16日、安倍内閣の総辞職によって臨時国会が召集され、先日、自民党総裁に選出された菅義偉氏が第99代首相に指名された。首相の交代は2012年12月26日以来、約7年8ヶ月ぶりとなる。

今後、皇居での首相親任式や閣僚認証式を経て、16日中に内閣が発足する予定だ。

入閣
(画像=月刊暗号資産)

首相指名を終え、菅内閣の陣容も明らかになった。

内閣の要とも言える官房長官のポストに厚生労働相から横滑りした加藤勝信氏が就任し、閣僚名簿を発表した。

岸信夫防衛相や平沢勝栄復興相など5人が初入閣を果たす中、麻生太郎副総理兼財務相や茂木敏充外務相、小泉進次郎環境相など8人が再任した。

また、菅首相が掲げる「デジタル化政策」の肝とも言えるデジタル担当相には平井卓也元IT・科学技術担当相が就任した。

平井氏は衆議院議員7期目で、科学技術・IT担当相などを歴任。昨年10月には自民党デジタル社会推進特別委員長に就任するなど、デジタル化推進に対して積極的な姿勢を見せている。

平井氏は以前ブログで、「AI、ロボット、ブロックチェーン、ゲノム編集、量子コンピュータなど、科学技術における急激な進展は、私たちの日々の生活に変化をもたらすのみならず、国の競争力そのものに直結する重要課題である」と述べており、自身のFacebook上でもブロックチェーンについて見解を述べ、推進に前向きな発言をするなど、ブロックチェーン推進派としても知られている。

菅首相は自民党総裁選で「デジタル庁」の創設を強く訴えていた。

デジタル庁は行政サービスにおける非合理的な手続き等が発生する「縦割り行政」の改革を念頭に、電子行政の一元化を目指して創設される。新型コロナウイルスの感染拡大によってデジタル化の必要性が露呈したことから、スピード感を持って推し進めていく必要があるだろう。

またデジタル化に関連して、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)や、デジタル証券に関しても今まで以上に議論が進められていくものとみられる。

日本は国連経済社会局(UNDESA)が発表した2020年における行政のデジタル化を示した「世界電子政府ランキング」で世界14位に後退するなど、年々デジタル化遅れが顕著になってきている。

「ウィズコロナ」と称し、新たな生活様式を浸透させていくためにも、デジタル化は欠かせない戦略だ。

今後どのようにして改革を進めていくのか、菅首相の手腕が問われていくだろう。(提供:月刊暗号資産