主に年収2000万円以上の女性を「富裕層」と定義し、その実態に迫る本特集。女性富裕層はどのような世界に生き、ファッションや仕事への考え方、交友関係にはどのような特徴があるのだろうか?
世界中のトップリーダーへの取材経験をもち、多くの女性富裕層とも交流のある「Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)」副編集長の谷本有香さんに、女性富裕層に見られる共通点や仕事への姿勢、美意識、パートナー選びも含めた交友関係についてインタビューを行った。
そこで見えてきたのは、女性富裕層の中にも「相続タイプ」「出世タイプ」「自分で稼ぐ(セルフメイド)タイプ」の3種類があり、特に本特集でテーマにしている「稼ぐ(セルフメイド)タイプ」には独特の金銭感覚があるということだった。(取材・藤堂真衣/写真・森口新太郎)
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・年収2000万円超キャリアウーマンに聞いた 稼ぐ3つのポイント
真の富裕層は「自分で稼ぐ力を持っている」
──まず、谷本さんの周囲に女性富裕層はいらっしゃいますか?
かなりいらっしゃると思います。起業家やフリーランスで活躍されている人が多いですね。
──Forbesから発表されたデータを読むと、相続や事業承継によって富裕層に入る人が多い印象でしたが、谷本さんの周りには起業家の方が多いのでしょうか。
もちろん企業にお勤めで役員をされている方や、資産家一族に生まれて……という方もいらっしゃいますよ。ですが私の身近な仲間でいうと、自身の力でビジネスを成功させた「セルフメイド」タイプの女性がかなり多い印象です。
というのも、私の考えですが、「富裕層=自力で稼ぐ人」ではないかと思っていて。自分で稼ぐという中でも例えば、私はかつて日系の証券会社に勤めていたのですが、「外資系の企業に同じ職種で転職したら、業務内容は変わらないのにお給料が3倍になった」という話を聞きました。
つまり企業の給与体系は国や各企業によってまちまちですし、役員報酬などはその人にではなく、その役職に与えられるものですから、こうした「出世」タイプで富裕層になった場合は、会社の名前や肩書から離れたときに同じ金額を得られるかどうかは分かりませんよね。それよりも、場所がどこであれ活躍できる方のことを「稼ぐ力を持っている」。ひいては真の富裕層と言うのかもしれません。
女性富裕層といえばハイブランドのファッション……ではない
──女性富裕層のファッションや美意識に共通点はありますか?