2020年3月24日11時時点に小林芳彦さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

現在、世界中が「手元流動性の不足によるドル買い」をしているといわれているが、そこは疑わしく思っている。個人的にはドルの損切りが出ている、もしくは機関投資家が下でかけたヘッジの買い戻しをかけている、または買い遅れた本邦輸入企業が買っているといったような、形を変えた損切りがメインであって、手元流動性が枯渇するからドルを買うというのは、個人的にはそこまでだとは思っていない。確かにファンドなどが換金のための損切りはしているだろうが、米国債で運用しているものは米国債を投げればキャッシュになるし、米国株でも同じくだ。よって他国の通貨で運用しているもの、例えばユーロ債で運用しているのであればそれを投げて手元に入ったユーロを売ってドルを買うということならわかる。しかし、米国債のほうが他国債がより少なかったということも考えづらい。そういったもろもろを考えると米ドル/円はさほど上がらないと思っている。しかしながら、直近高値である112.23円レベルを抜いた場合は、113.00円までは想定している。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは、広めではあるが108.00~113.00円。IMMのポジションが前々週プラスに転じて、先週円買いが増加した。よって円売りから円買いにひっくり返したポジションを再び切らされているとみている。そのため、戦略的には戻り売りから入る方針。跳ねたら売りから入りたい。

小林芳彦
1979年3月慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で当局を含め、数十社の法人顧客を担当。「ユーロマネー誌(日本語版)」顧客投票「日本のディーラー・ベストセールス部門」を6年連続第1位、過去7回受賞。「短期為替予測部門」を5年連続第1位受賞。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。