2020年11月25日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

ハト派のイエレンFRB議長が米財務相に内定とのヘッドラインが流れたほか、トランプ米大統領がバイデン政権への移行業務を妨げないとの見解を示したことでリスクオンの展開となっている。NYダウは3万ドルに乗せて史上最高値を更新、暗号資産もビットコインが一時200万円を記録しアルトコインも全面高、為替はリスク通貨の豪ドルやNZドルなどの資源国が買われている。新型コロナウイルスの感染拡大は深刻だが、ワクチン開発進展の好材料が相次いでいることもあり、いまのところネガティブには反応していない。一方で、ブレグジットもFTA(自由貿易協定)の交渉は最終局面を迎えている。ここまで来たら合意するだろうとの思惑からポンドは上昇しているが、本日25日(水)まで具体的な内容が伝わってきていない。今週もFTA交渉に進展がないようだとそろそろポンドにも売り圧力がかかってくるかもしれない。また、明日26日(木)からは米感謝祭があり、週末にかけて取引参加者は極端に減っていくだろう。流動性がないなか、ヒゲの多いレンジで終わるのか、薄いところを狙われて走っていくのかはわからないが、きれいな値動きにはならない可能性がある。

現在の為替相場の戦略やスタンス

NYダウは3万ドルの大台に乗せており、一定の達成感から利益確定の売りが入りやすいだろう。米感謝祭前にリスクポジションを落としたい参加者もいるだろうからこのままどこまでも円安が続くようには思えない。米ドル/円の日足チャートを見ても下降トレンドは継続しており、高値での戻り売りが合理的な判断になると考えている。ポンドはFTAの合意期待から上値を更新しているものの、「合意なき離脱」の可能性も残されており、ポンドロングで攻めたいが慎重さが求められる。対円の取引戦略としては11日(水)の高値140.259円が一つのレジスタンスになり、このラインを明確にブレイクすれば一段高となり142円台も視野に入る。一方で140円付近から反落した場合、日足のダブルトップが形成され売りにアドバンテージが出てくる可能性もあるだろう。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。