2020年3月14日に暫定開業したJR高輪ゲートウェイ駅。半年過ぎましたが、この駅を含む品川・高輪一帯で進む再開発事業に合わせ、2024年度を正式開業としています。いったいどんな駅なのでしょうか。

山手線では49年ぶりの新駅

JR高輪ゲートウェイ駅,魅力
(画像=naka/stock.adobe.com)

JR山手線・京浜東北線の田町~品川駅間に開業した高輪ゲートウェイ駅。約400m離れた場所に都営地下鉄浅草線・京浜急行の泉岳寺駅があり、羽田空港へのアクセスも良好となっています。

この泉岳寺駅付近には「高縄大木戸」(江戸時代、玄関口として大きな木の門が設置されていた)の跡地があり、今後も東京と世界をつなぐ玄関口を目指すという意味を込め、駅名にゲートウェイという言葉が使われたとされています。また、駅を含む再開発エリアは「グローバルゲートウェイ品川」と名付けられており、関連させたようにも考えられます。

JR高輪ゲートウェイ駅,魅力
(出典:TRAICY)

設計は新国立競技場を設計したことでも知られる隈研吾氏が手掛け、斬新なデザインと環境に配慮した駅舎になっています。

1階:ホーム
2階:イベントスペース、店舗、駅施設(改札)
3階:店舗、駅施設

構内は日本の駅としては珍しい吹き抜け構造で、大きなガラス面を設けることにより駅と街が一体的に感じられる空間を実現しています。全長110mにわたる大屋根は折り紙をモチーフとし、天井を見上げると障子のように外光をやわらかに拡散しています。さらに駅舎の和のテイストと調和させたいという隈氏の意向により、高輪ゲートウェイ駅の駅名標には明朝体が使用されています。

高輪ゲートウェイ駅では環境配慮への取り組みとして「省エネ」・「創エネ」・「エコ実感」・「環境調和」を4つの柱とし、環境保全技術を駅に導入する「エコステ」を実施しています。日射の熱反射率が高い膜材を屋根に採用することで内部の温度上昇を抑制、さらに光透過を活用し日中の照明電力量を削減しています。その他、太陽光パネルや小型風力発電機の積極的な利用、緑化空間や壁面緑化パネルを設置することで自然との調和も考えられています。

駅内には様々な最新テクノロジーが用いられている

JR高輪ゲートウェイ駅,魅力
(出典:TRAICY)

1 AIを活用した無人決済店舗「TOUCH TO GO」
店舗内に設置したカメラやセンサーが利用客の手に取った商品をリアルタイムに認識し、決済エリアに立つとタッチパネルに商品と購入金額が表示される仕組み。レジ業務にあたる店員が不要となる次世代の売店。

2 サービスロボット・AIサイネージによるサービスの提供
AIを活用した案内ロボットやデジタルサイネージ(電子看板)を試行導入。AIサイネージは利用者の音声を認識し、駅構内や周辺のイベント情報、乗換等を日本語、英語、中国語、韓国語等で案内する。他にも自律移動型の警備ロボットや清掃ロボットが導入されている。

3 タッチしやすい新型自動改札機の導入
従来の改札機と異なり、タッチ部分がゲート脇に斜めに設置されている。車いすを使用している人でも容易に通過できる。

4 スターバックス×「STATION BOOTH(ブース型シェアオフィス)」
スターバックス内にJR東日本が展開するブース型シェアオフィスを設置。完全個室のハイセキュリティな空間で、電源・USB・モニタ・アロマ等が完備されている。

進む再開発事業「グローバルゲートウェイ品川」

高輪ゲートウェイ駅の正式開業は、「グローバルゲートウェイ品川」のまちびらきに合わせた2024年度の予定です。駅2・3階の品川寄りは未完成で、2024年度の開業に向けて整備が進められています。グローバルゲートウェイ品川とは、高輪ゲートウェイ駅を含む港区港南・芝浦・高輪・三田の再開発事業のことで、開発用地の面積はなんと13.9ヘクタール。六本木ヒルズエリアが約9.3ヘクタール、虎ノ門・麻布台地区再開発が約8ヘクタールですから、大規模であることが分かります。高輪ゲートウェイ駅の正式開業に合わせて、駅前に超高層ビル群が誕生する予定です。

「ゲートウェイ」の名の通り、高輪ゲートウェイ駅が世界と日本をつなぐ玄関口として発展していくことに期待しましょう。(提供:YANUSY

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