せっかく子どもに海外留学させるなら、中身が充実していてコストの安い国を選びたいもの。ひと昔前の留学と言えば、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどが定番でしたが、最近ではカナダやアジア諸国も人気を集めます。今どきの海外留学トレンドを解説します。
8年間で海外留学をする日本人が約3倍に
以前よりも海外へ行く留学生が増えてきた感がありますが、実際にどれくらい増加したのでしょうか?
文部科学省が2019年1月に発表した資料(日本学生支援機構の調査結果)によると、日本人の留学生数は2009年度の約3万6,000人から2017年度の約10万5,000人と、8年間で約3倍に急増。この留学生数はあくまでも大学などが把握している数のため、実際には学ぶことを目的に海外に渡っている学生はこれを上回る可能性もあります。
国別では、アメリカ合衆国(2017年度の留学生数1万9,527人)が圧倒的な人気で、2位以下を大きく引き離しています。
上位3ヵ国でカナダの留学費用がもっとも割安
2位以下の国別留学先を見てみると、オーストラリア、カナダと続きます。この海外留学上位3国で見逃せないのがカナダです。カナダには留学費用が他2国よりも割安というアドバンテージがあります。48週間留学の費用相場で見てみると、次のような結果になります。
- アメリカ:340万円〜435万円程度
- オーストラリア:250万円〜325万円
- カナダ:200万円〜335万円
出所:留学ジャーナル「留学の費用」
カナダはアメリカと比べると圧倒的な差、オーストラリアとの比較ではややリーズナブルになっています。ちなみに、この留学相場は「授業料、滞在費、食費」などの総計で算出されています。この他に、航空運賃、お小遣い、保険などの費用が必要です。
「留学費用、教育の質、治安」の3拍子が揃ったカナダ
しかし、いくら留学費用が安いからといって中身が伴わなければ意味がないという親御さんも多いでしょう。カナダ留学の特徴も見てみましょう。
留学希望者に影響力を持つメディア『留学ジャーナル』によると、同メディアを利用して2017年に留学した国はカナダが 1 位。なぜカナダの人気が高いかについては次のような分析をしています。
- 教育水準が高い
- (比較的)物価が安く留学費用を抑えやすい
- 他民族文化が共存していて国際色豊か
- トロント、バンクーバーの 2 大都市の住みやすさ
学生や親が重視する要素である「留学費用、教育の質、治安」の3拍子が揃っているカナダは人気が高くて当然と言えるでしょう。
アジアでの「インターンシップ・ボランティア」も人気
カナダと共に最近人気を集めるエリアとしては、中国、韓国、タイといったアジアの主要国もあります。2017年度の留学者数は次のような結果になっています。
- 中国7,144人(前年と比較して1,357人増)
- 韓国7,006人(前年と比較して517人増)
- 台湾5,187人(前年と比較して949人増)
- タイ4,838人(前年と比較して560人増)
出所:文部科学省『「日本人の海外留学者数」等について』
成長著しい国が集中するアジアには、世界中の企業や投資家の注目が集まっています。その中心となる中国やタイなどの文化・習慣・言語を学ぶことは若い世代にとっては、大きな財産になります。
留学プランの中身としては、語学留学や大学留学と共に、現地の職業体験を通して学ぶ「インターンシップ・ボランティア」も人気を集めます。これは働くことを目的にしたものではなく、あくまでも学ぶためのワークです。
留学ジャーナルのプログラム例としては、ベトナムのホテル業界、マレーシアのフライトアテンダントなどが用意されています。
留学先を欧米系にするか、アジア系にするかで、お子様の人生が大きく変わってくる可能性もあります。両者の特徴をよく理解した上で、目的意識を持って留学先を選択することが大切でしょう。(提供:JPRIME)
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