大手P2Pビットコイン取引所であるPaxfulは、アルゼンチンにおける暗号資産(仮想通貨)の可能性とビットコインを中心とした暗号資産に対して抱いている考えおよび投資習慣に関する調査を行い、その結果を先月28日に公表した。
調査によると、参加した73.4%もの人が現在のアルゼンチン国内の経済状況を踏まえると、暗号資産が資金の貯蓄・保護方法として「最も効果的である」と考えていることが明らかになったという。
今回の調査は18〜55歳までの1,113人に対して行われたもので、Paxfulの委託を受けCripto247がオンラインで実施したものだ。
それによると調査対象のうち69.5%が少なくとも1度は「暗号資産に投資したことがある」と回答しており、その主な理由が「インフレによる自国通貨の暴落を回避するための手段になる(42.7%)」というものだった。また、ボラティリティが激しいとされてきた暗号資産に対し、調査対象者の67.8%が「非常に安全だ」との考えを持っているとのこと。
アルゼンチンは現在、経済危機に陥っており、巨額の対外債務に加えアルゼンチン・ペソの価値はこの1年で、半値以下(ドルベース)の価格まで下落している。
IMF (国際通貨基金)からも政府責務について持続不可能と指摘されており、支払い期限の国債の利払いも見送るなど、事実上のデフォルト(債務不履行)となっていた。
日経新聞によると、先月米国の債権者団とアルゼンチン政府で行われた債務再編交渉では、約45%の債務減免で合意したという。今後は、IMFへの追加支援を巡る交渉や資本流出対策に取り組むことになるとしており、市場でのアルゼンチンに対する信頼は壊滅的な状況となっている。
今回Paxfulが調査した結果は、アルゼンチン政府に対する信頼性の低さが大きく反映された格好だ。
PaxfulのラテンアメリカマネージャーであるMagdiela Rivas氏によると、特に新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、Paxfulを利用したアルゼンチンユーザーによる取引は昨年同期間と比較して37.5%増加したとという。
またRivas氏は、調査対象者の30.5%は暗号資産に対する操作方法や新たな通貨への不安、投資資金の不足などから投資経験が無いと回答した結果から、Paxfulでは市民への教育やお金に対する新たな選択肢があることを示すことで、経済的な自由を提供したいとしている。(提供:月刊暗号資産)