FX口座を最初に開設するにあたり、DMM FXとDMMクリック証券のFXネオは引き合いに出されることが多い。しかし違いが分かりにくいと感じる人もいるだろう。FX初心者が安心して取引できるか、あるいはお得に取引できるかに焦点を当てて、2つのFX口座を比較してみよう。

1, DMM FXとGMOクリック証券、FX口座の基本情報

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(画像=manusapon/stock.adobe.com)

最初に、DMM FXとGMOクリック証券のホームページ上で紹介されているFX口座基本情報を参照し、2つのFX口座のどこに違いがあるのかを確認してみよう。

FX口座の基本スペック比較

  DMM.com証券 GMOクリック証券
FX口座名
(商品名)
DMM FX FXネオ
口座数
(2020年
8月31日現在)
80万口座 ※DMM.com証券調べ
(DMM FXと外為ジャパンの合算口座数)
65万4,625口座
入金 ・クイック入金手数料 →
無料(会社負担)
・振込入金→利用者負担
・即時入金手数料→
無料(会社負担)
・振込入金→利用者負担
出金 ・手数料無料(会社負担)
・2,000円以上
・手数料無料(会社負担)
・1万円以上
取引通貨ペア数 21通貨ペア 20通貨ペア
取引通貨単位
(米ドル/円)
1万通貨単位 1万通貨単位
最大発注数量
(米ドル/円)
100万通貨 【通常モード】100万通貨
【Exモード】500万通貨
キャンペーン・特典 ・口座開設&条件達成で
最大20万円キャッシュバック
・取引応援ポイント
(ポイントランクに
応じて最大3倍付与)
・口座開設&新規取引で
最大3万円キャッシュバック
米ドル/円
スプレッド
0.20銭 0.20銭
米ドル/円
スワップポイント
(2020/7/8
付与分実績)
7(買)/-10(売) 6(買)/-9(売)
追証発生水準 証拠金維持率100% 証拠金維持率100%
追証未解消による
強制決済手数料
なし 1万通貨当たり500円
(税込)
ロスカット発動水準  証拠金維持率50% 証拠金維持率50%
ロスカット手数料 なし 1万通貨当たり500円
(税込)
投資情報 ・マーケット情報
・経済指標カレンダー
・初心者向け学習
ページが豊富
・GMOクリックTV
投資チャンネル
・経済カレンダー
デモ取引 ・仮想マネー500万円
・利用期間3ヵ月間
・デモ取引純資産額
ランキングの
キャンペーン
(賞品付き)は随時開催
・仮想マネー
10万~9,999万円の
範囲で任意に設定
・利用期間1ヵ月間
サポート体制 ・電話は
月曜日7:00~
土曜日7:00まで
(夏時間は月曜日
7:00~土曜日5:50まで)
・メールフォームでの
問い合わせも可
・電話は月曜日7:00~
土曜日7:00まで
(夏時間は月曜日7:00~
土曜日6:00まで)
・問い合わせフォーム
の利用も可

DMM FXとGMOクリック証券FXネオの基本情報を見ると、取引単位や取扱通貨ペアの種類、追証発生水準、ロスカット発動水準など、FX取引そのものに関わるルールは基本的に同じである。

違いが見られるのは、手数料とキャンペーン・特典内容だ。

DMM FXとGMOクリック証券の違い1,DMM FXは追証とロスカット手数料も無料

DMM FXでは、手数料は基本無料である。入出金(入金手数料無料はクイック入金のみ)だけでなく、追証が解消されなかった場合の強制決済手数料とロスカット手数料も無料だ。それに対して、GMOクリック証券FXネオの追証未解消による強制決済手数料とロスカット手数料は、いずれも主要通貨ペア1万通貨単位につき500円(税込)である。

DMM FXとGMOクリック証券の違い2,GMOクリック証券は口座開設のキャッシュバックが高い

キャンペーン・特典に関しては、DMM FXは口座開設キャンペーン以外に、賞品付きのデモ取引純資産ランキングキャンペーンも頻繁に開催されている。

GMOクリック証券FXネオでは、口座開設&新規取引キャッシュバック特典の金額が最大3万円であり、DMM FXよりも高い。

DMM FXとGMOクリック証券の違い3,GMOクリック証券ではグループの株主優待を受けられる

DMM FXにはないが、GMOインターネットグループには株主優待がある。GMOクリック証券口座で対象の取引を行うと、グループ上場会社の保有株式数に応じたキャッシュバックを受けられる。

キャッシュバックは複数あり、中にはFXネオ内の新規建て取引を対象にしたキャッシュバックや、証券コネクト口座の利用によるキャッシュバックもある。

GMOクリック証券口座にキャッシュバックされた資金は、再投資に回すことができるので効率的だ。

【株主優待対象企業】
・GMOフィナンシャルホールディングス<7177>
・GMOインターネット<9449>
・GMOアドパートナーズ<4784>
・GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>
・GMOパペポ<3633>

DMM FXとGMOクリック証券、どちらも営業日なら夜中でも電話問い合わせができる

DMM FXとGMOクリック証券FXネオのどちらも、営業日のほぼ24時間、メールに加えて電話でも問い合わせを受け付けている。深夜も相場が動くFXに挑戦する初心者にとっては、どちらの会社のサポートも非常に心強い。

2,DMM FXとGMOクリック証券のFX口座のメリットは?

FX業界の2大口座であるDMM FXとGMOのFXネオ。FX口座選びに迷ったら、どちらのFX口座のメリットが、自分のFX投資方針や投資スタイルに合致しているかを見極めよう。

DMM FXの3つのメリット

DMM FXを特徴づける主なメリットは、以下の3点である。

・メリット1,徹底的にコストを抑えられる

スプレッドは、FX取引における唯一のコストだ。取り扱う21通貨ペアはどれも、スプレッドが業界最狭水準。さらに、あらゆる費用が無料になっている。低コストにより、FX取引の損益だけに集中できるのが最大のメリットだ。

FX口座が低コストであることは、大きな利益を期待できない初心者にとって絶対条件だ。初めてFX口座を開設する人なら、最初に注目すべきポイントといえるだろう。

・メリット2,本気になれるデモ取引環境

多くのFX会社がデモ取引環境を提供しているが、DMM FXのデモ取引は、本番さながらの緊張感と高揚感を味わえる気の利いた仕組みになっている。

本番と同じツールを使うので、操作や注文の模擬体験や練習ができる。リアルタイムレートでデモ取引を行うため、本番同様のスピード感と相場変動も体験できる。

DMM FXのデモ取引には、本番に向けたトレーニング以外のメリットもある。デモ取引参加者ランキングの上位入賞者には、豪華賞品がプレゼントされる。ランキング上位入賞を目指して、デモ取引のモチベーションや本気度が上がる人もいるはずだ。

・メリット3,クイック入金サービス提携金融機関が340ヵ所もある

クイック入金サービス(即時入金サービス)は、手数料無料で提携金融機関の口座からDMM FX口座への入金が即時に反映されるサービスである。

即時入金サービスを提供しているFX会社は多いが、DMM FXではクイック入金サービスで全国の340もの金融機関と提携している。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンクから、ジャパンネット銀行や楽天銀行などのネット銀行、ゆうちょ銀行、全国各地の地方銀行や信用金庫などを利用できるので、非常に便利だ。

クイック入金サービスのために新たに銀行口座を開設しなくても、今ある銀行口座を活用できるので便利だ。

GMOクリック証券の3つのメリット

GMOクリック証券ならではのメリットは、以下の3点だ。

・メリット1,「証券コネクト口座」の利用で、優遇金利年0.11%が適用される

GMOクリック証券の口座とGMOあおぞら銀行の銀行口座を連携すると、いくつもの便利なサービスを利用できる。

証券コネクト口座の利用者には、GMOあおぞらネット銀行の優遇金利が適用され、年0.001%(税抜)の普通預金金利が110倍の年0.11%(税抜)になる。

0.11%の優遇金利は、高い優遇金利で知られる楽天証券と楽天銀行との口座連携サービス「マネーブリッジ」の優遇金利0.10%(税抜)より高く、同種の優遇金利サービスでは最高水準だ。

さらに証券口座の余力として、GMOあおぞらネット銀行の証券コネクト口座の残高が反映される。わざわざ資金を振り替える必要がなく、手間がかからない。

待機資金も効率良く増やしたいなら、証券コネクト口座を積極的に活用したい。

・メリット2,高金利通貨ペアのスワップポイントがとにかく高い

高金利通貨ペアとして知られる南アフリカランド/円、トルコリラ/円、メキシコペソ/円をすべて揃えており、これらの通貨ペアのスワップポイントはもちろん業界最高水準だ。

FX初心者でトレードにはあまり自信がなくても、低レバレッジで高金利通貨ペアの買いポジションを長期で保有すれば、スワップポイントをコツコツ貯めることができる。これは初心者におすすめの方法だ。

・メリット3,自社開発された信頼性の高いFXシステム

GMOインターネットグループは、インターネットのスペシャリスト集団。GMOクリック証券では、グループの高い技術力を背景に、高速で堅牢な、信頼性の高いシステムやツールを、すべて自社で開発している。

高性能でありながら、使いやすさとわかりやすさにこだわったシステムやツールは、スピードと約定力が勝負のFX取引において重要なカギを握る。

3,DMM FXとGMOクリック証券のFX口座の注意点・デメリットは?

人気のFX口座といえどもメリットばかりでなく、デメリットもある。デメリットも確認した上でFX会社を選び、口座を開設してから「使い勝手が悪かった」ということがないようにしよう。

DMM FXの2つのデメリット

初心者に最適な条件が揃ったDMM FX口座であるが、初心者だからこそ検討すべき点もある。

・デメリット1,高金利通貨ペアのトルコリラ/円を取り扱っていない

スワップポイントを目的としたFX取引は、長期投資が基本。ポジションを保有している間でも相場を常時監視する必要がないので、初心者におすすめだ。

しかし高金利通貨ペアのうち、DMM FXではトルコリラ/円を購入できない。

トルコリラ/円とメキシコペソ/円、南アフリカランドを加えた3通貨ペアの中から好条件のものを選びたい人、あるいは複数の高金利通貨ペアで効率的にスワップポイントを貯めたい人には向いていない。

選択の余地がなくても、業界最高水準のスワップポイントを受け取れる南アフリカランド/円だけで十分という人は、気にする必要はないだろう。

・デメリット2,取引単位が1万通貨単位である

最近のFX業界では、初心者は少額投資から始める流れになっている。初心者はツールの操作に不慣れであり、瞬時に投資判断を下せないことも多いため、損失を出しやすい。

損失を抑えるためには、レバレッジ倍率を低めに設定するだけでなく、取引額を抑えることも重要だ。

資金に余力がある場合は、取引単位が1万通貨単位でも、レバレッジ倍率を1倍から3倍程度に抑えて取引すれば、大きな損失を回避できるだろう。

どうしても少額資金でFXを始めたい人は、取引単位が1,000通貨以下の会社を探したほうがよいかもしれない。

GMOクリック証券の2つのデメリット

総合評価が高いGMOクリック証券FXネオ口座にも、デメリットがある。そのデメリットが自分にとって致命的なものでないかをしっかり確認してほしい。

・デメリット1,投資戦略を学ぶためのセミナーが設けられていない

ホームページではFXの基本事項が簡潔に説明されており、FXのファンダメンタル分析に必要な経済ニュースや、世界中の経済指標発表予定カレンダーも掲載されている。優れたチャート分析ツールや取引ツールも提供されている。

しかし、テクニカル分析能力を高める、チャート分析手法を学ぶ、あるいはさまざまな投資戦略を学ぶためのセミナーが用意されていない。

技術や知識を学びたい人は別の方法を探し、FXネオ口座を取引に特化した口座として利用することをおすすめしたい。

・デメリット2,取引単位は1万通貨単位なので、少額投資は難しい

DMM FXと同じく取引単位は1万通貨単位なので、初心者が少額投資をできる環境とは言い難い。

初心者であっても資金に余裕がある人は、低レバレッジを前提に、FXネオの快適な取引環境で経験を積めるだろう。

余裕資金が限られた状態でFXを始めるならば、少額取引ができるFX会社で慣れてから、FXネオで取引を始めるとよいだろう。

4,DMM FXとGMOクリック証券FXネオのスプレッド比較 それぞれ約20種類の通貨ペア

取引手数料が無料のFXでは、主なコストといえばスプレッドだ。FXで利益を出したければ、よりスプレッドの幅が狭い通貨ペアや業者を選ぶべきだろう。

DMM FXとGMOクリック証券FXネオは、スプレッドの狭さで定評がある。実際に、この2つのFX口座の取扱通貨ペアの種類やスプレッドの幅には、どのような違いがあるのだろうか。以下で、両社が公表する原則固定の通貨ペア別スプレッドを比較してみよう。

取扱通貨ペア別スプレッド比較表(2020年10月1日現在)

  DMM FX GMOクリック証券
FXネオ
米ドル/円 0.2銭 0.2銭
ユーロ/円 0.5銭 0.5銭
英ポンド/円 1.0銭 1.0銭
豪ドル/円 0.7銭 0.7銭
NZドル/円 1.2銭 1.2銭
スイスフラン/円 1.8銭 1.8銭
カナダドル/円 1.7銭 1.7銭
南アフリカランド/円 1.0銭 1.0銭
トルコリラ/円 1.7銭
メキシコペソ/円 0.3 0.3銭
ユーロ/米ドル 0.4pips 0.4pips
英ポンド/米ドル 1.0pips 1.0pips
豪ドル/米ドル 0.9pips 0.9pips
NZドル/米ドル 1.6pips 1.6pips
米ドル/スイスフラン 1.6pips 1.6pips
米ドル/カナダドル 1.8pips
ユーロ/英ポンド 1.0pips 1.0pips
ユーロ/豪ドル 1.5pips 1.5pips
ユーロ/NZドル 3.5pips
ユーロ/スイスフラン 1.8pips 1.8pips
英ポンド/豪ドル 1.6pips 1.6pips
英ポンド/スイスフラン 2.8pips 2.8pips

DMM FXとGMOクリック証券FXネオが取り扱う通貨ペアの数は、どちらも約20通貨ペア。そのうち18通貨ペアは共通であり、スプレッドの幅もまったく同じなので優劣はつけられない。

そのうち、DMMだけが取り扱っている通貨ペアは米ドル/カナダドルとユーロ/NZドルで、GMOクリック証券FXネオだけが取り扱っているのはトルコリラ/円とメキシコペソ/円だ。

DMM FXだけが取り扱う米ドル/カナダドルとユーロ/NZドルの特徴

米ドル/カナダドルとユーロ/NZドルは、いずれも通貨としての信頼性は高いが、スプレッドの幅が広い通貨ペアである。

米ドル/カナダドルは、米ドル/円以外のクロス円通貨ペア(米ドルが含まれない、円を決済通貨とした組み合わせ)よりも流通量が多いため、取引の対象としては無難だ。ただし、スプレッドの広さが利益を圧迫する可能性は否めない。

ユーロ/NZドルは、スプレッド幅が比較表に掲載されている通貨ペアの中で最も広く、世界の基軸通貨である米ドルが含まれていないため、値動きもわかりにくい。初心者にとって、利益を出すのが最も難しい通貨ペアと言えるだろう。

GMOクリック証券が取り扱うトルコリラ/円とメキシコペソ/円の特徴 トルコリラ/円とメキシコペソ/円は、高金利通貨として人気のある通貨を基軸通貨に、円を決済通貨とする通貨ペアである。メキシコペソ/円はさておき、トルコリラ/円のスプレッドは1.7銭で決して狭いスプレッドではない。

トルコとメキシコは地政学的リスクが高く、値動きが激しいため、表示されている原則固定スプレッドから大きく開く可能性が高い。

初心者にとっては難易度が高いので、短期トレードではなく、中長期の保有を前提としたスワップポイント目的の購入に向いている通貨ペアだ。

GMOクリック証券が取り扱うトルコリラ/円とメキシコペソ/円の特徴

トルコリラ/円とメキシコペソ/円は、高金利通貨として人気のある通貨を基軸通貨に、円を決済通貨とする通貨ペアである。メキシコペソ/円はさておき、トルコリラ/円のスプレッドは1.7銭で決して狭いスプレッドではない。

トルコとメキシコは地政学的リスクが高く、値動きが激しいため、表示されている原則固定スプレッドから大きく開く可能性が高い。

初心者にとっては難易度が高いので、短期トレードではなく、中長期の保有を前提としたスワップポイント目的の購入に向いている通貨ペアだ。

5,DMM FXとGMOクリック証券FXネオのスワップポイント比較 GMOクリック証券のほうが高い

FXのスワップポイントで利益を出す方法は比較的リスクが低く、中長期的に保有することで利益を積み上げられるため、FX初心者におすすめだ。この投資手法では、スワップポイントの高さはFX業者や通貨ペアを選ぶ際の必須条件になる。

DMM FXとGMOクリック証券FXネオでは、各社のホームページ上にスワップカレンダーを公表している。国内の人気通貨ペアのスワップポイント(実績)に、どれほどの違いがあるか見てみよう。

主要通貨ペア別スワップポイント比較表(2020年9月29日付与分)

通貨ペア DMM FX GMOクリック証券
FXネオ ※
買い 売り 買い 売り
米ドル/円 7 -10 6 -9
ユーロ/円 -12 9 -10 7
英ポンド/円 7 -10 7 -10
豪ドル/円 5 -8 2 -5
NZドル/円 6 -9 1 -4
トルコリラ/円 13 -16
メキシコペソ/円 40 -70
南アフリカランド/円 6 -9 60 -90
ユーロ/米ドル -21 18 -21 18
英ポンド/米ドル -8 5 -8 5
豪ドル/米ドル -4 1 -4 1
※GMOクリック証券のメキシコペソ/円と南アフリカランド/円は10万通貨単位

国内で最も人気がある米ドル/円のスワップポイントを含め、多くの通貨ペアでは、DMM FXのスワップポイントのほうが高い、もしくは同じだ。

GMOクリック証券では、高金利通貨と呼ばれる南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソを含む通貨ペアを扱っており、スワップカレンダーにも「高金利通貨ペア」と記載されている。

スワップポイント全体としては、DMM FXが若干有利、もしくは両社が拮抗している状態といえる。

6,DMM FXとGMOクリック証券FXネオの各種ツールの比較

FX取引では、取引ツールや分析ツールの操作性は投資成果を左右する要因になる。DMM FXとGMOクリック証券FXネオのツールの特徴を理解して、自分が使いやすいツールを提供している会社を選びたい。

DMM FXのツール――PC版とスマホ版、どれもシンプルで使いやすい

ツール 形態 特徴
DMMFX PLUS
(取引ツール)
PC
ダウンロード版
・画面のカスタマイズ自在
・豊富な機能を備えたハイグレードツール
・チャートから注文できる
・多彩なテクニカルチャート
DMMFX STANDARD
(取引ツール)
PC
ダウンロード版
・決済同時発注機能あり
・FIFOなど多様な注文方法を搭載
プレミアチャート
(チャート分析ツール)
取引ツール搭載 ・取引ツールのメニューから起動
・マルチチャート対応
・29種類のテクニカル指標を採用
取引通信簿
(取引結果分析ツール)
WEB
ブラウザ版
(マイページ)
・DMM FX口座における取引の
分析結果をグラフ多用でビジュアル化
スマホアプリDMM FX
(総合取引ツール)
スマホDL版 ・入出金、取引、お客様情報の確認など、
1台であらゆる操作ができる
・スピード発注機能搭載
・11種類のテクニカル指標を搭載
DMMFX for
smart phone
(総合取引ツール)
WEB
ブラウザ版
・チャート画面と注文画面の
スムーズ切り替え
・注文設定機能搭載
・クイック入金機能搭載

取引ツール、分析ツール、スマホアプリはWEBブラウザ版とダウンロード版を提供している。いずれもシンプルで直感的に使えるため、使う人を選ばない。

注文方法の選択肢が多く、豊富なテクニカル指標も特徴の一つ。機能性と見やすさ、使いやすさを重視したツールばかりなので、初めてFXにチャレンジする人でも気軽の操作できる。

GMOクリック証券FXネオのツール――洗練されたビジュアルと高機能を両立した名機

ツール 形態 特徴
はっちゅう君
FXプラス
(高機能
取引ツール)
PCリッチ
クライアント型
・パワーユーザー向けハイエンド取引ツール
・高速なレート配信速度と約定スピード
・最大注文数量が大きいExモード対応
・1クリックのスピード注文ができる
WEB取引画面 WEB
ブラウザ版
・情報がコンパクトにまとめられている
・初心者でも簡単に操作できる
プラチナ
チャートプラス
(チャート
分析ツール)
WEB
ブラウザ画面
または取引
ツールから起動
・別ウインドウで起動できる
・38種類のテクニカル指標搭載
・25種類の描画オブジェクト
・チャートウィンドウの16画面分割ができる
・チャート上から見られるニュース機能
GMOクリックFX
(スマホアプリ)
スマホDL版 ・チャートのライン上から注文できる
・スピード注文チャートを縦横自在に配置
・チャートの4画面分割ができる
・豊富な便利機能
モバトレ君
(取引ツール)
携帯電話用
WEBサイト版
・携帯電話からPC用WEB取引画面と
同様の機能を使用できる
・全商品対応
・Exモード対応

自社で開発した取引・分析ツールなので、利用者の要望が反映された使いやすさが魅力だ。

取引ツールやスマホアプリにはさまざまな機能や多彩なテクニカル指標などがあり、中上級者が必要とするあらゆる機能を備えたハイスペックツールに仕上がっている。分析ツールも、豊富なテクニカル指標と見やすさ、使いやすさを同時に実現している。

GMOクリック証券には、全商品・全サービスに対応している携帯電話専用総合取引サイトも用意されており、幅広いユーザーのあらゆる用途にも配慮している。

7,DMM FXとGMOクリック証券の追加証拠金制度とロスカット制度の比較

FXは証拠金取引であり、自己資金の25倍もの取引ができるため、顧客の損失額を限定するための仕組みが欠かせない。

以下は、両社ホームページに掲載されている追証とロスカットルールを参照して作成した比較表である。DMM FXとGMOクリック証券FXネオの共通点と相違点を、詳しく見てみよう。

追証関係内訳 DMM FX GMOクリック証券FXネオ
証拠金維持率(※1)
判定タイミング
毎営業日クローズ時点
※翌朝午前5時59分、
※土曜日朝のみ午前5時50分
毎営業日ニューヨーク
クローズ時点
追証発生水準 証拠金維持率が
100%を下回った場合
証拠金維持率が
100%を下回った場合
追証発生の
確認方法
顧客にメールで通知 顧客にアラート
メールを送信
追証発生による影響 ・新規注文と出金の停止
・未約定注文と出金予約の取消
・新規注文と振替出金の停止
・未約定注文の取消
追証解消方法※2 ・追証金額以上を入金
・ポジションの一部を決済
・追証金額以上を入金
・ポジションの一部を決済
追証解消期限 追証発生の翌営業日の
・夏時間:午前5時59分まで
・冬時間:午前4時59分まで
追証発生の翌営業日の
日本時間午前3時00分まで
強制決済時刻 追証発生の翌営業日の
・夏時間:午前6時00分
・冬時間:午前5時00分
追証解消期限後、
強制決済※3
強制決済手数料 なし 1万通貨単位当たり500円
(税込)
※1、証拠金維持率は「証拠金維持率(%)=時価評価総額÷必要証拠金×100」で算出され、為替レートに合わせてリアルタイムに変動する
※2、為替レートの変動によって証拠金維持率が100%を超えても、強制決済の対象
※3,日本時間午前3時00分以降に、順次強制決済されるため、損失額が拡大する可能性あり
※4、南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は、10万通貨単位当たり500円(税込)
ロスカット関係内訳 DMM FX GMOクリック証券FXネオ
ロスカット水準 証拠金維持率が
50%を下回った時点
証拠金維持率が
50%を下回った時点
ロスカット執行手順 1.注文証拠金の取り消し
2.①で証拠金維持率
50%を回復しなければ、
ロスカット執行
発注中の全注文を
キャンセルし、
強制的に建玉の
反対売買が執行される
ロスカット手数料 なし 1万通貨単位あたり
500円(税込)
※1,南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は、10万通貨単位あたり500円(税込)

追証あるいはロスカットに関する証拠金維持率判定のタイミングや判定水準は、DMM FXとGMOクリック証券FXネオでほぼ同じだ。

違いが見られるのは、追証解消期限とロスカット執行手順、手数料である。

違い1,追証解消期限はGMOクリック証券のほうが早い

追証解消期限は、GMOクリック証券FXネオのほうが夏時間では3時間、冬時間では2時間早く訪れる。

どちらのFX口座でも、追証発生によるアラートメールから追証解消期限まで24時間近い猶予期間が設けられている。万が一アラートメールを受信したら、追証解消期限にかかわらず、できるだけ早く対処したい。

違い2,ロスカット発動の執行手順はGMOのほうが安全

ロスカットが発動された場合の執行手順にも、若干の違いがある。

DMM FXではまず未約定注文をキャンセルして、証拠金維持率の回復状況を確認し、それでも証拠金維持率50%を回復できない場合は反対売買を執行する。

それに対して、GMOクリック証券ではロスカットラインを割り込んだら、未約定注文のキャンセルと併せて反対売買を執行する。

GMOクリック証券では、追証が解消されなかった際の強制決済手数料と、ロスカットによる反対売買手数料が必要になることも、DMM FXとの大きな違いである。

このように、FXでは追証やロスカットを厳格に制度化することで、顧客の資産の損失拡大を防いでいる。しかしながら、相場の急変時はロスカット発動が間に合わず、証拠金を上回る損失が出るおそれがあることは忘れてはならない。

大切なのは、DMM FXとGMOクリック証券のどちらを選んだとしても、追証やロスカット制度を頼るのではなく、自分自身で確実にロスカットを行う習慣を身に付けることだ。

8,DMM FXは低コストを追求、GMOクリック証券は高金利通貨ペアで高スワップ

DMM FXとGMOクリック証券FXネオは、FX口座としてのスペックが似通っている。そのため、どちらを選ぶべきか迷う人も多いだろうが、2つのFX口座の違いから、それぞれの志向性が見えてくるはずだ。

徹底的に手数料を抑えて顧客の利益を最大化するDMM FX。高金利通貨で高いスワップポイントを提供し、より厳格なロスカットで顧客資産の損失を最小限に食い止めるGMOクリック証券。

どちらを選ぶかは、FX取引を実際に行う投資家の投資スタイル次第だ。

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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