日本でもユーザー数を伸ばし、アマゾンの脅威となりつつあるECサイトの開発や運営を行うベンチャー企業がカナダの「ショッピファイ」です。「ショッピファイの台頭でアマゾンや楽天市場がなくなるのでは」とささやかれるほど注目されています。EC業界に彗星のごとく現れたショッピファイを紹介します。

2004年創業のECベンチャー「ショッピファイ」のビジネスモデル

ECベンチャー企業,ショッピファイ
(画像=monticellllo/stock.adobe.com)

ショッピファイは、カナダのオンタリオ州に本社があるECプラットフォーム事業を営むベンチャー企業です。2004年に創業し、2015年にはニューヨーク証券取引所に上場を果たすほどの急成長を遂げ、注目を浴びました。

ショッピファイは、企業を対象としたオンラインショップ作成ツールの「ショッピファイ」の提供を主な事業としています。ショッピファイは、オンラインショップで使われるデザインテーマやドメインの販売、アプリの課金、月額利用料金などから収益を得ています。

大手企業も出店するショッピファイの魅力

ショッピファイが人気を集めている理由は複数あり、デザインのカスタマイズ性に富んでいることもその一つでしょう。アマゾンではすべてのショップが同じデザインのページを利用するほかなく、「自社らしさを表現することが難しい」というデメリットがありました。

ショッピファイでは、デザインテーマを選択し用意した画像を入れ込むだけで「自社ブランドにマッチするデザインのECサイト」を簡単に構築できます。

ショッピファイを利用すれば自社でサーバーを用意する必要はなく、月額利用料として毎月29ドルを支払うだけでECサイトを運用できるのもメリットです。多言語・多通貨対応で海外配送も行えるため、海外向けの商品を展開する企業の越境ECへのチャレンジも容易です。

ECモールの企業離れが相次ぐ理由

アマゾンや楽天といったECモールは、高い集客力によって売上に貢献するものの、ブランドの認知向上にはつながらないという課題がありました。また価格競争が起こりやすく、値下げ合戦によって結果的に薄利多売になりやすいこと、また運営企業の方針転換に従うほかないことも課題でした。

ショッピファイでは、自社でECサイトを持つことになるため集客力は下がりますが、「自社のファン」を獲得しやすくなります。企業はショッピファイの運営支援を受けながら、自社商品を直接消費者に届けられるのも人気の理由です。すでに高いブランド力を有する企業の中には、「アマゾン離れ」を公言する企業もあります。

米国でのECシェアは第2位に アマゾンを追い越す日も近い?

ショッピファイは、アメリカのEC市場第2位のシェアを誇る大企業に成長しました。シェアは王者アマゾンの約4分の1で、まだアマゾンを追い越す規模ではないものの、すでにその背中が見えている状況です。

2020年の売上高は前年比86%増の約3,080億円と、大躍進を遂げています。コロナ禍の追い風を受けて成長するショッピファイがアマゾンを超える大企業になる日も、そう遠くないかもしれません。

(提供:YANUSY

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