2020年11月18日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米モデルナのワクチン開発期待から米長期金利上昇→米ドル/円が急騰といった場面もあったが、ワクチンの開発期待だけでは、市場の楽観は続かないようだ。とはいえ、株価は堅調さを維持している。根底にいずれできるワクチンを巡る楽観論があるほか、たとえ早期のワクチン開発ができない場合でもFRBが異次元の金融緩和策を維持するのであればリスクは取っていこうとなる。ノーポジのままではいつまでたっても利益がでないのでリスクアセットが下がってくれば下支えする参加者が多いのだろう。短期的に冷え込むことはあっても、このふんわりしたリスクオンが続くとなれば、対極にあるドルや円は売られやすいか。

現在の為替相場の戦略やスタンス

リスク許容度に対するドルと円の反応がまちまちなので米ドル/円のトレードは悩ましいが、日足レベルでチャートを見ると右肩下がりダウントレンドは継続しており、戻りを売っていく戦略になりそうだ。ただ、ダウントレンドの中、局地的なショートカバーが毎回強烈なだけにストップはタイトに入れて切っていきたい。また、期限迫るブレグジットは大詰めを迎えている。あしもとでポンドが上値を切り上げていることからマーケットは年内までに合意して英国はEUを離脱すると楽観しているようだ。もちろん「合意なき離脱」の可能性がゼロではないが、最悪でも暫定合意は取り付けるだろうと多くの参加者が考えており、自身もそのイメージを持っている。また、バイデン政権がブレグジットに反対していることも「合意のなき離脱」への可能性を軽減してくれるのではないだろうか。いずれにせよ突発的なボラティリティの上昇には備えておく必要があり、ポンド、ユーロは集中してトレードしていきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。