マネースクエアは2018年にマネースクウェア・ジャパン(M2J)から社名変更したFX会社で、自動売買の草分け的な存在だ。マネースクエアでFX口座を開設すると、どんなメリットやデメリットがあるのだろうか?これからFXを始めたいという人のために、基本情報を含めてわかりやすく解説していこう。

1,マネースクエアの特徴は?基本情報を紹介

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(画像=マネースクエア公式ホームページより)

マネースクエアは独自の自動売買注文方式「トラリピ(トラップリピートイフダン)」を使えるのが最大の特徴で、14種類のうち12種類の通貨ペアが1,000通貨単位で取引できるのもうれしい。

マネースクエアの基本情報 

まずは基本情報を見てみよう。

会社情報 会社名 株式会社マネースクエア
FX商品名 マネースクエアFX
設立 2014年5月20日
資本金 17億円(2020年3月31日現在)
自己資本規制比率 389.6% (2020年6月末現在)
口座開設数 13万4,335口座(2019年3月時点)
信託保全 三井住友銀行 顧客区分管理信託
口座 口座開設費 無料
口座維持費 無料
入出金・振替 入金方法 クイック入金、振込入金(銀行窓口・
ATM・インターネットバンキング)
クイック入金手数料
(即時入金)
無料
出金日数 依頼日の2営業日後の出金
出金手数料 無料
クイック入出金
提携金融機関数
10行
ツール PC版取引ツール Windows、Mac
スマートフォン版
取引ツール
iPhone/Androidアプリ
取引 通貨ペアの種類 14通貨ペア
最低取引単位 1,000通貨単位
南アランド/円、
メキシコペソ/円は1万通貨単位
注文1回当たりの
取引上限
200万通貨
取引手数料 無料
ロスカット手数料 無料
証拠金率 個人:一律4%(25倍)
法人:一般社団法人
金融先物取引業協会が
算出し公表している証拠金率を適用
注文方法の種類 ストリーミング、指値、逆指値、OCO、IFD、
トレールストップ、トラリピ
(トラップリピートイフダン)
スリッページ スリッページ幅の事前設定は10ポイント
ロスカット発動水準 証拠金維持率
(=有効証拠金÷必要証拠金×100)が
100%未満となった時点。10秒ごとに判定
ロスカット
アラートメール
証拠金維持率150%未満
証拠金維持率120%未満
※いずれも1営業日1回送信
追加証拠金
入金猶予期限
0日(証拠金維持率100%を下回ると強制執行)
FXによる利益と課税 「先物取引に係る雑所得等」
として申告分離課税(20.315%)
サポート体制 9:00~17:00(土日祝を除く)
電話・メール
その他 キャンペーン FX新規口座開設キャンペーン特典
入金キャッシュバックキャンペーン
取引時間 夏時間 月曜日午前7:20~翌午前5:50
    火~金曜日午前6:20~翌午前5:50
冬時間 月~金曜日午前7:20~翌午前6:50
※上記は、マネースクエアのホームページから筆者作成(2020年10月)

2,マネースクエアのスプレッドやスワップポイントは?

実質的な取引コストであるスプレッドや、保有中の利益となるスワップポイントは押さえておきたいところ。口座を開設する前にチェックしておこう。

主要取扱通貨ペア別スプレッド一覧

以前は有料であった「トラリピ」の手数料が、2018年9月29日以降無料となり使いやすくなったが、事実上の取引手数料であるスプレッドはどうだろうか。通貨ペアごとに見ていこう。

通貨ペア 目安スプレッド 売値
(BID)
買値
(ASK)
USD/JPY(米ドル/円) 2.5銭 104.67 104.695
EUR/JPY(ユーロ/円) 2.5銭 121.867 121.892
EUR/USD(ユーロ/米ドル) 2.5ポイント 1.16416 1.16441
AUD/JPY(豪ドル/円) 3.5銭 73.535 73.57
AUD/USD(豪ドル/米ドル) 2.5ポイント 0.70249 0.70274
AUD/NZD(豪ドル/NZドル) 3ポイント 1.0629 1.0632
NZD/JPY(NZドル/円) 3.5銭 69.173 69.208
NZD/USD(NZドル/米ドル) 2.5ポイント 0.66083 0.66108
CAD/JPY(カナダドル/円) 3.5銭 78.547 78.582
GBP/JPY(ポンド/円) 4銭 135.578 135.618
GBP/USD(ポンド/米ドル) 4.5ポイント 1.29509 1.29554
TRY/JPY(トルコリラ/円) 4.5銭 12.51 12.555
ZAR/JPY(南アフリカランド/円) 1.5銭 6.435 6.45
MXN/JPY(メキシコペソ/円) 0.9銭 4.936 4.945
※ マネースクエアのホームページ(2020年10月30日時点)より筆者作成

マネースクエアのスプレッドは変動制で、ホームページでは公開していない。ただしFXレートの売値(BID)と買値(ASK)は公開しているため、この数字をもとにスプレッドの目安を計算した。スプレッドは取引時間帯やイベントなどによって大きく変動するため、あくまで参考程度としてもらいたい。

主要取扱通貨ペア別スワップポイント一覧

次にスワップポイントを見ていこう。FXでは外国通貨を保有し続けると、二国間の政策金利の差に応じ、支払いや受け取りが発生することがある。これがスワップポイントで、長期投資を行う人にとっては非常に重要だ。

通貨ペア 買い 売り
USD/JPY(米ドル/円) 2 -99
EUR/JPY(ユ-ロ/円) -65 1
EUR/USD(ユ-ロ/米ドル) -42 7
AUD/JPY(豪ドル/円) 0 -30
AUD/USD(豪ドル/米ドル) -63 15
AUD/NZD(豪ドル/NZドル) 0 0
NZD/JPY(NZドル/円) 0 -30
NZD/USD(NZドル/米ドル) -63 15
CAD/JPY(カナダドル/円) 1 -5
GBP/JPY(ポンド/円) 1 -33
GBP/USD(ポンド/米ドル) -17 2
TRY/JPY(トルコリラ/円) 3 -53
ZAR/JPY(南アフリカランド/円) 2 -14
MXN/JPY(メキシコペソ/円) 3 -8
※マネースクエア HPより筆者作成
スワップポイントは1万通貨あたりで2020年10月23日のレート

豪ドル/米ドルの売りスワップと、NZドル/米ドルの売りスワップの高さが目を引く。豪ドル/NZドルが売り、買いともに0円というのも珍しい(2021年4月1日までの限定スワップ)。

3,マネースクエアの4つのメリット

マネースクエアの基本情報を見てきたが、ここからはメリット・デメリットについて整理していきたい。まずはメリットから見ていこう。マネースクエアのFX口座にはどのような利点があるのだろうか?

メリット1,独自の自動売買システム「トラリピ」を利用できる

マネースクエアの代名詞である「トラリピ」は「トラップリピートイフダン」の略で、マネースクエア独自の注文方式だ。イフダンは購入と売却の注文を一度に設定する方法で、「もし105円になったら買い、その後106円に上がったら売る」といったことを自動で行ってくれる。リピート機能もついているので、このような注文を繰り返すこともできるし、上の図のように等間隔の値幅でトラリピをセットすることもできる。

継続的な自動売買設定ができるので、忙しい人はもちろん、仕事中や寝ている間に買い時や売り時を逃したくない人や、値動きに一喜一憂してしまう人、細かい予測が苦手な初心者にもマッチした機能である。

マネースクエアの利用者の、実に84.3%がトラリピを活用しているという。

メリット2,トラリピはレンジ相場に強い

こちらもメリット1と同様に、トラリピ関連のメリットだ。

為替は、レートがほとんど変わっていないと感じる状況でも、チャートを見ると一定の値幅の間を行ったり来たりしていることがわかる。レートの変動が一定の値幅に収まっている状態のことを、レンジ相場(ボックス相場)と呼ぶ。FXはレンジ相場を形成することが多いといわれており、トラリピはそれにマッチしている。

と言うのも、自身の判断でタイムリーに売買を行う裁量取引は、チャートを見るタイミングと波の山谷がリンクする訳ではない。常にチャートをチェックしない限り、増減に合わせて売買をするのは難しい。だがリピートイフダン機能であれば、そのチャンスを逃さず売買でき、値幅(ボラティリティ)が大きくなった場合に備えトラップ機能でチャンスを広げることができる。

メリット3,中長期の資産形成をサポートする豊富なマーケット情報

マネースクエアは中長期の資産形成という観点で、利用者の金融教育にも力を入れている。

例えばM2TVという動画チャンネルを開設しており、最新のマーケット情報はもちろん、利用者の悩みや疑問に分かりやすく答える「FX相談室」など魅力的なコンテンツを配信している。セミナーにも力を入れており、口座開設者向けのトラリピ講習や、一般向けのFX入門口座などをオンライン開催も含めて毎週開催している。

これからFXを学んで資産形成に役立てたい人は、ぜひチェックしてほしい。

メリット4,会社の安定性が高い

マネースクエアは資本金17億円(2019年3月末時点)、自己資本規制比率は389.6%(2020年6月末現在)と安定した会社だ。金融先物取引法で自己資本規制比率120%以上を維持することが義務付けられているが、十分クリアしている。

「投資家の金融リテラシーの向上と中長期の資産形成をサポートしたい」という理念で活動を続ける同社だが、2016年と2017年にサイバー攻撃により顧客情報を漏洩し、行政処分を受けた過去がある。その後は再発防止やサービス拡充に取り組んでいる。経営の健全性やあり方について見直した結果だろう。

公式ホームページでは、スキャルピングを推奨していない。中長期で安定的に結果が出せるよう初期の投資資金は200万円ほど、レバレッジは5倍程度の推奨していることも好感が持てる。

4,マネースクエアの3つのデメリット・注意点

上記のようなメリットがあるマネースクエアだが、口座開設を検討しているならはデメリットもしっかり確認しておこう。

デメリット・注意点1,スプレッドが広い

スプレッドは実質的な取引コストなので、狭いに越したことはない。マネースクエアのユーザーの8割以上が「トラリピ」を利用しているが、このような自動売買システムを使用するとスプレッドが広くなるようだ。

前述のとおり、マネースクエアのスプレッドは公開されていないため目安での比較になるが、米ドル/円のスプレッドを他のFX会社と比べてみよう。

会社名 米ドル/円 スプレッド
マネースクエア(自動売買トラリピ) 非公開(2.5銭目安、変動)
アイネット証券(自動売買ループイフダン) 2銭
DMM FX(裁量取引) 0.1銭(キャンペーン期間中)
外為どっとコム(裁量取引) 0.2銭 原則固定※例外あり
外貨ex byGMO(裁量取引) 0.2銭
2022年3月 各社のホームページより筆者作成
スプレッドは時間帯や相場の急変時には大きく変動する可能性あり

裁量取引と自動売買では、やはりスプレッドに大きな差があった。自動売買システムにループイフダンを取り入れていて、手数料のかからないアイネット証券とも比較したが、それでもマネースクエアのスプレッドは広い。

FXにかける時間を短縮でき、感情に左右されないトレードができるというメリットがあるが、その分金銭的コストが増える傾向があることを覚えておきたい。

デメリット・注意点2,スワップポイントが低い

中長期の資産形成をすすめ、充実した投資教育を提供しているマネースクエアでは、保有期間中に得られるスワップポイントは特に重要だ。米ドル/円の1万通貨のスワップポイントを比較してみよう。

会社名 米ドル/円 スワップポイント
買い 売り
マネ-スクエア 2円/日 -99円/日
アイネット証券 7円/日 -42円/日
DMM FX 7円/日 -10円/日
外為どっとコム 7円/日 -32円/日
外貨ex byGMO 7円/日 -22円/日
※2020年10月26日(付与日数1日)の比較、各社のホ-ムペ-ジより筆者作成

主要通貨ペアである米ドル/円で比較をすると、スワップポイントでは稼ぎにくいことがわかる。

デメリット・注意点3,トラリピはトレンド相場に弱い

トラリピは想定した値幅の中でレートが変動する場合に利益が増えていく仕組みのため、レンジ相場に強い。しかしイベント時など、想定を超えた値動きが発生してトレンド相場に移行した場合、レンジ相場での儲けが吹き飛び、含み損が膨れ上がっていくリスクがある。そのため、損切りの逆指値を入れておくといった対策が必要だ。

5,マネースクエアはどんな人におすすめ?

これまで解説してきたメリット・デメリットを勘案すると、マネースクエアは以下のような人におすすめだ。

・忙しくてチャートをあまりチェックできない人
・感情に左右されずトレードをしたい人
・予測が苦手な初心者

8割以上が利用していることでもわかるが、「トラリピ」を使いたいならマネースクエア、というのが結論だ。デメリットとしてスプレッドやスワップポイントを挙げたが、売りスワップであれば強い通貨ペアもあり、どの通貨ペアでどのように資産を増やすかといった戦略が立てられる人であれば、マッチするだろう。

執筆・国枝ゆたか
くにえだFP事務所・代表。金融商品を売らないファイナンシャルプランナー。自身の資産形成の経験を活かしたマネーセミナーなどが人気。若年層にも金融リテラシーを身につけて欲しいという思いから、資産形成のゲーム研修をFP仲間とともに制作。

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