2020年9月8日11時過ぎに志摩力男さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今週はやはり明後日10日(木)のECB政策金利と声明発表が焦点だ。おそらく政策の変更はないだろうが、このところ上昇してきたユーロに対して、ラガルドECB総裁から、何らかの言及があると思われる。ユーロが上昇することは、当然インフレ率の下降につながるので、ユーロ上昇に対して警戒が強いのか、そうでもないのか、そのニュアンスを見て、市場は反応することになるだろう。すでにユーロ/米ドルは重くなっているが、ECBができることは限られているため、おそらくECBまでユーロは下げて、総裁会見後にマーケットに元気があれば買い戻され、上昇することになるのではないだろうか。とはいえ、ユーロ/米ドルが1.2000ドルを超えていく上昇というのはすぐには考えられないため、横ばいの調整になるかというイメージ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

現在、少し懸念されるのがポンドだ。本日8日(火)から8回目の英国とEUの貿易交渉が始まるが、未だチキンゲームをやっており、英国はEU側の譲歩を引き出すために、まだ敢えて強い姿勢で臨む戦略を取っている。しかしながら時間が限られていることと、英国は現在、妥協するという方針はまだ取れなさそうなので、おそらく交渉は順調にはいかないだろう。よって、ハードブレグジット懸念から英ポンド/米ドルは軟化すると思われる。ただ、最終的にはFTA(自由貿易協定)を締結する方向に行くとは思うが、12月末のデッドラインギリギリまで大混乱するような気がする。英ポンド/米ドルは目先、1.3000ドル割れくらいまでの下落は想定している。

志摩力男
慶應義塾大学経済学部卒。1988年~1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地のヘッジファンドや有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍する。志摩力男の実践リアルトレード

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。