「パテック フィリップ」といえば、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ ピゲと共に世界三大時計メーカーのひとつに数えられる時計メゾンです。1839年の創業以来、世界で最高水準の品質保証基準を満たし、永久カレンダー、ミニッツリピーターといった機構を先駆けて搭載。飛び抜けた技術力とクオリティが、世界中の富豪から愛される所以となっています。
この記事では、誰もが一度は憧れる最高級の腕時計、パテック フィリップの歴史と魅力に迫ります。
どのコングロマリットにも属さない、独立した家族経営を重んじるメゾン
パテック・フィリップ(Patek Philippe)は、スイス時計の聖地であるジュネーブで唯一、独立した家族経営を守り続けている時計マニュファクチュールです。1839年、アントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとフランチシェック・チャペックという2人のポーランド人によって創業されました。
現在の社名はパテックと、彼が1844年に出会った才能あふれる時計職人ジャン・アドリアン・フィリップの名前に由来します。パテックは、フィリップが発明したリューズ巻き上げ・時刻合わせ機構に感動し、両者は意気投合したといいます。1945年にはフィリップを共同経営者として招き入れ、いよいよ「パテック フィリップ」としての歴史が始まります。
1851年、ロンドンの万国博覧会に出品したリューズ巻き上げ時刻合わせ式時計を、イギリスのヴィクトリア女王が購入すると、その名は世界にとどろくこととなりました。その後も世界の歴史的重要人物が所有することでますます有名になっていきます。
順風満帆下に見えたパテック フィリップですが、実は1929年の世界恐慌の時に一度、経営危機に陥っています。それを救ったのが、文字盤製造業者のスターン兄弟です。1932年、彼らがパテック フィリップの経営権を取得する形で救済しましたが、創業以来の理念やレガシーはしっかりと受け継がれており、現在でもコングロマリット(複合企業)の支配を受けなかった「独立性」を誇りとしています。
パテック フィリップの技術力、特に正確無比な計時精度はすさまじいものがあります。1962年に同社のトゥールビヨン・ムーブメントがジュネーブ天文台計時精度コンクールで樹立した“世界最高計時精度記録”は、いまだにやぶられていません。
パテック フィリップの魅力と資産価値
パテック フィリップは創業以来、スイスの高級時計製作の伝統を継承しつつ、常に進歩して今日まで発展してきました。時計に関係した特許の数は100件以上あり、そのいずれもが時計界に革命をもたらした「時計界進化の原動力」というべきものです。
トゥールビヨンなどの複雑機構をいくつも搭載する時計は「グランド・コンプリケーション」と呼ばれますが、パテック フィリップはグランド・コンプリケーションをあくまで1つのコレクションとして捉えています。技術の粋を集めた腕時計を常にラインナップしていることは、比類ない技術力を持ち続けいる証ともいえます。
余談ですが、複雑機構のひとつに「ミニッツ・リピーター」と呼ばれる、音を鳴らして時刻を知らせる機構があります。この機能を搭載した時計は「チャイムウォッチ」とも呼ばれ、パテック フィリップが特に情熱を注いできた分野です。家族の情熱だけが芸術的な音色の時計を生み出すことができる、という「哲学」すら持っています。
そんなパテック フィリップの突出した機能美は、同時に資産価値にもなっています。パテック フィリップの実売価格は、スポーツウォッチである「ノーチラス」シリーズで350~380万円ほどです。高額なモデルになると500万円を超えるものも存在します。
パテック フィリップを代表するコレクション3選
パテック フィリップの腕時計には、さまざまなコレクションがあります。現行クレクションのなかで、代表的な3つ紹介しましょう。
代表的コレクション1:カラトラバ
パテック フィリップと言えば、まずカラトラバというほどの代表的モデル。このモデルの造りこそ、パテック フィリップの伝統とそして革新的な技術を象徴していると言えるでしょう。
初代モデルは、1932年に発売された「Ref.96」です。カラトラバは初代モデルから文字盤に数字を用いていません。その洗練されたデザインは今もなお踏襲されています。
黄金比と称される完成されたデザインが特徴的で、複雑機構を用いていない古典的ドレスウォッチとして時計マニアに根強く愛されるコレクションです。
代表的コレクション2:ノーチラス
その名から連想されるとおり、潜水艦の舷窓からデザインのヒントを得たという、パテック フィリップ初のスポーツウォッチのコレクションです。
持ち味と言えるのが、水平エンボス文字盤を採り入れたカジュアルにしてエレガントなデザイン。1976年の登場以来、ステンレススチール、ローズまたはホワイトゴールド仕様、またはこれらの組み合わせで活動的な紳士用、婦人用のモデルが多彩にそろっています。
代表的コレクション3:グランド・コンプリケーション
パテック フィリップが、「芸術と技術における究極のチャレンジ」と称するコレクションです。どのモデルにも、人類が手作業でつくることのできる限界ともいえる最高の技術力が注ぎ込まれており、まさに時計製作の頂点と呼ばれるにふさわしいコレクションです。この究極の腕時計は、パテック フィリップのモデルのトップに位置するもので、2021年2月現在は現行で35モデルを扱っています。
グランド・コンプリケーションは、パテック フィリップの名声を高めた重要なコレクションのひとつです。なかでも1989年に発表された「キャリバー89」は、世界でもっとも複雑な時計として知られています。
オンライン見本市で発表される新作に期待が高まる
スイスを代表する時計見本市の「ウォッチ&ワンダー ジュネーブ(Watches & Wonders Geneva)」は、2021年4月7日から13日にかけて開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大でリアルイベントを中止し、昨年同様にオンラインで開催されることが発表されています。
このイベントには、パテック フィリップをはじめとし、ヴァシュロン・コンスタンタン、ジャガー・ルクルトなど50のメゾンが出展を予定。2020年と異なり、今回新たにライブチャットやストリーミング機能を導入し、各ブランドが2021年の新作時計を紹介するとみられています。
パテック フィリップの新作モデルは、どのように発表されるのか。オンライン開催とはいえ早く見たいものです
自分に合ったコレクションを見つけてみては
パテック フィリップのコレクションは、いずれもデザイン性に優れ、機能性、使い心地、どれをとっても素晴らしいものばかりです。ドレスウォッチやスポーツウォッチなど、幅広い着用シーンに対応したモデルがそろっています。
超一流への一歩目として、まずは自分に合ったコレクションを探してみてはいかがでしょうか。パテック フィリップのオーナーになることで、あなたの人生はさらに輝くものになるはずです。(提供:JPRIME)
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