2020年12月16日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

英・EU通商交渉は「合意へ向けて前進」との報道を受けてポンドが上昇している。「合意する、しない」のヘッドラインはこの数カ月何度も繰り返しているが、離脱期限が迫っているだけにマーケットは大きく反応せざるを得ない状況だ。英・EUが年内の合意を本気で目指すのであれば今週中に合意の声が聞こえてきそうだが、ジョンソン英首相は昨日15日(火)時点でも「合意なき離脱の可能性が最も高い」としている。コメント1つで流れが変わるヘッドライン相場なので偏った相場観は持たないように気を付けたい。また、本日16日(水)は米小売売上高、明日17日(木)日本時間早朝にはFOMC、パウエルFRB議長の発言とビックイベントが控えており、FOMCでは追加緩和やフォワードガイダンスの強化が示されるかなどが焦点だろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

ポンドはヘッドラインに振り回される悩ましい展開が続いており、現段階で「合意あり離脱」「合意なき離脱」「交渉延長」はすべてあり得るシナリオだ。最も可能性が高そうな、来年も「交渉延長」であれば英ポンド/米ドルは1.3200~1.3600ドル位の大きめのレンジでリバウンド狙いも可能だろう。ただ、合意ありなし関係なく年内の離脱となればロングもショートも切らされるので悩ましい。やはり、大きく持っていかれないようにポンドは短期売買に終始したい。一方で明日17日(木)日本時間早朝のFOMCだが、新型コロナウイルスのワクチン期待や、来年のバイデン政権に配慮して今回は追加緩和を見送り、フォワードガイダンスの強化のみとなるのではないだろうか。追加緩和策が示されなかった場合、足元のドル安に調整が入るかもしれないが、大きなドル安トレンドを変えるまではいかないだろう。米ドル/円も103円ミドルから下が底堅く、ショートで突っ込みにくいところもあったので仮にドルが上がる展開があればその戻りを狙っていきたい。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。