暗号資産取引所Binanceは18日に公開したブログで、2020年初頭にウクライナのサイバー警察に協力し、4200万ドル(約44億円)以上の暗号資産マネーロンダリングに関与したサイバー犯罪組織を特定・逮捕することにつながったことを明らかにした。
このサイバー犯罪組織は3人のメンバーで構成されたグループで、過去2年のスパンで暗号資産を法定通貨へと変えていたとのこと。
またこのサイバー犯罪組織は世界規模のランサムウェアを使用するサイバー攻撃にも関わっていたようだ。
Binanceは、ユーザーのセキュリティを確保し、国際的な暗号資産エコシステムの安全性を高める取り組みの一環として、不正行為を特定しシャットダウンするメカニズムを構築したデータ駆動型のアプローチを採用していると説明。また、「悪質な行為者と戦い、被害者が正義を求めることを支援する」とブログの中で述べている。
毎日大量の取引データが蓄積されるBinanceでは手動での分析が不可能であるため、疑わしい取引パターンを機能工学技術で特定し、検出モジュールからフラグを立て調査の手助けをしているという。
フラグが立てられるとセキュリティーチームが取引内容をチェックし、それに応じた処理を進める形だ。
Binanceのデータサイエンスチームは、Binanceとリスクの高い事業体との取引を特定するThe Bulletproof Exchange プロジェクトも行っている。
KYCやAMLポリシーの緩い暗号資産取引所は、金融犯罪やその他の犯罪につながる暗号資産の出金ポイントとして機能していることがあるという。
ブロックチェーン分析に特化した企業であるTRM Labsと共同で分析したデータによると、これらの取引所は規制が不十分な地域に拠点を置き、不正行為の温床になっている割合が高いとのこと。
2020年初頭にBinanceがサイバー犯罪組織の特定・逮捕につながったのは、リスクの高い事業体を通して資金洗浄を行なっていた潜在的な方法を探るために多くのリソースを割り当てたことが要因だとしている。
Binanceは今後、ビックデータ技術を応用し、セキュリティの研究や暗号資産関連の犯罪行為の調査をさらに進め、The Bulletproof Exchangeプロジェクトやブロックチェーン分析会社とのパートナーシップを継続していくと語った。(提供:月刊暗号資産)