日々目まぐるしく変化するビジネスの世界で、成功・成長している企業はどのような仕事をしているのか。本記事では、インターネット上のコミュニケーションのモニタリングやサポートで事業を拡大している企業を取り上げる(取材・構成:杉山直隆)。

※本稿は『THE21』2020年8月号より、一部を抜粋編集したものです。

SNSの投稿を24時間、システムと人でモニター

アディッシュ,江戸浩樹
(画像=THE21オンライン)

ツイッターやインスタグラムなどの企業アカウントの炎上、掲示板や口コミサイトに投稿される誹謗中傷、フリマアプリやマッチングアプリなどのユーザー間で行なわれる違法なやり取り……。

SNSやコミュニティサイトを運営する中で、企業は様々なトラブルに見舞われるようになりました。対応を間違えれば、イメージダウンだけでなく、自社サービスが犯罪の温床になることもあります。

そうしたネット上のつながりから生じる課題を解決するサービスを手がけているのが、当社です。サービスの大きな柱は二つあります。

一つはインターネットモニタリング。クライアントが運営するSNSやコミュニティサイトの投稿を24時間365日モニタリングし、外部の掲示板もパトロール。

リスクのある書き込みを見つけたら、被害を最小限に食い止める対策を打ちます。独自のモニタリングシステムで自動的に探し出したうえで、人間が実際に確認して、適切な判断をしています。

フィリピンのマカティに多言語センターを設置しており、グローバルなモニタリングにも対応しています。要望によっては、オウンドメディアの記事チェックや、オンライン決済の不正チェックなども行なっています。

「スクールガーディアン」という、学校向けのサービスも展開しています。学校非公式サイトやSNSなどをパトロールし、ネットいじめなどが疑われる投稿を見つけ出すものです。

もう一つの柱は、ソーシャルアプリサポート。これは、ゲームアプリのような、SNS上で動作するソーシャルアプリのカスタマーサポートを代行するサービスです。

インターネットモニタリングで、ユーザーへの対応の仕方についての知見が蓄積されていましたから、それを応用して始めました。現在は、フィンテックやフリマなどのスマホアプリのカスタマーサポートも引き受けています。

他にも、SNSの公式アカウントの運営を一部お手伝いする「フロントサポート」や、ユーザーの問い合わせに自動応答するチャットボットなどのサービスも展開しています。

クライアントは、グリーやモバイルファクトリーのようなITベンチャーから、阪急交通社、QVCジャパン、兵庫県教育委員会まで、多種多様な企業や自治体に広がっています。