2020年12月17日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日16日(水)の米ドル/円は、ユーロなどの主要通貨に対してドルが弱含む中、一時103.26円前後まで下値を切り下げた。その後、米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策の現状維持を発表すると103.92円前後まで反発する場面もあったが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見が始まると再びドル売りに傾き103円台前半へと反落した。FOMCは資産買い入れを続ける期間を巡るガイダンスを「完全雇用とインフレ安定の目標達成に向けてさらに著しい進展が見られるまで」に修正して超金融緩和の長期化を示唆したが、より具体的かつ強力なガイダンスを期待していた市場は一旦ドル買いで反応。しかし、パウエル議長の会見がことさらハト派姿勢を強調したものではなかったにもかかわらず、ドルは大きく売り戻された。こうした動きを見ると、ドルに対する戻り売り圧力の強さを意識せざるを得ない。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円は本日17日(木)も、上値の重い展開が続く公算が大きく、下値を試す動きになりやすいと見られる。もっとも、年内最後のビッグイベントとも言えるFOMCを通過した事で、利益確定のドル買い戻しの機会をうかがう短期筋も少なくなさそうだ。下落するにしてもゆっくりとしたペースになると考えられる。昨日16日(水)安値103.26円前後、11月安値103.18円前後、心理的節目103.00円などの攻防が見どころになりそうだ。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。