2019年5月21日11時すぎに小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

先週、米ドル/円は109.02円付近まで下攻めをしたが、米中貿易戦争で報復の話まででても、ここまでしか下がらなかった。下値攻めが一旦終わったことで、目先はレンジ相場になりそうだと考えている。注目の米中貿易摩擦問題はどう考えても速やかな解決は無理だろう。以前、150ページに及ぶ合意文書に対し習近平がOKを出したが、中国国内で受け入れられず、結果的には150ページのうち45ページが削除されて米国に戻された。しかしそれが法的拘束力の部分が全て欠けていたことでトランプ米大統領が激怒。よって米中が合意できるような段階には程遠い。そんな中さらに、昨日20日(月)ファーウェイに対して米国がアプリ等の使用規制をかけたが、その報復で中国はファーウェイとの取引を禁止した米国企業との取引をしないことを決定。本日21日(火)朝、インテルなど他の米半導体メーカーもファーウェイとの取引停止に追随するとの見通しが伝えられた。これで通信機器関連は全面戦争となりそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円の今週予想レンジとしては109.20~111.20円。この中でレンジ相場を想定。方向としては戻り売り。21日移動平均線が90日移動平均線とデッドクロスし、一目均衡表の雲の下限を割り込もうとしている。以前からみているフィボナッチの61.8%戻しが110.85円付近、半値戻しが109.71円付近にあるためここをコアレンジとみつつ、上下やや広げたところを予想レンジに設定した。また21日移動平均線を超せなければもう一度下方向に行くだろう。具体的戦略としては、本日21日(火)に関していえば109.30付近にストップを入れつつ109.50~109.70円で買いで入り、110.50円までで利食い売りをする。そしてその後は、110.85~111.00円近いところは新規売りで入ってもいいだろう。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。