2020年12月2日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

ワクチン開発や、バイデン政権(パウエル・イエレン体制)への期待からリスクアセットは上昇。為替も通貨強弱を見てみるとユーロが大きく買われた一方で、円とドルが売られるという典型的なリスクオン相場となっている。対ドルでユーロは節目となる1.2000ドルを明確に上抜け2年7カ月ぶりの高値を更新したほか、英ポンド/米ドルは鬼門の1.3400ドル付近まで上昇、豪ドル/米ドルも年初来高値付近で推移している。緊迫する中東情勢や新型コロナウイルスの第3波も深刻だが、今のマーケットはネガティブな材料に反応するタームではないようだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ドル売りのスタンスは変わらない。米ドル/円は値動きが乏しいが、104円後半があれば売って105円を上抜けるのであれば一旦切っていくオペレーションだ。ドルショートのプレイヤーが多いので、局地的にはショートが切らされる場面もあるが、徐々に上値を切り下げていくと考える。ユーロ/米ドルは1.2000ドルを上抜け、一段上のレンジに入り、上値余地も十分あるように思える。上昇が急だっただけに若干のスピード調整が入る可能性や、欧州当局者からユーロ高けん制発言もありそうなので、安全に行くのであれば押し目を待ちたい。また、ブレグジットは好悪入り乱れたヘッドラインは入ってくるが、合意の声は未だ聞こえてこない。マーケットの楽観ムードは変わらず、ポンドは上昇しているが、今週も具体案が出てこないようだと、そろそろ売り圧力がかかってくるだろう。また、交渉時間が限られるなかで合意なき離脱を回避したとしても必要最低限の合意内容に留まるようだとポンドの上値余地は限定されるかもしれない。ヘッドライン1つで流れが変わる相場なので偏った相場観は持たないようにしたいが、どこで売るかは常に考えておきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。