2021年3月26日8時過ぎに西原宏一さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

今週のマーケットはトルコリラショックからスタートした。リラ暴落の要因はエルドアン大統領が、トルコ中銀アーバル総裁を更迭したことだが、問題はエルドアン大統領とカブチオル新総裁が、次の一手として何を考えているかだ。まず、考えられるのが緊急金融政策委員会を開催して、大幅な利下げをする。その場合、通貨は続落するが、外貨準備が十分ではないため、為替介入によるリラ安阻止は難しいかもしれない。またその場合、資本規制などを行うのかどうかについて、どちらにせよ週明け22日(月)のリラ円は一時13.00円を割り込んでおり、先週末の15.00円レベルから13%も暴落。トルコリラは法定通貨ではなく、仮想通貨なのかと思わせるほどの暴落劇だった。

現在の為替相場の戦略やスタンス

トルコリラが一時13%も急落し、日本株も大きく下落するも、今週の米ドル/円の下落は108.41円までと限定的。今週マーケットが円高に振れたもうひとつの要因がIMMのポジション。

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円の持ち高1年ぶりに売り越し転換、日米金利差の拡大でシカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)で投機筋による円の持ち高が16日(火)時点で3万9368枚と昨年3月以来の売り越しに転じた。米長期金利上昇による日米金利差の拡大で円売り・ドル買いに拍車がかかった。
(出所:ブルームバーグ)
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前回は円ロングだったものが、一気に円ショートに変わっている。この急変動により米ドル/円は一気に買われすぎとなったことから急落するとの見方もある。しかし、IMMのポジションはかなり経験豊富な参加者の動向を反映しているとも言え、この変化について、米ドル/円にとってポジティブではないかと考えている。米ドル/円の109円台はテクニカル上重要なレジスタンスが密集しているため、ブレイクするのは一定の時間がかかるのだろうが、米ドル/円の上昇トレンドは変わらず。米ドル/円の押し目買い継続。

西原 宏一(にしはら こういち) 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行に為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラー等を歴任した後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。ザイFX!にて「西原宏一のヘッジファンドの思惑」を連載中。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。