2021年5月13日11時時点に神田卓也さんに直接聞いた最新の相場観と戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

昨日12日(水)のNY市場では、米4月消費者物価指数(CPI)が大幅に予想を上回るとドル買いが強まり、米ドル/円は109.70円前後まで上伸。米4月CPIは前年比+4.2%と約13年ぶりの高い伸びとなり、インフレ懸念を絡めながら米10年債利回りが1.70%付近まで急上昇した。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+3.0%に加速しており、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が超低金利政策を維持するのが難しくなるとの見方が浮上している。クラリダFRB副議長は、インフレは年末に向けて落ち着く可能性が高いとしながらも、必要とあればFRBはインフレ抑制に向けた行動を躊躇しないだろうと言明した。

現在の為替相場の戦略やスタンス

本日13日(木)は米4月生産者物価指数(PPI)の発表が予定されており、市場予想は前年比+5.8%、コアPPIは前年比+3.8%と、こちらも高い伸びが見込まれている。PPIの発表後に米10年債利回りが1.7%台に乗せてくるようなら、米ドル/円も4月6日以来の110円台に続伸する可能性があるだろう。米長期金利については、270億ドル規模の米30年債入札の結果も合わせて注目したい。他方、長期金利の上昇を受けて米国株が大幅に続落しており、本日13日(木)も世界的な株安の流れが続けばリスク回避の円買いが米ドル/円の上値を抑える事も考えられる。米国債市場の動向だけでなく欧米株式市場の動きにも注意を払っておきたい。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券(株)(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)を経て、1991年(株)メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月(株)外為どっとコム総合研究所入社。

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。