(本記事は、井上裕之の著書『会話が苦手な人のためのすごい伝え方』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

日本人の会話は、うっとうしい!?

(画像=PIXTA)

恋人や友だちに「何が食べたい?」と聞かれたとき、どう答えていますか?

相手が恋人なら、無意識に相手の好き嫌いや懐事情を考えてしまい、結局「なんでもいいよ」と、答えている方も多いと思います。

相手が友だちなら、人数が多くなればなるほど「私はなんでもいいよ。みんなに合わせます」などと答えている人も多いはずです。

つまり、「私は〇〇が食べたい」と、はっきりと答える人は少ないように感じます。しかし、相手が家族になるとどうでしょう?

「ハンバーグが食べたい」とか「今日はさっぱりしたものにして」などと、はっきりと意見を口にする人も多いかもしれません。

これは、いかに相手によって無意識に言葉を選んでいるかを証明しています。

しかし、相手によって言葉を選ぶことが、ときに誤解を招くことがあることを忘れてはいけません。

というのも、私は日本だけでなく、さまざまな国の方たちと交流する機会が多いせいか、国際社会として日本を見たときに、日本人ほど、うっとうしい会話をしている民族はいないと断言します。

「思ったことをはっきり言わないほうがいい」
「まわりに調和したほうがいい」
「どんな相手でも、まずは受け入れてあげよう」

これは、日本人特有の同調圧力のなかで育てられた影響だと思いますが、今後、日本の子どもたちが国際社会のなかに置かれたとき、このような日本人的な会話をしていては、間違いなく誤解を招きます。

私は韓国のお友だちが多いのですが、韓国の人は何に対しても本音を直球で言うため、聞いているこちらとしても、非常にわかりやすく気持ちがいい。

アメリカ人もしかり。日本のように「社交辞令」や「お世辞」を言う文化がないため、好き嫌いが明確です。

とあるアジアの国のコーヒーショップのオーナーから、こんな話を聞いたことがあります。

「コーヒーがぬるくなってしまったら、日本人に出せばいい。文句を言わず飲んでくれるから」と。

それほど、世界中の人から、「日本人は意見を主張しない」「本当は何を考えてるのかわからない」と思われています。

つまり、私たちは国際社会として考えても会話を見直す必要があるのです。

だからこそ、あなたが何か結果を出したいと強く思うなら、日本人特有のあいまいな伝え方はやめましょう。

しかし、ただ単に自分の意見を強く相手に口にするという意味ではありません。

「すごい伝え方」の真意は、自分軸に従い、相手が求める回答を察しながら、相手が幸せになるための方向へ導いてあげること。

はっきり主張することだけが正解ではありません。そこは決して間違えないようにしましょう。

すごい伝え方のコツ
あいまいな伝え方をやめる

相手のために遠慮をすることは、かえって不親切になる

(画像=TheVisualsYouNeed/Shutterstock.com)

歯科医師として、患者さんに治療のプランを提案するとき、極端に言えば、一番高額なプランが患者さんにとってベストなプランです。

歯並びが悪いと思ったら、歯列矯正したほうがいいと思うし、女性ならホワイトニングしたほうが間違いなくキレイになります。

大きな口を開けて笑ったときに、銀歯が並んでいるのはカッコ悪いと思うのは、歯科医師として当然のことです。

だからこそ、患者さんのお口を100点にしてあげるためのプランを、私は躊躇なく提案します。それがたとえ150万円であろうと、200万円であろうと、迷わず患者さんに提案しています。それが患者さんのためだからです。

しかし、多くの歯科医師は、はっきり言わないことがあります。

「虫歯の治療に行っただけなのに、ホワイトニングを提案された」とか「あの歯科医院は高すぎる」と誤解されたくないからです。

そんな口コミを気にするあまり、何も言うことができず、ただ虫歯の治療だけして終わりというのは、なんとも無責任な気がしてなりません。

このように、歯科医師という立場ですら患者さんに対して気を使い、本音を言いにくいことが多くあるのです。

もちろん、私は高額なプランを患者さんに押しつけたりはしません。

金額的に折りあわなそうであれば、患者さんの経済事情に合わせながら無理のないプランを再構築しますが、それでもなお、患者さんのことを思うと100点の治療をしたいと思ってしまう自分がいます。

それなのに、気遣いをすることで、患者さんにプランの提案ができない歯科医師は、一見患者さんの気持ちを受け止めているように考えているかもしれませんが、本当の意味では患者さんの将来にとっていいことではないと私は考えます。つまり、親切そうに思えても、それがかえって患者さんのためになっていないのです。

相手の意見に合わせることを優先してばかりで、自分の意見を伝えないのは、不親切であり、やがてそれは不信感にもつながりかねません。

「相手がどう捉えようと、私はこうしたほうがいい」という、自分軸に沿った明確でぶれない言葉からは、やがて信頼と愛情が生まれます。

これは、歯科医師と患者さんという関係だけではありません。

たとえば、あなたが誰かに何かを相談されたとき、どのような姿勢、態度で話を聞いていますか?

相手に共感することを優先し、無意識のうちに、自分の意見にはフタをしているという方も多いのではないでしょうか。

相手の気持ちを傷つけまいと、相手の意見に共感することは、優しいように思えます。しかし、長いスパンで見れば、それはむしろ無責任であり、相手にウソをついていることになるのです。

伝え方に、正しいも間違いもありません。

まずは相手の話を聞き、相手の思いを受け止めてあげる。そして、その後は自分軸に従い、自分が思う素直な意見をあたたかい言葉で伝えてあげましょう。

それこそが、真の優しさであり信頼につながるのです。

すごい伝え方のコツ
「相手がどう捉えようと、私はこう思う」を信じる

井上裕之(いのうえ・ひろゆき)
歯学博士、経営学博士、医療法人社団いのうえ歯科 医院理事長、東京医科歯科大学非常勤講師を含め国 内外5大学非常勤(客員)講師、世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト公認グランドマスター。1963年北海道生まれ。東京歯科大学大学院修了後、「医師として世界レベルの医 療を提供したい」という思いのもと、ニューヨーク大学をはじめペンシルベニア大学、イエテボリ大学などで研鑽を積み、故郷の帯広で開業。その技術は国内外から高く評価されている。報道番組「未来世紀ジパング」にて、最新医療・スピード治療に全国から患者殺到ということで取 り上げられる。また本業の傍ら、世界中の自己啓発や、経営プログラム、能力開発を徹底的に学び、ジョセフ・マーフィー博士の「潜在意識」と、経営学の権威ピーター・ドラッカー博士の「ミッション」を統合させた成功哲学を提唱。「価値ある生き方」を伝える講演家として全国を 飛び回っている。著書は累計発行部数130万部を突破。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)は、テレビ番組「奇跡体験! アンビリバボー」で紹介され、大きな反響を呼ぶ。『なぜかすべてうまくいく1%の人だけが実行している45の習慣』(PHP研究所)、『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『がんばり屋さんのための、心の整理術』(サンクチュアリ出版)、『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか?』『「変われない自分」を一瞬で変える本』(きずな出版)など、ベストセラー多数。

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