投資銀行大手のJPモルガンが、ビットコインが金(ゴールド)の代替通貨として競争力があるとし、長期的にはかなりの上昇可能性があると評価した。

JPモルガンは過去、ブロックチェーンは評価する一方、ビットコインには否定的なスタンスを取っていた。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

BUSINESS INSIDERによると、ビットコインが2020年に急上昇したことにより、暗号資産(仮想通貨)がより良い「代替通貨」として金と競合するようになり、この傾向は継続される可能性があるとJPモルガンは述べたとのこと。

ビットコインは今年に入り70%以上の上昇を見せているが、先週21日に大手決済プロバイダーのPayPalが暗号資産業界に参入したことで、さらに高いレベルで評価できるとしたようだ。

直近でもSquare社やMicroStrategy社、SRHG社など多くの企業が長期的な資産としてビットコインを大口で購入している。

しかしJPモルガンは、ビットコインの資産クラスはまだ比較的小さく、多くの場合ミレニアル世代の投資家によって支持されていると指摘。さらに同行はビットコインと金の市場を比較し、金の現物市場は約2.6兆ドル(約272兆円)の価値があるが、ビットコインの時価総額はその約10分の1に留まっていると述べ、金と肩を並べるには時間を要するとの見方を示した。

一方で、長期的に見ると金へ投資した資金がビットコインに流入する可能性があるとし、そうなると価格は2、3倍に上昇することを意味するだろうとJPモルガンは述べている。

またビットコインは、金と違い「価値の保存」だけが価格上昇要因につながるだけでなく、支払い手段としての有用性が認められた場合でも価値が上昇する可能性があるとしている。

現在多くの中央銀行が、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)へ関心を寄せており、将来的にデジタル通貨による支払い手法が積極的に取り入れられる可能性が非常に高まっている。

同様に、暗号資産での決済を受け入れる流れが進めば、ビットコインの価値はさらに高まる可能性があるだろう。

JPモルガンはレポートで、「ミレニアル世代が今後投資家の重要な構成要素になることを鑑みると、ビットコインが長期的な上昇を見せる可能性は相当なものになるのではないか」と結論づけている。

記事執筆時点で、ビットコインは136万円台を推移している。25日には年初来高値をさらに更新する139万5,000円台に乗せており、昨年6月以来となる140万円を射程に入れている。

ドルベースで見た際には昨年上抜けに失敗した1万3,000ドルをキープしている状態で、今後1万3,500ドルの突破に向けこの価格帯をどのように推移していくかが焦点となってくるだろう。(提供:月刊暗号資産