Facebook傘下のメッセンジャーアプリ・WhatsAppが、法定通貨でのデジタル決済サービスを開始した。

15日、公式ブログで発表した。

まずはブラジルからこのサービスを始め、同国の約1.2億人のWhatsAppユーザーがチャット上で送金や決済を行うことができるようになるという。

アプリ
(画像=月刊暗号資産)

WhatsApp上での支払いはFacebookが提供するオンライン決済サービス「Facebook Pay」を利用。

送金の際、不正取引を防ぐために6桁の暗証番号か指紋が利用される。

チャット上で決済機能を利用するためには、Banco do Brasil、Nubank、Sicrediなど、国内大手銀行のデビットカードかクレジットカードをVisa・Mastercardの国際ブランドで所有している必要がある。

将来的には他の銀行でもサポートしていく予定だという。

FacebookのCEOであるMark Zuckerberg氏は自身のFacebook上で、「近日中に多くの国で利用できるようになる」と明かしており、WhatsAppユーザーが今年に入り20億人を突破したことを鑑みると、その影響力は非常に大きなものになると言える。

今回利用されるFacebook Payはあくまで既存金融機関のインフラとパートナーシップを利用して構築されたものであることから、現状チャットアプリ上で暗号資産でのデジタル決済が導入される可能性は低い。

実際、Facebook Payは独自暗号資産「Libra」とは関連性がなく、対応しないとも表明している。

Libraに関しては、Facebookが公式に発表を行なってから約1年が経つが、現状厳しい立場に置かれていると言える。

米国を中心に各国で批難が集中し、今年3月には当初の予定を変更して米ドルやユーロなどを裏付けたステーブルコインとして発行する可能性が関係筋を通して浮上している。

また、先月にはLibra専用のウォレットとして位置づけられている「Calibra」を「Novi」に改名するなど、思い描いていたロードマップから大きく逸れた状況だ。

なお、Noviは単独のアプリとして機能しつつ、MessengerやWhatsAppと相互運用性を持つ仕組みを目指すとのことだが、具体的な動きに関しては今のところ不明だ。(提供:月刊暗号資産