2018年1月から「つみたてNISA」がスタートしました。つみたてNISAは、投資信託を少しずつ定期的に買っていく仕組みになっており、運用益が非課税になる優遇制度です。買付手数料が無料で長期投資に向く投資信託だけが対象ですから、「投資先を選べない」という投資初心者の方にやさしい設計となっています。ここでは、投資未経験の方におすすめの証券会社と、つみたてNISAで人気の投資信託をご紹介します。

つみたてNISAってどんな人におすすめ?

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(画像=PIXTA)

資産形成に役立つ制度であるつみたてNISAにも、向いている方とそうでない方がいます。まず、つみたてNISAをおすすめできる人の特徴として、以下の5つが挙げられます。

これからまとまった資産を作る方

つみたてNISAでは投資信託を毎月少額ずつ買っていく制度です。そのため、「今ある資産を増やす」というよりは、「これから資産を作る」という方に適しています。

すでに資産が一定以上ある「リタイア世代」向けではなく、これから資産を作る「現役世代」向きの制度といえるでしょう。

大きなリスクは取りたくない方

つみたてNISAでは投資信託に投資をしますが、投資信託は基本的に「分散投資」をしています。一つの資産に集中投資するよりリスクを下げる効果があり、過度に大きなリスクにはなりにくい商品といえるでしょう。

さらに、つみたてNISAは毎月定額を積み立てる仕組みなので、「投資タイミング」も分散されます。投資対象と時間を分散することで低リスクでの投資が期待できるため、あまりリスクを取りたくない慎重派の方にも人気です。

資産運用に時間を割きたくない方

つみたてNISAは基本的に「放っておく投資」スタイルです。そのため、資産運用に時間を掛けられない忙しい方にも向いています。

投資経験が豊富な方は銘柄の分析を繰り返し、より有利な投資先を見つけることができるでしょう。投資した後も時勢の変化を察知し、機動的な売買を繰り返すことで投資効果を向上させることもできるかもしれません。

一方、つみたてNISAの投資先は限定されており、長期投資に向くよう金融庁が事前に選別した投資信託の中から好みのものを選ぶことになります。どの銘柄を選んでも一定以上の条件はクリアしているため、投資先の分析に自信がない方でも長期投資に向く銘柄に投資をすることができるでしょう。

さらに、つみたてNISAでは売買のタイミングを選びません。コツコツ定期的に買っていく投資スタイルですから、買付けのタイミングは無視します。「投資タイミングを無視しても大丈夫?」と思うかもしれませんが、投資信託を定期的に買うことで「ドルコスト平均法」が働きます。値段が高いときは少なく、安い時は多く買うよう自動的に調整され投資効果の向上が期待できます。

銘柄の選別や投資タイミングの決定に時間を掛けないで済みますから、仕事が忙しく資産運用の時間がとれないという方にもおすすめです。

資産運用を少額から始めたい方

つみたてNISAでは投資金額の下限はありません。少ない金額からでもスタートすることが可能です。

投資信託の最低投資額は金融機関によって違います。多くの金融機関で1,000円~1万円から投資することができ、大手ネット系証券会社では100円から買うこともできます。まとまった資金がない方でも無理のない範囲で投資額を設定することができますから、少額から始めてみたいという方には向いている制度といえます。

長期運用を考えている方

つみたてNISAで買った投資信託は、その年を含め20年間の非課税期間が設定されます。つみたてNISAを最大限活用するならできるだけ長期投資をした方がよいでしょう。

長期投資をすることで「複利効果」がより働きます。つまり、少ない資金でもより大きなリターンを受けとることが期待できるのです。

つみたてNISAをおすすめしにくい方は?

つみたてNISAに向いている人がいれば、もちろんおすすめできない方もいます。以下の特徴に当てはまる人は、つみたてNISAには向いていないといえます。

絶対に損をしたくない方

つみたてNISAは資産形成に有利な制度ですが、投資先はすべて元本保障ではない投資信託です。

もちろん投資先によってリスクの大小がありますし、自分がどの程度リスクを取れるか考え、それに応じた銘柄を選択することは可能です。しかし、「絶対に損したくない!」という方はつみたてNISAを利用しない方がいいでしょう。

まとまった資金を運用したい方

つみたてNISAでは投資額の上限が設定されており、年間40万円までしか買うことができません。しかも一括投資はできず、ちょっとずつ買っていく積立て方式に限定されています。

「今あるまとまった資金を運用したい」という方は、つみたてNISAの制度は少し使いにくい制度かもしれません。

まとまった資金の運用は別の方法で行い、つみたてNISAは利用しない、あるいは併用するという方法がよさそうです。

大きなリスクを取りリターンを追求したい方

つみたてNISAはリスクを下げる工夫がなされている分、逆にいえば大きなリスクを取りにくい制度でもあります。

比較的リスクの大きい銘柄も用意されていますが、投資信託は分散投資している点、また投資タイミングが分散される点を考えると、極端に大きなリターンは実現しにくいでしょう。

つみたてNISAでは一定のリターンは期待できるでしょうが、「投資で一発逆転!」というようなことは起こりにくいです。リスクを取り大きなリターンを狙いたいと考える方は、つみたてNISA以外の方法がよいでしょう。

より積極的に投資先を選びたい方

つみたてNISAの投資対象は金融庁が事前に設定したハードルをクリアした投資信託に限定されています。したがって、より積極的に投資先を選びたいという方には向かない制度といえるでしょう。

たとえば個別の株式に投資をしたいという方や債券に直接投資したいという方は、つみたてNISA以外の方法を選択しないといけません。資産運用をより自由にやってみたいという方は、つみたてNISAではなく別の方法を選択しましょう。

場合によっては一般NISAが選択肢に

つみたてNISAの買い付け方や投資可能銘柄の制限が気になる方は、「一般NISA」という選択肢があります。

一般NISAは年間120万円まで投資が可能で、買い付けのタイミングも自由に選べます。投資対象も株式や投資信託であればどの銘柄を買っても構いません。

非課税期間は5年で、つみたてNISAの20年間より短い制度ですが、つみたてNISAよりは自由な資産運用が可能です。

つみたてNISAをスタート!金融機関選びの3つのポイント

つみたてNISAを始めるには、まず銀行や証券会社などの金融機関でNISA口座を作る必要があります。つみたてNISAは多くの金融機関が用意しており、私たちはその中から一つ選ばないといけません。どれを選べば良いか迷っている方は、以下に挙げる金融機関選びのポイントを確認してみましょう。

取り扱い銘柄が豊富か

つみたてNISAの投資対象は金融庁が事前に選別した投資信託に限定されており、金融機関が取り扱えるのはその一部です。

金融機関によって、たくさんの銘柄を取り扱っているところもあれば、そうでないところもあります。つみたてNISAの取扱い銘柄数が多い傾向にあるのはネット系証券会社です。豊富な銘柄から投資先を選択したいなら、ネット系証券会社でつみたてNISAを利用した方がよいでしょう。

相談相手がいるかどうか

つみたてNISAは銘柄数だけではなく、投資相談ができるかどうかも重要なポイントです。

つみたてNISAはどの金融機関でも買い付け手数料は無料です。保有中のコストも低いものに限定されていますから、「手数料が高いものを勧められる」というケースは起こりにくい制度です。

したがって、つみたてNISAの相談をプロの金融機関に相談するメリットは大きいといえます。窓口を用意している銀行や証券会社などが選択肢になるでしょう。幅広い銘柄から選択したいならネット系証券会社が提供するIFAサービスを利用してもいいかもしれません。

もちろんつみたてNISA以外の商品に誘導される可能性はあります。つみたてNISA以外の商品がすべて悪いというわけではありませんが、相談相手が本当に顧客本意の提案をしてくれるか確証がないうちは、つみたてNISAのみの相談にとどめておいた方がよいでしょう。

ポイントなどお得なサービスをチェック

金融機関によっては、ポイント還元などお得なサービスを展開しているものがあります。せっかくつみたてNISAを利用するなら、少しでもお得になる方がいいですよね。

複数の金融機関で決めかねているなら、このようなお得なサービスがないかどうかも是非チェックしたいところです。

つみたてNISAにおすすめの証券会社5選

上述したポイントを踏まえ、つみたてNISA取り扱い銘柄数の上位5社をご紹介します。

  投資信託取り扱い本数 内つみたてNISA対象銘柄 IFAサービスの有無 ポイントサービス
SBI証券 2,647本 152本 あり あり
楽天証券 2,639本 152本 あり あり
カブドットコム証券 1,118本 150本 なし あり
マネックス証券 1,179本 149本 なし あり
松井証券 1,046本 147本 なし あり

この5社はすべてネット系証券会社で、つみたてNISAの取り扱い銘柄はいずれも150本近く用意しています。6位以下はすべて40銘柄未満であることを考えると、商品数を重視するならこの5社からの選択になりそうですね。

5社それぞれの特徴を確認してみましょう。

SBI証券

ネット系最大手のSBI証券はつみたてNISAへの取り組みも意欲的です。投資信託の取り扱いが豊富で、つみたてNISAの取り扱い数も国内トップです。

もともと独自のポイント還元サービスを展開していましたが、「Tポイント」と業務提携したことで2019年7月からTポイントによるポイントサービスが始まりました。SBI証券を利用することでTポイントが貯まるようになり、Tポイントを利用した資産運用も行うことができます。

つみたてNISAは定期的に買い付ける制度ですが、SBI証券では毎月1回の積み立てのほか、毎週・毎日積み立ての3コースから選ぶことができます。

また投資相談ができるIFAサービスも展開していますから、相談しながらつみたてNISAを利用したいという方にも適した金融機関といえるでしょう。

楽天証券

楽天証券も大手ネット系証券で、つみたてNISAへの取り組みもしっかりしています。つみたてNISAの取り扱い銘柄数はSBI証券と同じく152銘柄で、もともとの投資信託取り扱い銘柄も2,600銘柄を超えています。

楽天証券を利用するメリットは、ポイントサービスが強力だということでしょう。楽天証券は楽天グループ共通の「楽天ポイント」が貯まるサービスを展開しています。投資信託を保有するだけでポイントが貯まり、つみたてNISAで新規に買い付ける際も楽天カード決済を利用すれば積立額の1%がポイント還元されます。

もらっても利用しにくいポイントサービスもありますが、楽天ポイントなら「楽天市場」で利用できますし、楽天証券で投資信託を買うこともできます。非常に利用しやすい、もらってうれしいポイントサービスといえるでしょう。

なお楽天証券のつみたてNISAでは、積み立てコースを毎月と毎日の2コースから選択します。SBIのように毎週は選択できません。

SBIと同様にIFAサービスを提供していますから、投資相談をすることも可能です。

松井証券

松井証券もネット系大手の証券会社です。投資信託のもともとの取り扱い数はSBI、楽天に大きく引き離されていますが、つみたてNISAの対象銘柄は約150銘柄用意しており、豊富な選択肢を提供しています。

松井証券が提供するポイントサービスは「松井証券ポイント」という独自サービスで、投資信託の積み立てにつかえるほか、Amazonギフト券や商品などと交換できます。

松井証券の場合、つみたてNISAの積み立てコースは毎月のみ選択できます。

なお、IFAサービスはありません。以下2社もIFAサービスは展開していませんので、投資の判断は自分で行いましょう。

マネックス証券

2018年に仮想通貨取引所コインチェックを買収したことで有名なマネックス証券も、つみたてNISA取り扱い数が豊富です。

マネックス証券は「マネックスポイント」という独自ポイントサービスを提供しており、Tポイントなど他のポイントと交換ができます。コインチェックを通じ仮想通貨への交換ができることも特徴といえるでしょう。

マネックス証券では、つみたてNISAの積み立てコースは毎月のみ選択できます。

カブドットコム証券

カブドットコム証券は三菱UFJフィナンシャルグループの一社で、つみたてNISAも提供しています。

カブドットコム証券で投資信託を保有すると「毎月ポイント」という独自ポイントが付与され、貯まったポイントは現金に交換することが可能です。

カブドットコム証券では、つみたてNISAの積み立てコースは毎月のみ選択できます。

つみたてNISAで銘柄を選ぶときのポイント6つ

金融機関が決まったら、次は銘柄選びです。つみたてNISAではある程度銘柄が限定されているとはいえ、私たちは最終的にいくつか銘柄を選ばないといけません。どのような基準で選んだらよいのでしょうか?

運用方針の違いを確認

つみたてNISAで用意されている投資信託は、大きく2つの運用方針に分かれます。「インデックス型」と「アクティブ型」で、それぞれの特徴を踏まえ投資信託を選択しましょう。

その投資信託がどの市場平均を基準にしているかを「ベンチマーク」といいますが、インデックス型はベンチマークに連動するように運用され、アクティブ型はベンチマークを超えるような運用を目指します。

よって、アクティブ型はリスクとリターンの関係から一般的にインデックス型よりリスクが高くなる傾向にあります。よりリターンを追求するならアクティブ型を、市場平均程度のリターンを目指すならインデックス型を選択しましょう。

インデックス型なら信託報酬が安いものを

インデックス型投資信託は基本的に同じ値動きになりますから、運用手法による差がありません。ベンチマークに連動するように設計されているからで、コストの差がほぼそのままリターンの差となります。そのため、インデックス型の投資信託を選ぶときはできるだけコストが低いものを選択しましょう。

代表的なコストは「信託報酬」と呼ばれるもので、目論見書(投資信託の取り扱い説明書のようなもの)に記載されています。投資信託に投資する際は必ず目論見書を確認するようにし、信託報酬がどの程度掛かるか確認しておきましょう。

アクティブ型なら過去の成績を重視

一方、アクティブ型の投資信託はコストの差以上のパフォーマンスを残す可能性があるため、コストだけでは投資判断が難しい銘柄といえるでしょう。

たとえばつみたてNISAの対象の投資信託で、アクティブ型である「ひふみ投信(信託報酬1.06%)」とインデックス型である「ニッセイTOPIXオープン(信託報酬0.54%)」を比較してみましょう。

過去10年間の運用成績は、ひふみ投信は+137.7%、ニッセイTOPIXオープンは+63.2%となり、70%以上もの差がでました。アクティブ型であるひふみ投信は、10年間のコスト差5.2%をはるかに上回る成績を残したのです。

もちろん信託報酬が安いほどリターンにつながりますが、アクティブ型投資信託を選ぶ場合は過去の実績を確認する方が大切だといえるでしょう。

リスク度合いは投資対象で確認

つみたてNISAの投資対象である投資信託はいろいろな資産に投資をしています。何に投資をしているかは目論見書で確認できますが、その投資内容で大体のリスクの大きさを知ることができます。

一概にいうことは難しいですが、一般に投資資産のリスクは株式>不動産>債券の順で大きいです。また投資地域による差もあり、海外(新興国)>海外(先進国)>国内の順でリスクが大きくなります。

つまり海外(新興国)株式に投資している投資信託ほどリスクが大きく、国内債券に投資している投資信託ほどリスクが小さいといえます。

つみたてNISAでどの程度リスクを取るか考え、適したリスク度合いの投資信託を選択するようにしましょう。

どの程度分散しているか

投資信託は「単一資産型(「新興国の株式だけ」や「国内の債券だけ」といったように、一つの資産に投資する投資信託)」でも、同じ資産の複数銘柄に分散投資しています。

基本的にどの投資信託に投資しても分散投資効果は期待できますが、さらに分散させた「バランス型」という投資信託も用意されています。

バランス型投資信託は資産の枠を超え、複数の資産に投資します。より多くの銘柄に投資することで分散投資効果がさらに高まることが期待でき、リスク度合いを調整することが期待できるのです。

リスクをできるだけ小さくしたい場合、より資産を分散させた投資信託を選択するとよいでしょう。

純資産総額が増えているか

投資信託に今どれくらいの金額が預けられているかを示したものが「純資産総額」です。純資産総額の大小が直接リターンに影響を与えるわけではありませんが、実は純資産総額があまりに小さい投資信託は「早期償還」の可能性があります。

早期償還とは予定していた償還日よりも早い期間に償還し、強制的に現金化させる処置です。投資信託は新しいものが日々設定されていますが、その裏で早期償還させ強制的に現金に変えてしまうものもあるのです。

早期償還の条件は目論見書に記載されています。

つみたてNISA対象の投資信託は運用期間が「無制限あるいは20年以上」に限定されており、制度の趣旨を考えると早期償還という強硬策を打つとは考えにくいです。しかし、念のため純資産総額を確認し、あまりに額が小さい銘柄は避けた方がよいでしょう。

人気の投資信託銘柄トップ5

一般に、つみたてNISAでは信託報酬が安いインデックス型投資信託が人気です。実際、つみたてNISAの人気ランキング上位5銘柄はすべてインデックス型の投資信託となりました。その5銘柄を詳しくご紹介します。

銘柄名 1年リターン 1年リスク 信託報酬 純資産総額
楽天・全米株式インデックス・ファンド +2.65% 20.00 0.1596% 576億円
eMAXIS Slim先進国株式インデックス +3.28% 18.62 0.107892% 582億円
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) +4.06% 19.80 0.162% 303億円
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド +3.23% 18.63 0.107892% 1,354億円
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) +6.75% 9.78 0.54% 305億円

※リターンとリスクは2019年9月13日時点の、直近1年間の実績値

楽天・全米株式インデックス・ファンド

つみたてNISA人気ランキング1位は楽天投資顧問が設定する「楽天・全米株式インデックス・ファンド」です。

アメリカの株式に投資するインデックス型投資信託は多くありますが、その多くはNYダウやS&P500など、アメリカの大型株に投資するものがほとんどです。楽天・全米株式インデックス・ファンドは、アメリカの大型株から小型株まで網羅したベンチマークに連動するよう設計されており、3,500銘柄以上に投資をしています。

人気ランキング3位の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」もアメリカの株式に投資する投資信託ですが、双方を比較するとこの1年間のアメリカ市場は中小型株より大型株の方がリターンも大きかったようです。

今後の運用成績はどうなるかわかりませんが、アメリカに広く投資できる銘柄としては差別化ができている銘柄といえるでしょう。

eMAXIS Slim先進国株式インデックス

人気ランキング2位の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は、日本を除く先進国の株式に連動するよう設計されたインデックス型投資信託です。信託報酬も低く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」では第1位に選出されています。

ベンチマークは「MSCIコクサイ・インデックス」で、先進国22ヵ国の株式に、時価総額が大きい順に投資しています。

直近1年間では、米国だけに投資する「楽天・全米株式」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がより投資地域が分散されている分、リスクの低い運用ができたようです。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

人気ランキング3位の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、アメリカの大型株で構成されたS&P500に連動するよう設計された投資信託です。上位4位まではいずれも株式だけに投資する投資信託ですが、その中では直近1年間最もリターンが高くなりました。

米国の大型株には「アップル(AAPL)」や「マイクロソフト(MSFT)」など、これまで世界経済を引っ張ってきたハイテク株が並んでおり、運用リターンにも好影響を与えたようです。

MSCIコクサイ・インデックスも米国大型株に投資していますが、より米国の大型株に集中投資したいならこの銘柄を選ぶとよいでしょう。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は、人気ランキング2位の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」と同じベンチマーク、同じ信託報酬で、ほぼ同じ運用になると思われます。

どちらを買っても運用リターンに大きな差は出ないでしょうが、強いていえば純資産総額が大きい<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの方に分があるでしょうか。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

上位ランキング5位の「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は唯一のバランス型投資信託です。より積極的な分散投資効果が働き、直近1年間では最も良好な成績を残しました。

国内・先進国・新興国の株式と債券で6資産、また国内・先進国の不動産の2資産、計8資産に12.5%ずつ投資しています。

直近1年間では世界的に株式市場が荒れる展開となりましたが、債券や不動産がカバーした結果良好な成績となったと考えられます。バランス型投資信託ですから、リスクについては今後も比較的安定的に推移することが期待できるでしょう。

なお、この銘柄には「信託財産留保額」が設定されています。実質的な解約手数料で、売却の際に評価額の0.15%分の手数料が引かれることには注意が必要です。

つみたてNISAは金融機関と商品選びが大切

つみたてNISAはこれから資産を作っていくという方に向く、長期の資産形成に有利な制度です。その概要を正しく理解し、自分にぴったりな金融機関を選択しましょう。実際に投資する投資信託はコストやリスクをよく検討してください。一つに選ぶ必要はなく、いくつかに分け投資しても大丈夫です。本記事を参考に、ぜひつみたてNISAを資産形成に役立ててください。

文・若山卓也(ファイナンシャルプランナー)/fuelle

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