北海道の土地を中国資本が購入する……この事態は2010年ごろから表面化しています。当時は、中国が北海道の豊かな水資源を目的として山林等の土地を購入していたとみられており、2012年には道が「北海道水資源の保全に関する条例」を策定し、水資源の保護に乗り出しています。ところが、それ以降も北海道の土地を中国資本が買収しているといいます。なぜこのような事態が起こっているのでしょうか。
1年で海外資本が取得した森林は199ヘクタール!
北海道庁の発表によると、2019年の1年間で海外資本が取得した北海道の森林面積は199ヘクタールで、35件の事例があったといいます。道庁は2012年から海外資本等による森林取得状況の調査を行っており、調査開始から2019年12月末までに2,946ヘクタールの森林が海外資本によって取得されていることがわかっています。
ニセコ・トマムはいつの間にか中国企業がリゾート開発
北海道の中でも特に海外に人気のニセコ・トマムの両地域では、土地だけでなくホテルやスキーリゾートの買収が進み、海外資本によるリゾート開発が盛んにおこなわれています。
オーストラリアから人気だったニセコ周辺も、近年では中国やマレーシアなど、アジア資本による開発が進んでいるようです。
舞台は富良野へ
北海道の土地や企業を買い、リゾート開発を行う中国資本。リゾート開発の舞台は「北海道のへそ」と呼ばれる富良野に移ろうとしているようです。富良野といえば、かつて多くの国民が涙したテレビドラマ、「北の国から」が撮影された地です。
現在、北の国からの撮影が行われた場所「麓郷地区」には当時のロケセットがそのまま残されており、観光スポットとしてにぎわいを見せています。
北海道らしい景色が楽しめる富良野にはかねてから中国資本が目を付けており、以前には北京の不動産会社がリゾート開発の計画を持ち掛け、「大規模開発は農業に影響が出る」と市に拒否された経緯があります。
ところが2019年ごろから、宿泊施設が集まる北の峰地区の土地を中国資本等が積極的に取得し始めています。冬はウインタースポーツ、夏はドライブ等を楽しめる富良野は、外国人にも人気の地域です。オールシーズンで高い需要が見込める富良野には、今後も海外資本が続々と流れ込んでくることでしょう。
第2のニセコ化で不動産価値も上昇する?
北海道にありながらまるで海外旅行をしたような気持ちになるニセコ町はインバウンドの街として栄え、地価も上昇しています。中国に注目されている富良野も、数年後には不動産価値が大きく上昇しているかもしれません。(提供:YANUSY)
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