「純資産総額880億ドル(約9兆円)」といわれる英王室ファミリーの中で、最大の資産を保有するエリザベス女王。推定5億ドル(約545億円 *1米ドル=109円換算、以下同じ)の純資産に加え、巨額の富をもたらす収入源とはどのようなものなのでしょうか。

英王室の主な収入源はこの3つ!

金融
(画像=kaipity/stock.adobe.com)

米フォーブス誌の報道によると、エリザベス女王の2018年度の個人支出は2,700万ドル(約29億円[税引き前])。「女王は個人的な支出には、個人的な収入を使用(英王室公式サイトより)」しているということは、個人収入でも相応の金額を得る必要があるということです。

エリザベス女王を筆頭とする英王室ファミリーは、以下のような複数の収入源をもっています。

(1)最大の収入源は「王室助成金」

英王室の最大の収入源は、公務の支援資金である王室助成金です。

バッキンガム宮殿やケンジントン宮殿など、英国で最大の不動産ポートフォリオの一つである、クラウン・エステート(王室に属する土地・権利)から得られる収益の純剰余金の一部が王室助成金の資金源です。

2017年から10年間にわたり、バッキンガム宮殿の修繕費用という名目で、純剰余金から支払われる割合が15%から25%に引き上げられています。そのため、2017~2018年度は7,610万ポンド(約108億円 *1英ポンド=142円換算、以下同じ)、2018~2019年は8,220万ポンド(約116億円)が支払われました。

(2)「不動産」からも多額の収入

エリザベス女王は、クラウン・エステートが所有する総額187億ドル(約2兆円)相当の不動産やランカスター公領(王室専用の信託)から、個人的なポートフォリオ収入を得ています。

また、スコットランドのバルモラル城やノーフォークのサンドリンガム・エステートなどは、エリザベス女王が直接所有しています。

(3)「ロイヤル・コレクション」と300点以上の個人コレクション

英王室には代々受け継がれる数々のコレクションがあります。例えば、530.2カラットという世界最大のカットホワイトダイヤモンドをあしらった国王の杖や、ティアラを含む装飾品、250万ドル(約2.7億円)相当のメダルコレクション、250万ドル(約2.7億円)相当のワインコレクション、9,500万ドル(約103億円)相当の切手コレクション、900万ドル(約10億円)相当の自動車コレクションなどです。

これらのコレクションから得られる収益は英王室に個人的な収入をもたらすものではありませんが、エリザベス女王自身も300点以上のプライベート・ジュエリーコレクションを所有しているそうです。

女王には、クラウン・エステートの不動産やロイヤル・コレクションを個人的に売却する権利は与えられていません。しかし仮に、クラウン・エステートの不動産を個人的に所有する権利が与えられた場合、「エリザベス女王は世界で3番目に裕福な女性になる」と米フォーブス誌は推測しています。ロイヤル・コレクションを合わせると「世界で最も裕福な女性」になるかもしれません。