2021年2月10日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

米テスラ社のビットコインへの投資という報道を背景にビットコイン円は一時500万円を超える急騰をみせた。ビットコインは1日で約10%上昇という驚異的な値動きをみせているほか、アルトコインも軒並み急騰しており、仮想通貨全体が押し上げられている。一方でドルは失速。ワクチントレード(ワクチン接種が進む国の通貨が買われる)から米ドル/円は上昇トレンドを形成していたが、仮想通貨に資金が流れるなか、反対にドルが売られる展開となっている。また、溜まっていたドルショートのポジションが一巡したことや、105円を割れでロスカットを誘発したことも下げ足を速めた原因だろう。本日10日(水)の注目のイベントとしては日本時間22時30分発表の米消費者物価指数と明日11日(木)日本時間早朝4時のパウエルFRB議長発言が上げられる。米消費者物価指数はバイデン米大統領が掲げる1.9兆ドル規模の大型経済対策案が物価上昇圧力をかける可能性があるため、注目したい。また、パウエルFRB議長発言はアフターコロナが意識されるなか、テーパリング(金融緩和縮小)について言及があるかだ。おそらくは前回のFOMCを踏襲する形で「テーパリングは時期尚早」との発言に終始すると考えられ、サプライズの可能性は低いだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

米ドル/円がこのままダウンサイドに沈み続けることはないように思うが、昨日9日(火)は105円を割り込み、大きめの陰線が出ているので一旦様子を見たい。一方、豪ドルは堅調地合いが維持されており、上値余地を無視できない状況だ。豪ドル/円には割高感もあるが、上昇を続ける株がリスクオンのモメンタムを作っており、大きく下落するシナリオは描きにくい。また、英ポンド/米ドルも強固なレジスタンスだった1.3750ドルを上抜けており、テクニカル的には上値が軽そうに見える。豪ドルと同様にポンドにも高値警戒感があるが、押し目での買い意欲は強いとみている。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。