2020年9月10日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

本日10日(木)は、欧州中銀(ECB)の理事会や英国と欧州連合(EU)の通商協議に市場の関心が集まっている。欧州タイムを中心に為替市場の主役はユーロやポンドなどの欧州通貨となる見込みだ。ドルと円はいずれも脇役として同じ方向に動くと見られ、米ドル/円は105円台後半から106円台前半のレンジ取引を抜け出せない公算が大きい。一方でユーロは昨日9日(水)、リスクオンのドル安に加えECB当局者から成長率見通しの上方修正をリークする発言が出て上昇した。しかし、上方修正は小幅に留まる公算が大きい上、ラガルドECB総裁はハト派姿勢を維持すると見られる事から、ユーロの上値は限られそうだ。ラガルドECB総裁によるユーロ高けん制発言も気になるところだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ポンドに関してだが、昨日9日(水)の欧州市場で一時約1カ月半ぶりの安値を付けたが、NY市場ではリスクオンの流れに乗って反発した。英政府は昨日9日(水)、EU離脱協定の一部を無効化する「国内市場法案」を議会に提出。同法案は国際法違反に繋がる疑いがあり、EUは離脱協定の修正を試みれば英国との自由貿易協定(FTA)は実現しないと警告している。本日10日(木)の英国とEUの首席交渉官によるFTA交渉は難航が予想され、ポンドの重しとなりそうだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。