(本記事は、井上裕之の著書『会話が苦手な人のためのすごい伝え方』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

【年代】で、相手の求める答えを読み取るコツ

iDeCo,イデコ,活用戦略,年代
(画像=Khongtham/Shutterstock.com)

会話は、相手と共通点があると非常に話しやすいという特長があります。

だからこそ、まずは相手と自分の共通点を見つけて話をすることを無意識に実践している方も多いのではないでしょうか。

しかし、相手と初対面の場合は共通点を見いだすことが困難です。

そんなときは、相手の年代に近い「自分の身近な人」を思い浮かべてみましょう。

私の場合、相手が20代くらいだと思ったら、自分の娘を思い浮かべます。そして、普段娘が話していることや興味があるものなどを会話の切り口にして、話をすることがあります。

「最近、〇〇が流行っているみたいですね」とか、「〇〇って知ってますか?」など。

「私には26歳の娘がいるんですけど......」と、最初に伝えてしまうのもひとつの手です。相手は「井上さんには、私と同じ世代の娘さんがいるんだ」とわかれば、親近感を抱いてくれる場合もあります。

あなたがいま30代だとして、相手が60代くらいであれば、自分の両親や上司を思い浮かべたり、また相手が20代であれば、自分の兄弟など、相手と同じ世代の「自分の身近な人」を思い浮かべるようにしましょう。

すると、たとえ相手が初対面であれ、親近感をもって会話することができます。

また、相手が自分と同世代の場合は、同じ時代を過ごしてきたという部分で明らかに共通点があります。

「子どもの頃は〇〇〇で遊びませんでしたか?」や「学生時代、〇〇〇が流行りましたよね」など、その世代ならではの話題について話すのも良策です。

このように、相手とどんな会話をしていいかわからないときは、自分の身近な人を思い出し、普段その人とどんな会話をしているかを思い出しながら相手と接するのは、効果的な手です。

雑談には縛りがなく答えが自由なぶん、相手が3つのうちのどのタイプなのかも自然と見えてくるでしょう。

そのなかで、相手がどのタイプかがわかれば、おのずと相手がどんな答えを求めているかわかるはずです。

すごい伝え方のコツ
いま話している相手の年代と近い「自分の身近な人」を思い浮かべる

【ビジネスシーン】で、相手の求める答えを読み取るコツ

men
(画像=fizkes / Shutterstock.com)

ビジネスシーンはもっとも伝え方が試される場です。

上司や部下、同僚やクライアント、取引先など、あらゆる世代、あらゆるジャンルの方たちと信頼関係を築くことが仕事のひとつといっても過言ではありません。

どんな職業であれ、一人でできる仕事はありません。

つまり、どんなに頭がよくても、どんなに仕事ができても、まわりの人と信頼関係を築くことができなければ、いい仕事、いい結果を生み出すことはできません。

プレゼンやミーティング、イベント、研修など、ビジネスでは人前で話さざるを得ないシチュエーションが数多くあります。

そして、多くの人は公の場で話をすることに苦手意識を抱いています。

不特定多数の方が集まる場においては、その場にいる人たち全員が納得する答えを瞬時に読み取るのは至難の業。相手がどんなタイプに当てはまるかという方法も、人数が多くては意味がありません。

では、このようにビジネスシーンにおいて相手が不特定多数の場合、どんなことに気をつけて伝えればいいのでしょうか。

前述したとおり「ビジネスでチャンスをつかみたい」と思うなら、唯一無二の自分になることが近道です。自分軸を確立させることができれば、どんなシーンであれつねに堂々とした態度でいられます。

たとえ公の場でわからない質問をされても、はっきりと「わからない」と言うことができ、それをまわりはマイナスとは受け取らず、むしろ「潔い」とプラスに評価されたりするほど。つまり、自分軸というフィルターを通せば、どんな人でも魅力的に見せる効果があるのです。 自分軸を確立するには、セルフプロデュース力を磨くことが先決ですが、日本人はこのセルフプロデュースが苦手な人が非常に多い。

少し話がそれますが、私が経営するいのうえ歯科医院は、口腔がんの細胞診を取り入れている数少ない歯科医院です。

細胞診は綿棒で口内の細胞をかき取り、その検体を道外の専門医(医療法人 長崎病理 長崎病理診断科)に送り、一週間前後で悪性の腫瘍がないかなど五段階評価で結果がわかります。

初回から精度の高い結果がわかると評判で、インターネットなどを見て来院する患者さんが増え続けていますが、こういった新しいサービスを取り入れることも、いのうえ歯科医院の自分軸をブランディングするためのひとつの手法だと考えます。

つまり、ビジネスにおいて唯一無二の自分を手に入れたいなら、「まだ誰もやったことがないことをする」だけで、意外と簡単に、自分軸というブランドを確立し、相手に印象付けることができます。

たとえば、歯科医院で働くスタッフに対しても「この仕事で本を一冊書けるくらいのオリジナリティとプライドをもって仕事をしましょう」と、声掛けしています。

歯科医院の受付の仕事ひとつをとっても、オリジナリティを出すことは可能です。一日中、ただ座って仕事を淡々とこなすだけではなく、患者さんを外に出て送り迎えをするとか、患者さん一人ひとりにスリッパを用意してあげるとか、跪いて問診を聞くなど。

ほかの歯科医院の受付ではやっていないサービスを提供することで、患者さんにインパクトを与え、やがてそれが歯科医院自体のブランディングにもつながります。

あなたがもし、もっと上のステージにいきたい、一流になりたいと思うなら、自分のオリジナリティを出すために何ができるかを考えてみてください。

営業職であれば、地元で有名な手土産を必ず持参してお渡しするとか、事務職であれば、季節ごとに取引先に感謝のお手紙を書くなど。

まずは小さなことでいい。自分なりのルールをつくってみることから始めてみましょう。それが自分軸となり、自分というブランドを確立するきっかけとなるはずです。

ブランドを確立することができたら、まわりのあなたを見る目が変化することに気付くでしょう。そのうえであなたに意見を求めてくる人がいたら、きっとその人はあなたのブランドを認めてくれている人。

そうなってしまえば、会話に困ることはありません。堂々と素直に思うことを答えるだけでいいのです。

すごい伝え方のコツ
自分というブランドを確立する

会話が苦手な人のためのすごい伝え方
井上裕之(いのうえ・ひろゆき)
歯学博士、経営学博士、医療法人社団いのうえ歯科 医院理事長、東京医科歯科大学非常勤講師を含め国 内外5大学非常勤(客員)講師、世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト公認グランドマスター。1963年北海道生まれ。東京歯科大学大学院修了後、「医師として世界レベルの医 療を提供したい」という思いのもと、ニューヨーク大学をはじめペンシルベニア大学、イエテボリ大学などで研鑽を積み、故郷の帯広で開業。その技術は国内外から高く評価されている。報道番組「未来世紀ジパング」にて、最新医療・スピード治療に全国から患者殺到ということで取 り上げられる。また本業の傍ら、世界中の自己啓発や、経営プログラム、能力開発を徹底的に学び、ジョセフ・マーフィー博士の「潜在意識」と、経営学の権威ピーター・ドラッカー博士の「ミッション」を統合させた成功哲学を提唱。「価値ある生き方」を伝える講演家として全国を 飛び回っている。著書は累計発行部数130万部を突破。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)は、テレビ番組「奇跡体験! アンビリバボー」で紹介され、大きな反響を呼ぶ。『なぜかすべてうまくいく1%の人だけが実行している45の習慣』(PHP研究所)、『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『がんばり屋さんのための、心の整理術』(サンクチュアリ出版)、『なぜ、あの人の仕事はいつも早く終わるのか?』『「変われない自分」を一瞬で変える本』(きずな出版)など、ベストセラー多数。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます