株投資をするときに、いきなり個別銘柄選びからはじめる方も多いのでは?少し手間はかかりますが、成長業界を研究した上でその中から銘柄を選ぶと、効率的な投資がしやすくなります。今回は一例として、成長著しい3業界をセレクトしてみました。
リユース関連:10年間でほぼ倍増の反面、形態で成長力に差も
リユース関連銘柄とは、リサイクル品に関する事業で収益を目指す企業群です。この業界の専門メディア『リサイクル通信』のリユース市場規模の調査・予測は次の通り。右肩上がりの絶好調市場ということがわかります。
- 2015年 1兆6,517億円
- 2016年 1兆7,743億円
- 2017年 1兆9,932億円
- 2018年 2兆1,500億円
- 2019年 2兆3,500億円
- 2020年 2兆6,000億円
- 2022年 3兆円
- 2025年 3兆2,500億円
※2018年以降は予測
リユース市場は2015年から2025年の10年間でほぼ倍増しています。足下で見ても、2017年の市場成長率は前年比12.3%増と力強い成長力を感じさせます。ただし、同じリユース業界でも、ビジネス形態によって有利・不利な環境に割れる点に注意が必要です。大きく次の3つの形態があります。
- リアル店舗での査定・買い取り
- ネット経由での査定・買い取り
- アプリ経由(個人対個人)の直取引
このうち「リアル店舗」の売上は近年、停滞・微減しています。一方、「ネット経由」は2017年に前年比約16%という高い伸びを示しました。さらに、これを上回る成長力なのが「アプリ経由」で前年比約36%増という凄まじい伸びを見せています。今後もネット経由・アプリ経由がリユース分野を牽引していくとみられます。
具体的な銘柄で言えば、アプリ経由の代表はフリマアプリ国内首位のメルカリ(証券コード:4385)です。ただ、売上自体は好調ですが、研究開発費の負担が重く経常利益ではマイナスです。
ネット経由の代表は、『高く売れるドットコム』を展開するマーケットエンタープライズ(3135)。2019年前半は売上・経常利益いずれも堅調です。
リアル店舗銘柄は数多くあり、一例としては、ハードオフコーポレーション(2674)、ゲオホールディングス(2681)、トレジャー・ファクトリー(3093)、大黒屋ホールディングス(6993)などがあります。
トランクルーム関連:12年間で約3倍 都市部に人口集中するほど有利
トランクルーム関連銘柄とは、トランクルームでモノを保管するスキームを提供する企業群です。株式会社キュラーズの調査・分析によると、トランクルームの市場規模は次のように成長しています(一部予測)。
- 2008年 247億円
- 2012年 363億円
- 2016年 507億円
- 2020年 702億円
上記の予測が現実になれば、12年間で3倍に迫る勢いで市場が成長することになります。市場が成長する要因になっているのは、都市部への人口集中や不動産価格の上昇に伴って住居スペースが狭くなっていることなどです。
この分野の代表銘柄は、トランクルームに特化している企業では、エリアリンク(証券コード:8914)、事業の一角を占める企業では、三菱倉庫(9301)や東陽倉庫(9306)などがあります。
インバウンド関連:訪日旅行客に人気のエリア選びが重要
インバウンド関連銘柄とは、訪日旅行客向けのサービス・商品を提供する銘柄です。対象業界が多岐に渡るため個別銘柄を挙げるのは差し控えますが、ホテル、交通、百貨店、エンターテインメント施設、不動産などが挙げられます。
選択肢が多いためセグメントが大変ですが、「対象業界×人気エリア」の2軸で絞り込むとよいでしょう。日本経済新聞とみずほ総合研究所の調査によると、訪日旅行客の消費額が大きいエリアは東京1兆7,557億円、大阪8,745億円、京都2,900億円など。東京と関西圏のインバウンドマーケットに追い風が吹いています。
とくに関西圏は大阪で万博開催(決定)やカジノを含む統合リゾート(候補)のビッグイベントがあるため、2020年以降も力強い成長が期待できます。
今回は、リユース、トランクルーム、インバウンドにフォーカスしましたが、この他にも成長業界はまだあります。「人口減少社会の日本の株は可能性がない……」といった短絡的な意見に流されず、根気よく優良銘柄を探してみましょう。(提供:JPRIME)
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