暗号資産チェーンリンク(LINK)とイーサリアム(ETH)の勢いが止まらない。

特にチェーンリンクに関しては今月初頭より価格が高騰しており、執筆時点の前週比で40%、直近2週間では133%もの暴騰を見せている。

チェーンリンク
(画像=月刊暗号資産)

この背景にあるのは、やはりDeFi(分散型金融)の存在だ。

このところ、一時的にチェーンリンクを筆頭としたDeFi銘柄は小休止と言わんばかりに1度価格を落としていたが、8月に入り全面高の様相を描いている。中にはこの1週間で3桁%もの上昇を記録した銘柄も複数存在するほどだ。

DeFiは現在の暗号資産市場におけるトレンドであることに加え、近頃の米中対立などを含む世界経済の不安定さから、多くのDeFi銘柄に資金が流入したと考えられる。

また、DeFi市場の盛り上がりからFOMO(取り残される恐怖)が発生した可能性も挙げられるだろう。

チェーンリンクは一連の高騰でついにビットコインキャッシュを抜き時価総額順位5位にまで上昇しており、他のDeFi銘柄も依然として強力な勢いを見せていることから、続伸に期待がかかっている。

このDeFi銘柄に関連してか、イーサリアムの高騰も目立った。

今月2日に年初来高値を更新して以降、1度価格を落として横ばいの推移が続いていたが、14日頃に均衡が崩れた形だ。価格を大きく上昇させたイーサリアムは翌15日にも続伸し、再び年初来高値を更新した。

この一連の上昇で前週比およそ10%増となり、暗号資産市場の好調ぶりを後押しした格好となった。

この他、イオス(EOS)やトロン(TRX)、ネオ(NEO)などといった中華系の暗号資産の高騰も目立っていることから、こちらもDeFi銘柄などと同様に今後の動向を注視しておいた方がいいだろう。

既出の通り、現在の世界経済は全く見通しが見えない状況となっている。

日本においても17日、2020年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)が発表され、戦後最悪となる年率換算27.8%ものマイナスを記録したことがわかった。

世界各国でも同時期GDPが、米国32.9%、イギリス59.8%、ドイツ10.1%のマイナスとなるなど、泥沼の一途をたどっている。

一方で、安全資産と言われる金(ゴールド)は好調をキープしており、米ゴールドマン・サックスも今後12ヶ月で1トロイオンスあたり2300ドルまで上昇するとの見立てを立てている。

さらに米国で第2弾となる現金給付が始まるとの一報で、金や暗号資産などへさらなる資金流入が起こるとの声も少なくないことから、暗号資産市場に追い風が吹いていると見ていいだろう。(提供:月刊暗号資産