マネックス証券はSBI証券、楽天証券、松井証券と並び、4大ネット証券にも数えられる証券会社。これからつみたてNISAを始めたいと思っている人にとって、どのようなメリットがあるのだろうか?銘柄ランキングやデメリットを含め、解説していこう。

1.マネックス証券のつみたてNISAの基本情報

マネックス,つみたてnisa,メリット,デメリット
(画像=マネックス証券公式サイトより)

つみたてNISAを利用するためには、証券会社や銀行などの金融機関にNISA口座の開設が必要である。銘柄数や積立頻度など、まずはここでは大手ネット証券の1社であるマネックス証券でのつみたてNISA口座の基本情報をみていこう。

マネックス証券のつみたてNISA口座基本情報
取扱商品数 151本
安定型 積極運用型
130本 21本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月、毎日
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 マネックスポイント
投資信託の月末保有残高に応じて付与
・0.03%
・除外銘柄あり
その他 「MONEX VISION」など資産管理ツールが充実
(※マネックス証券ホームページを元に筆者作成)

マネックス証券は高機能アプリやツール、充実の投資情報、豊富な海外投資商品などで評価が高いネット証券会社。つみたてNISA口座をマネックス証券で開設するメリットやデメリットを見ていこう。

2.マネックス証券のつみたてNISAの4つのメリットは?マネックスポイントなど

つみたてNISAを利用する金融機関を選ぶには、まずはそれぞれの金融機関のメリットを把握しておきたい。マネックス証券でつみたてNISAを利用するメリットは主に4つある。

メリット1,月100円からの少額の積立投資ができる

銀行や対面証券であると1,000円というところが多い。一方でSBI証券や楽天証券などネット証券では100円からというところが多く、マネックス証券のつみたてNISAも月100円からの少額積立が可能。

投資初心者なら少額から投資をスタートするのがおすすめだ。仮に投資を失敗しても少額の投資であれば、損失額が少額に限定されるからだ。

メリット2,投資信託151本の充実のラインアップ

マネックス証券のつみたてNISA対象商品は150本以上である。2020年9月15日時点のつみたてNISA全体の商品数は投資信託が176本、ETFが7本であり、そのうち8割を超える商品をマネックス証券のつみたてNISAで取引が可能だ。

多くの銘柄がラインアップしているということは、それだけ分散投資もしやすいということ。分散・少額・長期での資産形成を目的としたつみたてNISAとの相性がそれだけよいということになる。

メリット3,資産設計アドバイスツール「MONEX VISION」が利用可能

マネックス証券にはさまざまなアドバイスツールが用意されている。

・MONEX VIEWβ……資産の状況を月次・日次グラフで商品や資産クラス別に表示してくれる
・MONEX VISION……資産状況だけでなく、将来のリターンや追加購入提案などをしてくれる
・Monex Adviser……金融工学理論や専門家のサポートが受けられる
・俺の投資力診断……このツールの他のユーザーとのパフォーマンス比較ができる

と主に4種類用意されている。特に初心者がつみたてNISAを行う際には「MONEX VISION」が資産形成の助けとなってくれるだろう。

メリット4,銀行などからの定期自動入金の手数料が無料

マネックス証券の口座への指定の銀行などからの引き落としや定期自動入金は手数料無料で利用できる。定期自動入金とは、指定した金融機関から毎月1回指定した金額を引き落としてマネックス証券の口座に自動入金するサービス。

積立投資している人や給料日などに定期的に入金している人は定期自動入金を一度設定すれば、定期的に入金する手間を省ける。

メリット5,投資信託を保有しているだけでポイントが貯まる

マネックス証券で口座を解説した場合、投資信託を持っているだけでマネックスポイントが貯まる。つみたてNISAで保有する投資信託もマネックスポイント付与の対象だ。2020年9月25日時点のつみたてNISA対象商品では、SBIアセットマネジメントの投資信託4銘柄がポイント付与の対象外であるが、それ以外の150近い銘柄はポイント付与の対象。

ポイント付与率は0.08%または0.03%。信託報酬の低いインデックス・ファンドの場合は付与率0.03%であることが多い。

ポイント制度を採用しているネット証券は多いが、松井証券やauカブコム証券の場合、つたみてNISAでの取引だとポイントが付与れないことがほとんどのため、これは大きなメリットといってよいだろう。

マネックスポイントは株式手数料や仮想通貨、dポイントなどの他社の主要ポイントや、ANAマイル、amazonギフト券に交換することが可能だ。

3.マネックス証券のつみたてNISAで人気の投資信託銘柄ランキングTOP10

つみたてNISA対象の投資信託銘柄が150本以上もあると、どれを選ぶかまよってしまう人もいるだろう。そのようなときは、他の人がどのファンドを購入しているかが参考になるはずだ。

マネックス証券でのつみたてNISA月間積立契約件数ランキングを確認してみよう。

順位 ファンド名 資産クラス 運用タイプ 信託報酬
(税込)
1位 eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
先進国株式 インデックス型 0.0968%
以内
2位 ひふみプラス 国内外株式 アクティブ型 1.078%
以内
3位 eMAXIS Slim
先進国株式インデックス
先進国株式 インデックス型 0.10230%
以内
4位 <購入・換金手数料なし>
ニッセイ外国株式
インデックスファンド
先進国株式 インデックス型 0.1023%
以内
5位 eMAXIS Slim バランス
(8資産均等型)
資産複合 インデックス型 0.154%
以内
6位 楽天・全米株式
インデックス・ファンド
先進国株式 インデックス型 0.162%
程度
7位 eMAXIS Slim
新興国株式インデックス
新興国株式 インデックス型 0.187%
以内
8位 楽天・全世界株式
インデックス・ファンド
全世界株式 インデックス型 0.212%
程度
9位 eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
全世界株式 インデックス型 0.1144%
以内
10位 eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
全世界株式
(除く日本)
インデックス型 0.1144%
以内
(※マネックス証券ホームページを元に筆者作成)
※2020年8月1日〜8月31日の情報

マネックス証券のつみたてNISA月間積立契約件数ランキングTOP10は、9銘柄がインデックス型。これはマネックス証券に限らず、つみたてNISAの対象商品の多くはインデックス型のため、通常はランキングもインデックス型が多くなる傾向がある。

資産クラス別では先進国株式が4銘柄と最多であり、成長を続ける米国株式市場を中心とした先進国株式のインデックス・ファンドの人気の高さがうかがえる。

その他の資産クラスでは全世界株式が3銘柄ランクイン。全世界株式は先進国株式に新興国株式を加えた資産クラスであり、幅広い国・地域の株式へ分散投資できるメリットがある。

その他の資産クラスでは8資産へ投資するバランス・ファンドと新興国株式のインデックス・ファンドが1銘柄ずつ登場した。

アクティブ型は国内外株式へ投資する投資信託が2位に入った。

4.マネックス証券のつみたてNISAで初心者におすすめの投資信託4選

ランキングを見てきたところで、ここからはマネックス証券のつみたてNISAで初心者におすすめの投資信託を紹介しよう。主に月間積立契約件数ランキングTOP10(2020年8月)から「安定重視」と「利益重視」に分けてピックアップする。

おすすめ1,eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は8つの資産に均等(12.5%ずつ)に投資するバランス・ファンドだ。対象の資産は国内・先進国・新興国の株式と債券の6資産に国内・先進国REITの2資産を加えている。

投資する資産が多いため分散投資の効果が高くなり、株式のみに投資するファンドより安定した運用を期待できる。信託報酬はバランス・ファンドとして最低レベルの0.154%以内(税込)であり、長期投資に適している。

おすすめ2,<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)

<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)は国内・先進国の株式と債券の4資産に均等に投資する商品である。

信託報酬はeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と同じ0.154%以内(税込)だ。売れ筋ランキング上位銘柄ではないが、純資産総額は増加傾向であり、安定した人気があるといえる。

おすすめ3,利益重視の投資信託1……eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は今回のランキング1位の銘柄。S&P500指数は数十年にわたり長期で上昇し続けている米国の代表的な株価指数で、このファンドでは米国の代表的な約500社へ分散投資する。組み入れ銘柄には世界をリードする企業が多く含まれる。

信託報酬は約0.1%と最低水準だ。非常に人気が高いファンドのため、運用開始から2年強で純資産総額は1,500億円程度(2020年8月31日時点)まで増加している。

おすすめ4,eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は今回のランキング9位の銘柄だ。先進国(日本を含む)と新興国の株式に投資するファンドである。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」第1位に選ばれている。

資産に組み入れられる株式の対象国は約50ヵ国であり、さまざまな国の株式への分散投資になる。信託報酬は約0.11%と最低に近い水準だ。

5.マネックス証券でつみたてNISAを始める場合の3つの注意点・デメリット

実際に口座開設をする際は、メリットだけでなくデメリットや注意点もしっかりと把握したい。

注意点・デメリット1,積立頻度の選択肢がSBI証券に比べて少ない

マネックス証券のつみたてNISAの積立頻度は毎月または毎日である。毎週の積立には対応していない。

2020年10月3日現在、主要証券会社で毎週つみたてに対応しているのはSBI証券のみである。他の証券会社と変わらないと考えることもできるが、自分のキャッシュフローの流れ、ドルコスト平均法の観点からいうと、積立頻度はなるべく多く設定できたほうがよい。

注意点・デメリット2,年の途中からだと上限枠を使い切りづらい

マネックス証券のつみたてNISAの毎月の積立金額の上限は33,000円である。年の途中から積立を開始する場合はつみたてNISA枠(年40万円)を使い切れない。

しかし年に2回設定できるボーナス月(増額月)設定を利用して、ボーナス月の積立金額を増やすことでつみたてNISA枠を使い切ることが可能だ。余ってしまった端数は、「NISA非課税投資枠使い切り設定」をすることで、ぎりぎりまで利用することもできる。

なお、積立頻度を毎日にした場合にはボーナス月を利用できない点も気を付けたい。

注意点・デメリット3つみたてNISA枠をオーバーする分配金再投資は分配金受取になる

つみたてNISAで分配金再投資コースを選択している場合、分配金再投資の金額がつみたてNISA枠(年40万円)を超えると分配金は再投資されずに受取になる。金融機関によっては、つみたてNISA枠を超えると課税口座へ再投資されるところがあるが、マネックス証券ではつみたてNISAの分配金は課税口座へ再投資される。

受取後にその金額を投資に回せばよいのだが、やや手間がかかる。

6.マネックス証券のつみたてNISAはどんな人におすすめ?

つみたてNISA銘柄の買付でもポイントが貯まるのがマネックス証券の大きな特徴だ。少額で投資を始めながら、こつこつポイントも貯めていきたいという人にはぴったりだろう。

また「MONEX VISION」で細かなアドバイスがもらえるため、「自分でいろいろ調べてポートフォリオを構成するのは手間……」という人や、「俺の投資力診断」で他の人の状況と見比べながら、着実な運用をしたいという人は、ぜひともつみたてNISAの口座を開設する際に、マネックス証券を検討してみてもらいたい。

執筆・松本雄一(セキュリティ・金融アドバイザー)
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

MONEY TIMES

【関連記事 MONEY TIMES】
つみたてNISA(積立NISA)の口座はどこで開設する?SBI、楽天などを比較
つみたてNISA(積立NISA)口座を開設するおすすめの金融機関は?
つみたてNISA(積立NISA)の銘柄で最強な投資信託はどれ?
つみたて(積立)NISAの商品の選び方と失敗しない変更方法
ネット証券おすすめランキング