マネーパートナーズは、FXや株式など取り扱う会社である。FX業者は数多くあるが、マネーパートナーズを選ぶメリットはどこにあるのか、またどんな人に向いているのかを具体的に解説する。利用する上での注意点もあるので、併せて押さえておこう。

1,マネーパートナーズの特徴は?

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(画像=マネーパートナーズ公式ホームページ)

まずは、マネーパートナーズの特徴や基本情報を整理しておこう。

業界トップクラスの約定力で安全性や情報量も優れている

マネーパートナーズの最大の魅力は、業界屈指の約定力の強さだ。

FXの注文は、出せばそのまま通るとは限らない。希望と異なる価格で約定してしまうこともある。注文を出したのに、注文が成立しないことを約定拒否という。また、注文時と違う不利な価格で成立させられることを「スリッページ」や「すべり」と呼ぶ。マネーパートナーズは注文の通りやすさに優れ、約定拒否やスリッページが発生しにくい。

スキャルピングやデイトレードなど、比較的小さな利益を積み重ねていく手法なら、約定力は特に重要。その場合、マネーパートナーズのFX口座は心強いはずだ。

マネーパートナーズの公式サイトでは、経済指標カレンダー・政策動向・売買比率といった、FX取引で重要な情報を簡単にチェックすることができる。特に米国雇用統計の発表など、重要度が高いとされるイベントの前後は、レートが短期的に乱高下する傾向がある。それに巻き込まれないためにも、カレンダーをチェックしておくことは不可欠だ。

また、マネーパートナーズには100%信託保全の制度もあり、万が一マネーパートナーズが経営破たんとなっても、預けた財産は返還されるので安心してトレードできる。

マネーパートナーズの基本情報

マネーパートナーズの会社情報とFXサービスの取引ルールは、以下のとおりだ。

・マネーパートナーズのサービス基本情報一覧(2020年10月5日現在)

会社情報 会社名 株式会社マネーパートナーズ
設立 2008年5月
資本金 31億円
(2020年3月31日現在)
自己資本規制比率 409.7%
(2020年6月末)
口座開設数 34万840口座
(2020年8月末現在)
信託保全 100%信託財産保全
口座 口座開設手数料 無料
口座管理手数料 無料
入出金
・振替
入金方法 日本円
クイック入金手数料
(即時入金)
無料(会社負担)
出金日数 ・日本円:前営業日13:00~当日12:59に
出金指示をすると翌営業日午前中、
当日13:00以降の場合は翌々営業日午前中
・外貨:前営業日13:00~当日12:59に
出金指示をすると3営業日後の午前中、
当日13:00以降の場合は4営業日後の午前中
出金手数料 ・日本円:1~5回まで無料、
6回目以降は440円/件
・外貨:毎回2,500円、
1回で2万通貨以上の場合は無料
クイック入出金
提携金融機関数
8行
ツール
・サービス
PC版取引ツール クイック発注ボード
HyperSpeed NEXT
スマートフォン版
取引ツール
HyperSpeed Touch
HyperSpeed Touch nano
取引 通貨ペアの種類 24通貨ペア
最低取引単位 100通貨単位
取引上限 パートナーズFX:通貨ペアにより変動
パートナーズFX nano:100万通貨
レバレッジ倍率 最大25倍
取引手数料 無料
注文方法の種類 成行、全決済、一括決済、
指値、逆指値、IF-DONE、
OCO、IF-OCO、連続予約、トレール、時限成立
スリッページ 0%(11年連続)
ロスカット
アラーム機能
純資産評価額が建玉必要証拠金の100%および
70%を下回るとメールで通知
追加証拠金
解消期限
追証発生日の当該営業日18時まで
ロスカット
発動水準
証拠金維持率40%以下
利益と課税 申告分離課税(20.315%)
サポート体制 ・24時間チャットサービス
・電話での問い合わせ:平日の9時~17時
※マネーパートナーズの公式サイトを基に筆者作成

2,マネーパートナーズのスプレットやスワップポイントは?

FX証券会社を選ぶ際、スプレッドやスワップポイントは特に注目したいところ。マネーパートナーズでは、どのように設定されているのだろうか。

マネーパートナーズのスプレッド……業界最狭水準

主要通貨ペア別のスプレッドを、DMM FX・GMOクリック証券FXネオと比較した。

・主要通貨ペア別スプレッド一覧表

  マネー
パートナーズFX
DMM FX GMOクリック
証券FXネオ
米ドル/円 0.3銭 0.2銭 0.2銭
ユーロ/円 0.4銭 0.5銭 0.5銭
豪ドル/円 0.6銭 0.7銭 0.7銭
ユーロ/米ドル 0.3pips 0.4pips 0.4pips
ポンド/円 0.9銭 1.0銭 1.0銭
メキシコペソ/円 0.3銭 0.3銭
ニュージーランドドル/円 1.2銭 1.2銭 1.2銭
南アフリカランド/円 1.0銭 0.8銭 1.0銭
スイスフラン/円 3.8銭 1.6銭
カナダドル/円 3.8銭 1.5銭 1.7銭
香港ドル/円 2.8銭
シンガポールドル/円 3.5銭
トルコリラ/円 1.9銭 1.7銭
ポンド/米ドル 0.8pips 1.0pips 1.0pips
豪ドル/米ドル 0.9pips 0.9pips 0.9pips
ユーロ/豪ドル 2.3pips 1.5pips 1.5pips
ユーロ/ポンド 2.0pips 1.0pips 1.0pips
豪ドル/ニュージーランドドル 6.0pips
ポンド/豪ドル 4.9pips 1.6pips 1.6pips
ニュージーランドドル/米ドル 2.0pips 1.6pips 1.6pips
米ドル/カナダドル 3.0pips 1.8pips
米ドル/南アフリカランド 20.0pips
米ドル/トルコリラ 12.9pips
米ドル/メキシコペソ 20.0pips
※各社の公式サイトを基に筆者作成(2020年10月)

DMM FX、GMOクリック証券FXネオと比較しても、マネーパートナーズFXのスプレッドはほぼ互角で安い水準であることがわかる。

主要取扱通貨ペア別のスワップポイント

次に、スワップポイントについて同じくDMM FXとGMOクリック証券FXネオで比較した。

・取引通貨別スワップポイント一覧

  マネー
パートナーズFX
DMM FX GMOクリック証券
FXネオ
 
米ドル/円 1 -36 7 -10 8 -11
ユーロ/円 1 3 -10 7 10 -13
豪ドル/円 1 6 -9 5 -8
ユーロ/米ドル 1 0.07 -22 19 -23 20
ポンド/円 2 2 7 -10 5 -8
メキシコペソ/円 1 -21 40 -70

※2020年10月5日の発生実績
※各社の公式サイトを基に筆者作成

マネーパートナーズのスワップポイントは、DMM FXやGMOクリック証券のFXネオに比べてやや低い傾向が見られる。米ドル/円や豪ドル/円といった人気通貨ペアの買いスワップが低いので、注意が必要だ。

3,マネーパートナーズの4つのメリット

「FX業者は、どれも同じでは?」と思う人もいるかもしれないが、実際はサービスの提供内容に違いがあり、メリットも異なる。ではマネーパートナーズのFX口座には、どのようなメリットがあるのだろうか?

メリット1,注文の約定力が高い

前述のとおり、マネーパートナーズは「約定拒否ゼロのFX」を目指し、高い約定力を実現している。FXサービスのパフォーマンステストにおいて、11年連続で約定率No.1という実績もある。

矢野経済研究所の「FXサービスパフォーマンステスト2019」の調査で、スリッページ発生率0%、約定拒否発生率0%を達成したのはマネーパートナーズだけだった。「すべり」が発生しにくいFXを選びたいなら、マネーパートナーズは有力な選択肢になるだろう。

メリット2,パートナーズFX nanoで少額投資もできる

FX初心者がFX会社を選ぶ際は、少額投資がしやすいかどうかも重要なポイントになる。FXの取引単位は通常1万通貨なので、それよりも少ない取引単位でトレードができるかどうかが判断基準になる。

マネーパートナーズは、「パートナーズFX」と「パートナーズFX nano」という2つのサービスを展開している。パートナーズFXは取引単位が1万通貨単位からで、パートナーズFX nanoは100通貨からだ。パートナーズFX nanoならば証拠金が少額で済み、米ドル/円やユーロドル/円なら400~500円、南アフリカランドなら100円ほどでFX取引ができる。

簡単に両サービスの違いを比較しておこう。

  パートナーズFX パートナーズFX nano
最低取引単位 1万通貨 100通貨
1回の
最大発注数量
300万通貨
(EUR/JPY、AUD/JPY)
200万通貨
(上記以外の通貨ペア)
100万通貨
最低必要額 4,000円~ 100円~
必要証拠金
(ドル/円)
1ドル95円超
100円以下の場合
4万円 400円
通貨ペア 24通貨ペア 18通貨ペア
1日あたりの
取引数量上限(新規)
なし 4,000万通貨まで
ロスカット 証拠金維持率40% 証拠金維持率100%
追加証拠金制度 あり
(証拠金維持率100%)
なし
PC取引チャネル クイック発注ボード
HyperSpeed NEXT
クイック発注ボード
スマートフォン
取引チャネル
HyperSpeed Touch
クイック発注ボード
HyperSpeed Touch nano
クイック発注ボード
代用有価証券 利用可 利用不可
外貨証拠金 利用可 利用不可
※マネーパートナーズ公式サイトを基に筆者作成

パートナーズFX nanoのスワップポイントは、パートナーズFXの100分の1だ。スプレッドに関しては、パートナーズFX nanoのほうがやや広い。

  パートナーズFX パートナーズFX nano
米ドル/円 0.3銭 0.4銭
ユーロ/円 0.4銭 0.7銭
豪ドル/円 0.6銭 0.9銭
ユーロ/米ドル 0.3pips 0.8pips
ポンド/円 0.9銭 1.2銭
メキシコペソ/円 0.3銭 1.0銭 ※1
ニュージーランドドル/円 1.2銭 1.8銭
南アフリカランド/円 1.0銭 1.9銭
スイスフラン/円 3.8銭 2.4銭
カナダドル/円 3.8銭 2.4銭
トルコリラ/円 1.9銭
ポンド/米ドル 0.8pips 4.9pips
豪ドル/米ドル 0.9pips 1.4pips
ユーロ/豪ドル 2.3pips 2.3pips
ユーロ/ポンド 2.0pips 2.0pips
豪ドル/ニュージーランドドル 6.0pips 6.0pips
ポンド/豪ドル 4.9pips 4.9pips
ニュージーランドドル/米ドル 2.0pips 2.0pips
※1,コアタイムは各営業日における10:00~29:00の時間帯
※各社の公式サイトを基に筆者作成

メリット3,証券を証拠金として利用できる

パートナーズFXはFX以外に証券取引も扱っており、買い付けた株式や他社から移管した株式をFXの証拠金として利用できる。FXの証拠金として利用しているときも、配当や議決権などの権利は維持され、売却も自由にできる。

FXの証拠金として利用できるのは、株式の評価額(前営業日終値で計算)の70%相当で、「代用有価証券サービス」を利用することになる。このサービスが利用できるのはパートナーズFXだけとなっているので、注意してほしい。

メリット4,使いやすい高性能な取引ツールが利用できる

マネーパートナーズで利用できる取引ツールのうち、最も高性能なのは「Hyper Speed NEXT」だ。その名のとおりスピードを意識し、取引完了までの時間短縮や直感的な操作などに重点を置いている。

売買ルールを自由に構築できるストラテジー機能もあり、23種類のテクニカル指標を組み合わせて、自分なりの戦略を組み立てることもできる。

その他にも、過去の値動きを利用したバックテスト・検証、売買シグナルの表示・ポップアップなど、多くの機能を搭載している。

なお「Hyper Speed NEXT」を利用できるのは、パートナーズFXのみ。パートナーズFX nanoで少額投資の練習を積んだら、パートナーズFXに移行して利用しほしい。

4,マネーパートナーズの3つのデメリット・注意点

マネーパートナーズでFX口座の開設を考えているなら、以下のデメリットに気をつけてほしい。

デメリット・注意点1,スワップポイントがやや低い

前述のとおり、スワップポイントについては他社よりやや低い傾向が見られる。米ドル/円やユーロ/米ドルといった主要な通貨ペアでも、低い水準であることに注意したい。

特にスワップポイントは長期保有のトレードにおいて重要な要素なので、長期トレードをしたい人は他社も検討すべきだろう。

デメリット・注意点2,デモトレードがない

デモトレードとは、実際に入金しなくてもFXトレードを体験できる機能のこと。基本的には、初心者向けのFX体験機能として用意されている。

パートナーズFX、パートナーズFX nanoともに、デモトレード機能はない。

とはいえ、デモトレードでは実際にお金を失うことがないので、緊張感に欠けるというデメリットもある。デモトレードで練習できないことが心配な人は、少額で取引できるパートナーズFX nanoで100通貨単位の取引から始めてみるとよいだろう。少額とはいえお金を投資しているので、デモトレード以上に有意義な経験を積むことができるはずだ。

デメリット・注意点3,24時間サポートではない

マネーパートナーズでは、チャットや電話によるお客様サポートを提供している。しかし受付時間は平日の9:00~17:00のみであり、24時間体制ではない。

他社ではほぼ24時間体制で受け付けているところもあるので、サポートがやや手薄であることは否めない。夕方や深夜などの受付時間外は、取引しながら問い合わせをすることができないので注意しよう。

5,マネーパートナーズはどんな人におすすめ?

マネーパートナーズは、約定力の高さや取引ツールの操作のしやすさ、ストラテジー機能などが強みだ。自分が思い描いた戦略に沿ったトレードをしたい人に向いているといえるだろう。またスプレッドはやや広めではあるが、少額投資ができるため、パートナーズFX nanoは初心者にもおすすめだ。

最初はパートナーズFX nanoで始めて経験を積み、本格的に取引したくなったらパートナーズFXを利用するとよいだろう。

監修者・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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