世の中には「お金持ち」になるための情報があふれているが、実際にお金持ちとはどういった人を指すのか、あるいはお金持ちになるためにどうしたよいのか、具体的かつ客観的に記したものは少ない。
「お金持ちになる絶対的な法則は存在しない」としつつも、「お金持ちになりやすい行動パターンやお金が逃げていくパターンを知ることで成功する確率を上げることはできる」と語るのが経済評論家の加谷珪一氏だ。ベストセラー『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス (2014/1/29))の著書であり、億単位の資産を運用する個人投資家でもある加谷氏に「資産1億円の教科書」と題して話を聞いた。(聞き手:押田裕太)
特集第7回は、「投資先の選び方」と「現代の新たな資産の作り方」について。
投資の王道である株式で経験を積む
――投資についての考え方を、もう少し伺いたいのですが、年齢によってスタンスを変えた方がよいのでしょうか
20代から30代前半までは、無理に資産運用をするよりも、自分を磨くことを重視したほうがいいと思っています。本格的に金融商品にいくのは、30代半ばくらいからかなと。ただ、40代半ばになってくると、時間が少し足りなくなってきます。
やはり25年〜30年程度は時間がないと、平均リターンは得られないでしょう。相場が下り坂のときに15年もやってしまうと悲惨な結果になります。ですから、25年程度は欲しいです。だから30代後半から、こつこつ投資をした方がいいのですが、30代前半までは自分自身への投資を最優先してもいいと思います。
では、金融商品への投資は何がいいのかというと、結局つまらない話になってしまいますが、王道はやはり株式投資です。しかも長期的に成長が見込める会社を選ぶ。つまらない話かもしれませんが、これが王道ですね。
――まずは株式から始めるべきだということですね。
日本人の場合、不動産投資とFXが過度に人気を集めている点は危惧するところです。不動産投資は私もやっているので、投資をするなとは思いませんが、いきなりレバレッジをかけて、1棟ものの物件を購入するのは、どうなのかと疑問を感じます。まずは投資の王道である株式をしばらくやって、経験を積んでから投資の幅を広げていくべきだと思います。
――王道というのは、株式への長期投資ということでしょうか。