2020年9月2日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今週は安倍首相辞任から円主導でマーケットを動かす場面もあったが、安倍首相にもっとも近い菅官房長官が大本命となったことで米ドル/円は再び方向感を失っている。FRBが長期間のゼロ金利を容認しており、ドル安の地合いは変わらないものの、ゼロ金利は米国株高にも繋がるため、リスクオンの円安にもなりやすく米ドル/円の動きは鈍い。そろそろ上下どちらかに振れてほしいが膠着状況を抜け出す材料は見えておらず、今週末4日(金)の米雇用統計を待ちたいところだ。一方でユーロ/米ドルは1.2000ドルの攻防が続いている。昨日1日(火)のNY時間には短期勢の仕掛け的な動きから一時1.2000ドルをブレイクするなど上値を試す展開だ。しかし、心理的な節目となる1.2000ドルに到達したことで一定の達成感もあってか利益確定の売りが散見したほか、レーンECB専務理事のユーロ高けん制発言もあり、一進一退の攻防となっている。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は約1カ月間、105.00円~107.00円の値動きに終始しており、レンジ内で押し目や、戻りを叩いていくオペレーションになる。レンジの期間が長いのでブレイクした場合は瞬間的に買い(売り)込まれることはありそうだが、あしもとのモメンタムでは上昇(下落)し続けることはないだろう。一方、上昇が続くユーロ/米ドルだが、中長期的なポジションであればバイアンドホールド継続。しかし、短期的には一定の調整が入ってもおかしくはない。ドル安とEU復興基金を背景に上昇トレンドを形成してきたが、EU復興基金はそろそろ賞味期限が切れるほか、IMMポジションのユーロロングは21万超で過去最大に積みあがっていることも気になるところ。1.1900ドル台は打診売りをしてみたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。