新型コロナウイルスの影響で、世界の金融市場は大きく変動している。このように変動幅が大きい市場環境においては、適切なリスクヘッジをすることが重要だ。

そこで、リスク許容範囲内で最大の利益を狙う戦略として、「ノックアウト・オプション」に注目する投資家が増えている。

史上稀に見る乱高下相場、まだまだ続く?

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(画像=FOREX.comより)

1987年のブラックマンデー、1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックと、市場はほぼ10年周期で大きなショックに見舞われて来た。コロナウイルスは、「今回は難を逃れたか?」と、人々が胸をなでおろした頃に現れ、中国からアジア圏、そして世界中へと瞬く間に広がった。

コロナウィルスが欧米でも急拡大し始めた2月下旬以降、株式市場は波乱が続いている。3月には、急変回避目的で自動的に取引を一時停止するシステム「サーキットブレーカー」が、発動する 事態に陥った。

その後、米国における2兆ドル規模の景気対策の発表など、ポジティブなニュースが株価の暴落に歯止めをかけ、市場はひとまず冷静さを取り戻したか のように見える。

しかし、パンデミックの猛威がいつまで続くか分からず、ビジネスや経済への影響が深刻化する中、市場を覆う不透明性や不安感は拭え切れない。今後も激しい変動が続く要因は多数ある。こうした環境下では為替市場も激しく値動きすることになるだろう。

史上稀に見る乱高下相場を生き抜くためには、しっかりとしたリスクヘッジが欠かせない。その一つとして、ノックアウト・オプションが挙げられる。

リスク許容範囲で最大の利益を狙う!ノックアウト・オプション

ノックアウト・オプション は、バリア・オプション と呼ばれる、原資産価格が一定の価格に達するかどうかで権利の発生・消滅が決まる、デリバティブ取引の一種だ。マージンとリスクを自由にコントロールできる点が、最大のメリットとされている。

取引価格に合わせて設定されたノックアウト・レベル に原資産価格が達すると、自動的にポジションが決済されるため、利益獲得のチャンスを探しながら、予期せぬ原資産の価格変動リスクをヘッジできるという仕組みだ。言い換えると、利益に上限はないが、最大損失は限定されている。最大損失は、必要証拠金(取引するために必要な預託金)と同じ金額になる。

原資産の価格が1ドル上昇すると、ノックアウトの価格も1ドル上昇するという具合に、取引価格が原資産と連動しているため、透明性が高く、取引コストはスプレッドのみでノックアウト時にはスリッページ (注文価格と約定価格の差)も発生しない。つまり、確実に損切りできるというわけだ。

Forexのノックアウト・オプションとは

取引の仕方も、非常にシンプルだ。ここでは、Forexのノックアウト・オプション取引を元に、説明しよう。

米ドル/円、ユーロ/米ドルなど30以上の通貨ペアの中から、取引したい銘柄を選択し、原資産価格が上昇すると予測する場合は「KO UP(上昇)」、 下落すると予測する場合は「KO DOWN(下落)」の買いポジションを保有する。次に、ノックアウト・レベル(損切りレート)と数量を指定。

取引結果を確認後、ポジションが成立するという流れだ。因みに、ノックアウト・オプションは、買いポジションの保有のみに限定されている。

簡単な取引例を見てみよう。 原資産価格108.00で米ドル/円の「KO UP」、取引数量は1ロット(10,000通貨)でノックアウト・レベルを107.00に設定したとする。原資産価格とノックアウト・レベルの差額である100が、ノックアウト・オプションの価格だ。必要証拠金は、取引価格×1ポイントあたりの損益で算出されるため、合計1万円が最大損失となる。

予測通りにポイントが上昇し、例えば50ポイント上昇、原資産価格が108.50に達した時点で利益を確定させると、ノックアウト・レベルとの差が150となるため、確定利益は5000円となる。

KOs points
(画像=KOs points)

最近の市場を例に挙げると、USD米ドル/円JPYが急落した2月下旬から3月上旬にかけて、ノックアウト・オプションで「KO DOWN」の買いポジションを保有していれば、損失のリスクを許容範囲に抑えながら利益を出し、「KO UP」の買いポジションを保有していたとしても、ノックアウト・レベルが稼働するため、投資した金額以上を失うことはなかったということだ。

ノックアウト・オプションのメリットを活かした戦略

それでは、市場が不安定な時は、あらゆるFX投資家にノックアウト・オプションが向いているのだろうか。

前述した通り、値動きの激しい市場で積極的に取引し、リスクをある程度受け入れる意思があることが、ノックアウト・オプションを検討する第一条件である。

その場合、例えば、同じ銘柄に対して、複数のノックアウト・オプションを異なるノックアウト・レベルや数量で保有することで 、リスクを分散しながら利益を狙うことができる。

あるいは、短期的にノックアウト・オプションで取引すれば、価格変動にそれほど困惑することなく、レバレッジを利用して最大限の利益を狙うという戦略が使える。

しかし、市場が予想と反対の動きをした時には、当然ながら損失も大きくなる。また、一度設定したノックアウト・レベルは変更不可能、ポジションをオーバーナイトで 保有した場合には、別途でスワップポイント(金利差調整分)が発生するなど、注意点もしっかりと確認する必要がある。

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