【目次】
①メドレーIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【12/2更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【11/28更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社メドレー
- コード
- 4480
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 情報・通信業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 瀧口浩平 /1984年生
代表取締役(医師) 豊田剛一郎 /1984年生 - 会社住所
- 東京都港区六本木3-2-1
- 設立年
- 2009年
- 社員数
- 343人(2019年09月30日現在)
- 事業内容
- 人材採用システム「ジョブメドレー」、クラウド診療支援システム「CLINICS」、医療メディア「MEDLEY」等、医療ヘルスケア領域におけるインターネットサービスの開発提供
- URL
- https://www.medley.jp/
- 資本金
- 50,000,000円 (2019年11月8日現在)
- 上場時発行済み株数
- 27,624,400株
- 公開株数
- 13,760,000株
- 連結会社
- 1社
- スケジュール
- 仮条件決定:2019/11/26→1,280~1,300円に決定
- ブックビルディング期間:2019/11/27 - 12/03
- 公開価格決定:2019/12/04→1,300円に決定
- 申込期間:2019/12/05 - 12/10
- 上場日:2019/12/12→初値1,270円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:大和証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 引受証券:クレディ・スイス証券
- 大株主
- 瀧口浩平 21.76%
- 豊田剛一郎 14.01%
- グリー(株) 6.50%
- MSIVC2012V 投資事業有限責任組合 4.94%
- インキュベイトファンド1号投資事業有限責任組合 4.84%
- 山田進太郎 2.77%
- 白崎杏輔 2.77%
- イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合 2.77%
- ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合 2.77%
- 日本生命保険(相) 2.63%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2016/12 単体実績
729,408 -429,041 -449,080 52,327 - 2017/12 単体実績
1,712,491 38,012 35,651 1,230,099 - 2018/12 単体実績
2,933,043 -87,829 -153,562 1,090,468 - 2019/09 第3四半期連結実績
3,675,444 458,108 -38,100 577,367 - ロックアップ情報
- 指定された株主は上場後90日目の2020年3月10日または上場後180日目の2020年6月8日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 178億8800万0000円(13,760,000株×1,300円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 3,815,200株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社メドレーは医療ヘルスケア分野における日本最大級の人材採用システム「ジョブメドレー」の運営及び、クラウド診療支援システム「CLINICS」の開発・提供などを行う企業である。
■事業内容詳細
同社は医療ヘルケア領域において下記の2事業を展開している。
・人材プラットフォーム事業
・医療プラットフォーム事業
●人材プラットフォーム事業について
同社は医療ヘルスケア分野での日本最大級の人材採用システム「ジョブメドレー」を運営している。
「ジョブメドレー」は医療・介護・保育等の医療ヘルスケア領域の人材採用システムである。40職以上の求人情報が掲載可能であり、採用成功の場合、同社に成果報酬を支払う。
「ジョブメドレー」では人材紹介会社が対面で手掛ける業務を、Webサービス及びオンラインサポートに置き換えることで、安価な成果報酬を実現した。一般的な人材紹介会社の場合、紹介者の年収の20~35%が成果報酬となるが、同社は2~13%である。
オンラインで完結することで効率的な採用活動が可能であり、また安価な成果報酬設定も評価され、利用事業所の数も増加している。2019年9月末時点で17.5万件、事業所全体(医療、介護、薬局、保育園等)の27%が同社顧客である。
●医療プラットフォーム事業について
同社は医療機関向けにクラウド診療支援システム「CLINICS」を開発・提供しており、また患者向けに医療情報提供サービス「MEDLEY」を提供している。
「CLINICS」は2016年よりオンライン診療システムとしてサービスを提供しており、現在はクラウド診療支援システムへと進化した。オンライン診療のみならず、対面診療の予約管理・電子カルテやレセプト請求などにも機能を拡張している。
また患者向けサービスとして医療メディア「MEDLEY」(2015年より運営・開発)に加え、2016年より患者向けアプリとして「CLINICS」を提供中。「CLINICS」アプリにより、患者側からの診察予約、オンライン診療、オンライン決済サービスの利用も可能となった。
■部門別損益
2018年12月期の部門別損益は下記となっている。尚、同社のセグメント利益はコーポレート費用の配賦前の数字である。
2018年12月期 売上高29億円、営業利益▲1.0億円
・人材プラットフォーム事業 売上高26億円、セグメント利益9.8億円
・医療プラットフォーム事業 売上高3.5億円、セグメント利益▲3.5億円
2019年12月期Q3(累計) 売上高37億円、営業利益4.3億円
・人材プラットフォーム事業 売上高32億円、セグメント利益15億円
・医療プラットフォーム事業 売上高4.0億円、セグメント利益▲3.7億円
人材プラットフォーム事業が同社主力事業である。同事業の伸びにより、2019年12月期Q3(累計)は全体で既に営業利益4.3億円を計上している。
■業績推移
2016年12月期 売上高7.3億円、経常利益▲4.3億円、当期純利益▲4.5億円
2017年12月期 売上高17億円、経常利益0.4億円、当期純利益0.4億円
2018年12月期 売上高29億円、経常利益▲0.9億円、当期純利益1.5億円
2019年12月期(予想) 売上高47億円、経常利益0.8億円、当期純利益▲4.1億円
毎期増収を重ねており、経常利益も2016年12月期の▲4.3億円から大幅に改善している。ただし2017年12月期以降、収支均衡を上下する状態である。
2019年12月期はQ3(累計)で売上高37.億円、経常利益4.6億円と大幅な黒字となった。ただし例年Q2に売上高及び利益が集中する中で、Q4に販売促進費の積極投入・賞与等の人件費発生・採用費用の計上を予定しており、通期での経常利益は0.8億円の予想である。尚、子会社ののれんに対し減損損失▲4.9億円計上も予定しており、当期純利益は▲4.1億円の赤字を予想している。
■財務状況
2018年12月期末時点で、資産合計23億円に対し純資産合計11億円、自己資本比率47%である。
借入金5.4億円に対し、現預金17億円を保有しており、財務内容に特段の懸念事項はない。
■資金使途
IPOにより32億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・人材プラットフォーム事業のソフトウェア開発投資資金 2.4億円
・人材プラットフォーム事業の応募者獲得のための広告増加分 8.3億円
・人材プラットフォーム事業におけるキャリアサポート人員の人件費増加分 3.2億円
・医療プラットフォーム事業の広告費及び販促費の増加分 1.6億円
・人員拡大に伴う地代家賃の増加分 2.1億円
・人員拡大に伴う採用費用 1.7億円
・借入金の返済資金 5億円
大枠としてはソフトウェア開発資金2.4億円、事業拡大のための投資資金17億円、借入金返済5億円となる予定であり、調達資金の大半は事業拡大のために投じられる。
■株主構成
瀧口社長が筆頭株主(株主シェア22%)であり、第2位株主は豊田代表取締役(同14%)である。
第4位株主のMSIVC2012V投資事業有限責任組合以下、多数のVCが出資を行っており、VC比率は約25%である。尚、売出で全株を売却するMSIVC2012V投資事業有限責任組合を除くVC株主は、IPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結している。
■まとめ