイク用品も取り扱っている。また、資生堂の男性向けブランドUNOもファンデーションと日焼け止め機能を併せ持ったBBクリームを開発するなど、メンズメイク市場の開拓に意欲を見せている。

このようなメンズコスメ・メイク市場の拡大の背景にあるのは、男性の外見に対する意識が年々向上していることだろう。マンダムが2018年に行った調査によれば、「身だしなみを整えることを楽しいと感じる」男性は全体の4割前後、また「身だしなみを整えることが仕事上必要だと思う」と考える男性は約8割に上っている。

メンズメイクのユーザーは6割が年収800万円以上のビジネスパーソン

では、実際にどんな人がメンズメイクを行なっているのだろうか。

一般的には、若い人のほうがメンズメイクに興味があり、それに費やす金額も多いイメージがある。しかし、現在のメンズメイク市場の成長をけん引しているのは、実は30代・40代のビジネスパーソンだ。男性専用のメイクサロンでレッスンを受けた人の年齢層を見ると、30代・40代が70%近くを占めている。また、年収別に見ると800万円以上が60%を占め、職業は営業職やフリーランス、経営者が多い。

また、メンズメイクが「仕事にいい影響を与える」と考えるビジネスパーソンが多い点も見逃せない。実際、メイクレッスンを受けた男性の70%以上が、「仕事のシーンでメイクをしたい」と回答している。メイクをすることで清潔感をアップすることができ、ビジネスシーンで自信を持って振る舞えるようになることがいい結果につながる、と考える人が多いのかもしれない。

「男性がメイクをしてもいいと思う」女性が8割

女性のメンズメイクに対する意識の変化も、メンズメイク市場の活性化を後押ししている。約80%の女性が、「男性がメイクをしてもいいと思う」と回答しており、メンズメイクに抵抗を感じる人は少数派だ。メイクをしているかどうかよりも、「清潔感があるか」を重要視し、「コンプレックスを解消できて前向きになれるならOK」と考える女性が増えているようである。

以前と比べ、メンズメイクのハードルは格段に下がっているようだが、実際何から始めたらよいのか分からない人も多いのではないだろうか。メンズメイクに初めてトライする人は、前述したBBクリームなどを使って、肌をキレイに見せるベースメイクから挑戦してみるといいだろう。肌色が良く見えるだけで、周囲の人が受ける印象も変わるかもしれない。

メンズメイク市場はまだまだ成長中

盛り上がりを見せるメンズメイク市場だが、まだ多くの人が使っているとは言い難い。しかしすでに男性用リップやBBクリームが発売されていることを考えると、男性も普段からメイクをするようになる日は近いかもしれない。今後もメンズメイク市場の動きから目が離せない。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

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