就活生やビジネスマンなら知らない人はいないと言っても過言ではない「日経新聞」。日本国内の経済情報はもとより、2015年には英フィナンシャル・タイムズを買収し、世界最大の経済メディアへの道を歩んでいる。そんな日本経済新聞社の平均年収はどのくらいなのだろうか。
有価証券報告書とは?
企業の財務状況などを知るには「有価証券報告書」を利用する。「有価証券報告書」は、日本証券業協会によると「会社の概況から事業や設備の状況、財務状況まで多岐にわたる情報が盛り込まれている報告書」ということになる。
子会社を保有している企業の場合、連結決算と単体決算に分けて利益等が表示されており、単体はその企業のみの損失や利益等の数字、連結は子会社や関連会社も含めた数字である。子会社の経営状況は少なからず親会社に影響するため、現在は日本を含め世界的に連結決算の数字が重要視されている。
日本経済新聞社の平均年間給与は1,264万円
日本経済新聞社は、非上場ながら有価証券報告書を公開している珍しい会社だ。有価証券報告書を見ると、日本経済新聞社の平均年間給与は、1,264万円となっている。また平均年齢は43.6歳で、平均勤続年数は18.5年だ(2018年12月31日現在における提出会社単体の数字)。
子会社を含めた連結ベースの収益合計は、2018年度は3,553億円。前年度は3,582億円であり、わずかに減少している。2015年にフィナンシャル・タイムズ社が子会社化されたため、約3,000億円から約3,600億円に増加したものの、そこからは横ばいといった状況だ。
一方、利益面では、2018年度は52億円の当期純利益になっており、前年の65億円の純利益から落としている。こちらは、2015年以前には100億円を超えていたことから、利益面ではフィナンシャル・タイムズ社買収の恩恵は受けていないということだろう。
日本経済新聞社をとりまく課題と今後の展望 デジタル化とグローバル化が成長のカギ
日本経済新聞社は、2019年度から2021年度までの中期経営計画として「Global&Growth」戦略を掲げ、世界で最も信頼される経済メディアへの道を目指している。
「Growth」戦略の一つが、デジタル化への対応だ。現在、大手の新聞社の紙媒体部数は減少傾向にある。ネットニュースの手軽さが紙媒体低迷の要因となっていることは否めない。そのため、各社が急ぎデジタル化への対応を進めている状況だ。
日本経済新聞社も例外ではないが、デジタル化という観点では一歩先を進んでいるともいえる。日経新聞のデジタル版「日経電子版」の会員数は、現在、有料会員が65万超、無料会員を合わせると400万人を超えている。
紙媒体の発行部数が日経新聞のおよそ倍に近い「朝日新聞」のデジタル会員数が約330万人であることを考えると、日経電子版は優位な位置にいるといえるだろう。
日本経済新聞社は、「日経電子版」に先端技術を組み込み、一段と使いやすいサービスへと進化させるなどの方針を打ち出している。また、BtoB事業においてもデータを活用し企業の課題を解決するサービスを進化させていく方針だ。
「Global」については、フィナンシャル・タイムズ社と共同で、スマートフォンを使ったビジネス英会話教育サービスである「excedo」を展開。また、アジア企業情報とニュースを一体的に提供する英文データサービス「scoutAsia(スカウトアジア)」の提供を始めた。さらに、アジアエリアの記者を増やすなど、戦略的に海外戦略を推し進めている。
しかしながら、前述したようにフィナンシャル・タイムズ社買収後、同社の利益は低迷しているのも現状だ。日本での新聞の読者数は今後減少していくことが予想されており、日本経済新聞社としても、紙媒体に変わる新しい収益源を探していく必要がある。
デジタル面では他社に先行しているものの、海外事業など課題も多い。今後はイベント事業等にも力を入れていくことを明言しているが、どこまでそういった事業が収益に貢献するのだろうか。今後の日経新聞社の動向に注目していきたい。
文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES
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