国内暗号資産取引所ディーカレットを運営する株式会社ディーカレットは5日、今年3月に関西電力とデジタル通貨に関する実証実験を行なったと発表した。

プレスリリースによると、この実証実験はディーカレットが構築する「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用して行われた。

実証実験
(画像=月刊暗号資産)

このプラットフォーム上で関西電力向けに実証実験用の独自デジタル通貨を発行し、電力のP2P(直接)取引における決済処理の自動化に関して有効性を確認することができたという。

ディーカレットは実証実験に至った背景として、電力業界における電力の供給システムが従来の大規模集約型から個人や企業などが電源を保有する分散型への移行期にあると指摘。また、将来的にはプロシューマー(生産消費者)と電力消費者が専用のプラットフォームを介し、電力のP2P取引が行われる可能性があることから、取引記録を明確にすることが必要要件になると説明した。

そのような背景から、耐改ざん性に優れ透明性に期待が集まるブロックチェーンを活用したデジタル通貨を用いて、決済処理の自動化に関する実証実験を行ったという。

具体的には、プロシューマーと電力消費者との間で電力取引が行われた際、その記録がスマートコントラクトへ書き込まれ、取引量に応じた料金が電力消費者のウォレットからプロシューマーのウォレットへ送付されるというものだ。

その際発生した取引手数料を、プロシューマーのウォレットからプラットフォーマーのウォレットへ即座にデジタル通貨を送付するという一連の仕組みに関して検証がなされた。

ディーカレット、関西電力とデジタル通貨の実証実験を実施
(画像=月刊暗号資産)

ディーカレットによると、今回活用された「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」は、利用する企業が自社ブランドのデジタル通貨を発行できる機能を搭載しており、スマートコントラクトを実装することも可能だという。

同社は今後、「既存の決済サービスへの価値移転や交換機能・サービスなど、デジタル通貨の利便性を高めるサービスの提供を増やしていく予定」としている。(提供:月刊暗号資産