米大手暗号資産(仮想通貨)カストディ企業のBitGoは4日、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から信託ライセンスを取得した。
ニューヨーク州と言えば、米国の金融機関の中心地であるウォール街があることで知られている。金融における重要な拠点であるため、暗号資産企業がサービスを開始するにはNYDFSにより厳しい審査が行われることでも有名だ。これまで、ニューヨーク州において暗号資産事業を行う上で必要なライセンスの取得が認められたのはBitGoを含め28例しかない。
今回、BitGoはライセンスを取得したことで、ニューヨーク州銀行法に基づく規制対象事業体としてニューヨーク州の顧客や企業、機関投資家にカストディサービスを提供できるようになる。
BitGoは2013年にカリフォルニアで設立された。米国を中心に、海外の取引所などの業者もクライアントに持ち2,000億円以上の資産を管理している世界有数の暗号資産カストディ企業だ。
カストディとは、保管を意味する言葉だ。暗号資産カストディ企業は、利用者の暗号資産を保管及び管理する業務などを主に行う。
BitGoはNYDFSからライセンスを取得するために、最高レベルのセキュリティの確保に加え、規制上の監視や監査の受け入れ、多額の暗号資産を扱う上で1億ドルの保険もかけている。
BitGoは、「ニューヨーク州に拠点を置く世界有数の金融機関にサービスを提供するために、NYDFSから信託ライセンスが与えられたことを大変誇りに思っています」と喜びを語り、このライセンスの取得は顧客基盤を構築する上で重要であるとの認識を示した。
またBitGoは、ニューヨークを拠点とする世界規模の金融機関にとって暗号資産を含むデジタル資産の採用と受け入れは事業を加速させる上で重要であるとの見解を示した。さらに、「ニューヨーク州の銀行、年金基金、ヘッジファンドなどから、カストディサービスに対して多大な関心が寄せられている」とすでに需要が高まっていることを明かした。
BitGoは2020年の8月に信託ライセンスをNYDFSに申請し、2021年の初めには元CoinbaseのチーフコンプライアンスオフィサーであるJeff Horowitz氏を雇用し、ライセンス取得に向けて準備を進めていた。(提供:月刊暗号資産)