自動車購入者は、任意保険に加入する人が多い。任意保険といえば自動車保険を思い浮かべる人がほとんどだろう。自動車共済もその1つだ。任意保険で自動車共済を選ぶ人は少数だが、自動車保険と比べてどんな違いがあるのか知っておきたい。

自動車保険と自動車共済で補償上の大きな違いはない

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(画像=Rido/Shutterstock.com)

自動車保険と自動車共済は、いずれも自賠責保険だけでは補えない補償のために任意で加入する保険または共済だ。保険も共済も一定のリスクに対して補償(保障)する役割があり、利用者にとって大きな違いはない。

細かい違いでいえば、共済は組合員やその家族が加入できるのに対し、保険は不特定多数の人が対象である。共済の加入対象者は特定の地域や職業に当てはまる人のほか、出資金を支払うことでも加入できる。なお共済と保険では、以下のように使われる用語も異なる。

  保険 共済
用語 保険料 掛金
保険金 共済金
配当金 割戻金

主な共済団体のなかで自動車共済を提供しているのは以下の5団体である。

・JA共済
・全労済
・全自共
・日火連
・交協連

自動車保険と自動車共済の異なる点と3つの注意点

自動車共済の役割は自動車事故による損害補償であるため、自動車保険との基本的な補償における大きな違いはない。ただし、異なる点もあるので注意が必要だ。

注意点1……自動車保険と自動車共済の等級引継の有無に注意する

自動車共済と自動車保険との違いの1つに等級制度がある。等級は事故歴によって1年ごとに決まり、保険料が割引や割増になる制度だ。自動車保険は1~20等級まであるのに対し、自動車共済は最大22等級までのところもある。基本的に等級は自動車保険と自動車共済の間で引き継ぎが可能である。一般的に引き継ぎが可能な自動車共済は以下の4団体である。

・JA共済
・全労済
・全自共
・日火連

上記以外の団体だと、等級が引き継げない可能性があるので注意が必要だ。等級が引き継げるか否かは保険会社や共済団体によって異なるため、あらかじめ確認しておいたほうがいいだろう。

注意点2……自動車共済は自動車保険と比べて見劣りする場合がある

もともと共済は何かあった時のためにみんなでお金を出し合って助け合うという「相互扶助」を理念にしており、利益を上げることは目的ではない。一方、保険会社は営利企業であり、企業間で優位性の競争が激しい。そのため保険会社のほうが共済団体より商品やサービスが充実しているケースが多い。

ただし全労済やJA共済といった規模の大きい共済団体では事故受付が24時間365日であったり、ロードサービスが充実していたり、保険会社のサービスと見劣りしないところもある。共済団体によって商品やサポート体制面の差も出るので、検討時にはしっかり確認したい。

注意点3……小規模な自動車共済では万が一の経営破綻に対する対応に注意

保険会社は経営破綻した場合に備えて、「保険契約者保護機構」に加入する義務がある。これは万が一、保険会社が経営破綻しても一定の条件のもと保険契約が保護される仕組みだ。共済にはこのようなセーフティネットはないが、各共済団体によって独自の対策を用意している。

たとえばJA共済では、経営破綻してもグループ内で契約を保護する体制にしていたり、共済金の支払原資である共済契約準備金を十分に確保していたりする。JA共済のような大きな共済団体ではそこまで経営破綻に関して心配する必要はないだろう。ただし小規模な共済団体に加入を検討するのなら、気にかける必要はあるといえよう。

自動車保険の検討時には自動車共済も検討してみよう

自動車保険のほうが積極的に広告を出しているため、目にする機会は多いだろう。ただし自動車共済でも損害補償を受けられる点はほぼ同じである。それならば、自動車保険を検討するときに比較対象の候補として入れておきたい。自動車共済は掛金が割安な場合もあるので、補償内容とあわせて確認してみてはいかがだろうか。

文・國村功志(資産形成FP)/MONEY TIMES

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