大手保険会社の損害保険ジャパンは、ブロックチェーン・テクノロジー関連企業のLayerXなどとともに、MaaS(Mobility as a Serviceの略)領域における「保険金」の対象となる事故の発生を自動的に検知し、即座に支払う仕組みを開発した。17日、LayerXが同社公式サイトで発表した。
MaaSとは、出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに(途切れのない)1つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとしてとらえる概念のことを言う。
初めは交通機関の遅延の補償から始め、企業向けを含む他の保険に広げる考えだ。スマートコントラクトを活用し、自動的に事故などの事実を確認し、即座に保険金を支払うという。
契約者は保険会社に事故の発生を申告したり、証明書を提出したりする手間を省ける。
まずはナビタイムジャパンと提携し、関東地方で実証実験を始める。
関東圏内の「JR宇都宮線」「高崎線」「埼京線」の電車の遅延情報を元に、契約者を位置情報によって把握し、遅延で損害を受けた場合、保険金に見立てJR系列のコンビニ「ニューデイズ」で使えるクーポンを発行するという。
今回の実証実験を経て、2022年の実現を目指していく。
同社「リテール商品業務部 課長代理」の安藤聡昭氏は「損保ジャパンは、デジタル革命によるMaaS が生活インフラとなるスマート社会の実現や、産業構造の変革により急速に広がるお客さまの価値観や生活スタイルの変化に柔軟に対応するために、さまざまなパートナーとの共創や最先端のデジタル技術の活用により、新たなお客さま体験価値の向上と価値ある商品・サービスの創造を実現していきます」と述べ、ブロックチェーン上で様々なプログラムを自動的に実行できる仕組みのスマートコントラクトを活用すると抱負を語った。(提供:月刊暗号資産)