コツコツとお金を貯め、貯金額がそれなりの額になった方なら、このまま貯金を続けるより少し投資をしてみたいと思うのは自然な流れだと思います。しかし、世の中には株式や投資信託をはじめ、FXや外貨預金などさまざまな商品があり、どれを買ったらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。今回はハイリスク・ハイリターンなものではなく、投資がはじめての人にも比較的安心な資産の運用法をご紹介します。

投資はあくまで余剰資金で

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(画像=PIXTA)

投資を始める前には、必ず生活費の3〜6ヵ月分の貯金を確保しておきましょう。というのも、投資に回しているお金というのは、一時的に価値が下がっていたり、一定期間換金できなかったりと、基本的にお金が必要な時にすぐに使えるものではないからです。

もし病気や事故などで急にお金が必要になった時、すべてのお金を投資に回していたら、損失が出ているのに仕方なく売却する羽目になったり、最悪借金をしたりしなければならないかもしれません。投資はすぐに引き出せる預貯金などの緊急生活費金が十分に貯まってからするようにしましょう。

リスクを取りたくない人は預貯金や国内債券を

元本が保証されている定期預金と国債

お金を増やそうとした場合、それに応じたリスクを取る必要があります。なので、お金が減るのは絶対に嫌という人は、銀行の普通預金や定期預金だけで資産運用を考えるのも立派な方法です。これらの預金は1,000万円以下なら保護されます。

しばらく使う予定がない資金で、もう少し金利が高いものをという方は、国債に挑戦してみましょう。特に個人向けに販売されている「個人向け国債」は、1万円から購入でき、元本割れせず、中途換金も1万円からできるので、定期預金の延長感覚で利用することができます。個人向け国債は「10年変動金利タイプ」「5年固定金利タイプ」「3年固定金利タイプ」がありますが、昨今の低金利では「10年変動金利タイプ」がおすすめです。

リスクをある程度許容できる人は手数料が安い商品を

コストが安いETFやインデックスファンド

ここからはある程度リスクを取ってもいいから増やしていきたいという方向けの運用法ですが、個人的にはETFとインデックスファンドをおすすめします。

まず、ETFというのはExchange Traded Fundsの略で、投資信託の一種なのですが、株と同じように売買できるため「上場投資信託」とも言われます。ETFは国内・海外の株や債券などのほか、不動産や原油・金などの商品を運用対象とするものまでさまざまです。

うまく利用すれば投資信託のようにさまざまな商品に投資でき、また他の投資信託より手数料が割安なのが特徴です。実際には何を買うかですが、まずはTOPIXや日経平均連動のものがいいでしょう。例えばTOPIX連動型ETFの価格はTOPIXの価格とほぼ同じになりますので、テレビなどで大体の価格がわかります。

次に、投資信託ですが、投資信託はみなさんから集めたお金をプロが運用して、出た利益をみなさんに配分する商品になります。プロが株や商品を選んでくれるのは魅力的ですが、その分手数料が高いというデメリットがあります。その投資信託の中で、もっとも手数料が安いのは「インデックス・ファンド」と呼ばれる商品です。

インデックスファンドというのはTOPIXや日経平均株価などの株価指数に連動するように運用されています。つまり運用するプロも指標で使われている銘柄を選べばよく、銘柄選択の苦労がない分、手数料が安く設定されています。

TOPIXや日経平均に連動するという点ではETFと同じなので、インデックスファンドとインデックス連動型ETF、どちらがいいか迷われる方もいると思いますが、一般的に上場株式と同じ扱いのETFと、投資信託のインデックスファンドという性質上、ETFの方が資産を預けている間にかかる「信託報酬」という手数料は安く、新規に購入する時の売買手数料は高めになります。なので、一度に買うならETF、コツコツ積立ならインデックスファンドで行うといいでしょう。

一番わかりやすい「金」は少額をコツコツ買い続けよう

これまでご紹介してきた預金や債券、投資信託やETFなど、金融商品と言われるものはほとんどすべて「誰かへの信用によって成り立っている商品」です。例えば預金なら銀行への信用、国債なら国、株などはもちろん発行する会社になります。

しかし、金はどうでしょうか。金には量に限りがあるため、世界中のほとんどすべての人が価値があるものと知っており、誰かに価値を保証してもらう必要もありません。これほど確実な資産はなく、不況になっても価値が変わらないどころか、価格が上がる傾向にあります。

ただし、利子がついたり配当をもらえたりすることはないので、金を持っているだけでメリットはありません。なので、あくまでもしもの時のために、純金積立などを利用して月々数千円程度でもいいので少しずつ買い続けるようにしましょう。

資産運用に期待しすぎないことも大切

資産運用というと、お金が10倍や100倍に増えることを期待する方もいますが、現実にはそんなことは滅多に起こりませんし、大きな利益を狙えば狙うほど損失も大きくなるものです。今回は比較的安全で手数料が低いものをご紹介しているので、これらを中心にまずは堅実に資産運用を始めてみてください。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)/fuelle

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