インドのNarendra Modi首相は23日、先端技術としてブロックチェーンへの支持を明らかにし、積極的な投資誘致へのアピールを行った。
米印ビジネス協会(USIBC)が主催するインド・アイディアサミットが22日より開催されており、Modi首相も基調講演で登壇。Modi首相は先端技術への投資機会として5Gやビックデータ分析、量子コンピュータ、IoTなどと共にブロックチェーンにも言及した。
基調講演の中で、国民の約半数にあたる5億人がインターネットに接続できる状態にあると説明し、今後拡大する残りの半数へのポテンシャルも考えると非常に大きな市場規模になると語った。
また先端技術の発達がめざましい中国が海外企業から敬遠されつつある現状に触れ、インドの企業は対照的に開放されている点も魅力的だと主張した。
さらに、過去6年間で開放的な経済改革ができるよう努力してきたとし、政治的な安定性やリスクが低い投資先であると述べている。
なお、Modi首相は基調講演でブロックチェーンについては言及したものの、暗号資産については触れておらず、政府としての暗号資産に対する姿勢は未だ不透明な状況だ。
インドでは2018年から中央銀行が暗号資産の取引を禁止していたが、今年3月に最高裁が違憲判決を下したことにより、インドルピー(INR)を用いた暗号資産取引が再開されるなど、同国の暗号資産業界に追い風が吹く状況となっていた。
しかし一転して、今度はインド政府が暗号資産を全面的に禁止する法案を提出する可能性があると現地メディアが報じるなど情報が錯綜している。
過去を振り返っても、インド政府はこれまで暗号資産取引について厳しい立場取っていたかと思いきや、政府高官、またはModi首相自身が暗号資産企業等にとってポジティブな動きを見せるなど、同国における暗号資産情勢が二転三転している状態だ。
とはいえ、昨年10月の中国・習近平国家主席によるブロックチェーン推進宣言と同様、今回のModi首相の発言がインドにおける暗号資産市場、そして暗号資産業界全体に好影響を及ぼす可能性も考えられることから、同国の動向を注視した方がいいだろう。(提供:月刊暗号資産)